お題

#読書感想文

本を読んで感じた気持ちや考えたことを、言葉にしてnoteに残してみませんか?おもしろかった本の感想や学びを「#読書感想文」で教えてください!

急上昇の記事一覧

青空文庫で読む谷崎潤一郎

重厚な百科事典や文学全集をお部屋のインテリアにする時代は終わった。 我が家の古い日本文学全集でも谷崎潤一郎は読めるのだが、2段組の活字は目に優しくない。 いつでもどこでも気軽に読める青空文庫はとても重宝している。 母の手術を待つ間、スマホで谷崎潤一郎の『卍』を読んでいた。 お蔭で深刻な気持ちにならずに済んだ。 この物語は、ヒロインが先生なる人物に、スキャンダラスな事件の顛末を告白する形で進行する。 長編『細雪』同様、登場人物は阪神間の富裕層だ。 夫は大阪で弁護士事務所

【あたたかい花をみんな持っている】 読書#136

みなさん、いつもお世話になっております! 本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。 自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします! 今回は、なんて表現したら良いのでしょう。 人生についてです。 ヘッダーは、マリコ*女性の生き方冒険家さんの作品を使わせていただきました! ありがとうございます!! 目次 基本情報大井 浩平 (著) デザインエッグ株式会社 出版 20

楽園のカンヴァス 原田マハさん

赤い羽織ものと 緑のパンツ その赤の色味と その緑の具合が どちらも遠慮なく濃くて ふっと ゴーギャンのあの絵の色のようだ 黒 襟を立てた薄手のジャケットを着た女性 ほっそりとされていて 黒いお帽子はかぶっていないけど ロートレックのあの絵のよう 食品の買い出しが済み 大型店の一階でエレベーターを待つ間 カートからはみ出て困る長ネギの角度を調節しながら 何だかいちいち有名な画家さんのお名前で すれ違う人々をたとえてしまう それは多分 「楽園のカンヴァス」原

著…土井善晴『一汁一菜でよいという提案』

 「料理を作るのは大変だ」「献立を考えるのが面倒だ」と思っている方におすすめしたい本。  「ご飯と具沢山の味噌汁と漬物さえあればいい。漬物が無くてもいい」という肩の力を抜いたスタイルが身につくので、気楽に食事を楽しめるようになります。  わたしは特に、脳が喜ぶ美味しさと身体が喜ぶ美味しさは別だ、という著者の考え方に共感しました。  「脳が喜ぶ美味しさ」には、一口食べるなり「美味しい!」と感じる刺激的な快楽があるそうです。  「身体が喜ぶ美味しさ」には、食べ終わった後で

わたしの人生を変えた「書く」にまつわる10冊の本

わたしのnoteは、最近「未経験からでも理想の働き方がしたい人の研究所」みたいになっているのかなって思うようになりました。 理由は、ダッシュボードを見るとよく読まれている記事は、強みのこと、働き方のこと、未経験からフリーランスになることなどが多いんです。 未経験からでもフリーライターになるためにしたことを振り返って気づいたのが読書でした。 はじめに副業をスタートしたのが2021年4月。育休から復職した一か月後のことでした。忙しい割には、仕事も育児も家事もどれも中途半端な

輝く季節を旅する -フォークナーの小説『八月の光』の美しさ

【水曜日は文学の日】 光あるところに影があるように、物事には、二つの対照的な側面があります。 しかし、例えば一つの小説の中で全く対照的な物語を進めることは、案外困難で、少ないように感じます。 アメリカの小説家ウィリアム・フォークナーの1932年の長篇『八月の光』は、二つの異なった物語を合わせた傑作であり、しかも、驚くべき後味のよさを持つ作品です。 物語は、リーナ・グローブという少女の話から始まります。身重の身の彼女は、お腹の子供の父親であるルーカス・バ

「ミシンと金魚」を読んで|読書感想文

今すぐ読みたくなってしまう本に出会うこともあります。そのような緊急時は電子書籍で購入します。 「ミシンと金魚」はどうしても今すぐ読みたくなった本でした。 あらすじカケイさんは認知症。夫に先立たれ一人暮らしをしている。週に何日かデイケアサービスに通い、週末は息子の嫁がカケイさんの様子を見にくる。 息子の嫁は意地悪でカケイさんにいつもどなる。息子に会いたいのに、会うことがない。 毎晩オムツをすることを心がけている。ケアサービスの人に迷惑をかけないように。息子の嫁に怒鳴られ

「こんな画集の表紙、見たことない!」著者の個性に寄り添った装丁デザインはどのようにできるのか?編集&デザイナー特別インタビュー!

「表紙が3枚……!?」 最初に今回の画集の装丁を言葉だけで聞いたとき、完成形が全く想像出来なかった。 “本の表紙は1枚”という私の固定観念をきれいに壊してくれた、イラストレーター・ともわかさんの作品集『24/7 TOMOWAKA ともわか作品集』。 その驚きの装丁がコチラ。 異なるイラストを載せた紙を表紙・裏表紙に3枚ずつ重ね、その上からクリアカバーを巻き1冊の本に仕上げている。さらに本を開くと、ページの間と終わりに別の本がひょっこりと挟まっている。 いったいどうや

【読書コラム】ラスト1行が衝撃過ぎて、思わず「あっ!」と声が漏れてしまった「忘れえぬ人々」 - 『武蔵野』国木田独歩(著)

 今度、日本の自然主義文学について話す機会があるので、いろいろと代表的な作品を読み込んでいる。議論の運びとしては島崎藤村『破戒』と田山花袋『蒲団』を中心にまとめ、後々、私小説というガラパゴスな進化を遂げたという方針を立てている。  残り時間はあと10日ほど。まだスライドは作っていないけれど、私小説とプライバシーの問題に触れるなど、いくらでも話題はあるだろうなぁと楽観している。だから、せっかくだし、自然主義の幅を広げておこうと国木田独歩『武蔵野』にも手を伸ばしてみた。  も

「アニーの冷たい朝」黒川博行さん(読書感想文)(*ネタばれ注意)

女性を殺し、人形のように 衣装を着せる変質者である 犯人。 ほぼほぼ、大迫という男かと 思いきや、 ラストスパートで、大迫の ボス、江角だとわかる。 ちょっぴりケムケム感あり。 大迫は、単なる江角の子飼い だったんたけど、 途中まで大物として描かれていた。 主人公、足立由美(23才、 高校教師)が、大迫と出会い、 デート商法で、宝石を買わされる。 それと同時進行する、 殺人&人形服事件。 江角はバービィ人形で、街を 作り、墓まで作る変質者。 それを追う刑事たちも メ

フリーランス2か月目で気づいたわたしの「欲望」の正体。

自分の「欲」の正体フリーランスとして働き始めて、1か月半が経ちました。これまで気づかなかった感情がふと湧き上がってきて驚いています。 それは、予想していなかった『欲望』の感情でした。 会社員時代、目標となるような上司に出会うこともなく、ただ淡々と業務をこなす毎日の中では、誰かを羨ましく思う気持ちや嫉妬心を抱くこと、誰かと比べることはなかったんです。 比較する対象がいないからこそ、『欲』という感情を抱くこともなかったのでしょう。 フリーランスになった今。 憧れや欲望が

大岡昇平「野火」読書感想文

読書をしているうちに大岡昇平を知る。 あちこちの本の巻末の解説に “ ケンカ大岡 ” の異名が登場してくる。 海音寺潮五郎には「史実を曲げている」と突っかかり論争になったとか。 井上靖も「フィクションが過ぎる」と突っかかられて、気の毒なことに論争になったとか。 松本清張にもだ。 ほっとけばいいのに「推測が浅い」と突っかかり論争になったらしい。 めんどくさそうな人、という印象があった。 それほどに言うのだったら、さぞかし史実に忠実で、フィクションも過ぎなくて、推測も深

感想 異次元緩和の罪と罰 山本 謙三 確かに経済的には恩恵を受けたが、その間に出来た膨大な借金は次世代への負の遺産ですね。

少し前に、日銀が異次元の金融緩和を是正すると政策変更を匂わせたら 一気に為替が20円円高となり、株価が暴落しました。 この異次元の緩和政策は、当初二年という約束でしたが、結局は11年も続いたのです。 確かに経済はリーマンショックや東日本大震災、民主党の大失敗から復活しパンデミックも乗り越えた。 この政策を全面非難するつもりはありません。 著者の言うとおり、長すぎたのです。 他の本などは五年くらいで良かったのではという話しもありました。 11年は長かった。 異次元の金融緩

宮部みゆきさんの火車を読んだ感想『ただ、幸せになりたかっただけなのに』

宮部みゆきさんの小説 『火車』を読んだ。 この小説を読んだきっかけは、私の大好きなnoterさんのおひとりでもある くなんくなんさんのnoteを読んで興味を持ったからだ。 この物語の時代背景は 1990年代 いわゆるバブル全盛期の頃だ。 贅沢な生活に日本国民の大部分が憧れて、お金を使うことが正義であるかのような風潮で、日本人は右肩上がりの好景気が永遠に続くと信じていた、そんな時代。 また、「欲しいものをもっと手に入れたい」と日本人の限りない欲望に合わせて、クレジット

今更ながら自己紹介

はれ:noteでは色んな方が自己紹介なるものを書いてらっしゃるので、今更ながら自分も書いてみます。 こんにちは、はれです。 読書が大好きで、日常の中でさまざまな本の世界に浸る時間が私にとっての至福のひとときです。 noteでは少し変わったスタイルで、本の感想を発信しています。 それは、ただの感想文ではなくAIとの対話形式で感想をまとめるという方法です。 チャット形式でやり取りをすることで独り言のような感想ではなく、まるで誰かと一緒に本について語り合っているような気分

小説に学ぶシニアライフ5選 まとめ その2

将来について語るとき、若かりし頃は夢と希望、そして期待にあふれていました。しかし、老後となるといささか事情が違います。 将来について語るとき、そこには不安しかありません。なぜなら情報が少ないからです。豊かな老後を暮らすためにはどうすればいいか? お金、仕事、親の介護、健康維持、趣味、人間関係、老いらくの恋、情報収集範囲は幅広く未知の世界への心構えが必要です。 こんな情報をストーリーで楽しめる定年小説というジャンルがあります。 フィクションとは言え、有名作家さんが描く物

「トム•ソーヤーの冒険」 マーク・トウェイン 感想文

あのトム・ソーヤーだからきっと速く読めるだろうと高をくくっていた。しかし大人が読む小説でもあった。全三十五章と「結び」、思いの外時間がかかってしまい、一日空いていた昨日、130ページ以上を一気に読めたのは、すごく面白かったからだ。 灯(あかり)がまだ蝋燭の頃、1840年代ミズーリ州のセント・ピーターズバーグの小さな村の悪戯小僧たちの冒険小説。 スマホのない時代、全てが彼らには謎、自力でその意味を見つけ探り答えを出そうとする姿がとてもいい。 ゲームもおもちゃもない世界、自分で

「みんなのよみきかせ大賞」があるらしい。

「みんなのよみきかせ大賞」なるものが、あるらしい。 わたしは、メディアパル様の記事で知った。 ふたつの部門があるらしく、わたしの立場から応募できるのは「絵本大好きさんがえらぶ!よみきかせ絵本部門」のようだ。 詳しくは、公式のコチラを。 2024年10月31日までに発売された絵本が対象で、実際に「推し本」のエントリーができるのは、来年1〜2月だそう。 えーーー!! いちばん大好きな一冊かあ! ‥迷うなあ。迷う。 小さな頃から、読み聞かせをしてもらい、絵本が大好きにな

スティーブン・キング『ビリー・サマーズ』 🔵前作『異能機関』が素晴らしくて、ずっと読みたかったのです。 キングは『キャリー』でデビューし、今年50周年。 今作の主人公、殺し屋ビリーは小説家に身分を偽ります。そして本当に小説を書き始めてしまうのです。 もう面白いに決まっています。

黒影紳士 ZERO 01:00 〜双炎の陣〜第五章 十二方位

第五章 十二方位 「幻影守護帯……発動!」  黒影は直ぐに、事件と深い関係にある行平 信夫教授を守る事に徹する。  己の影を帯状にし、シュルシュルと音を立てて、行平 信夫教授をぐるぐる巻きにした。  此の影は強固な守りにもなれば、犯人からすれば逃れる事の出来ない拘束ともなる。 「甘いな……。其奴がいなければ、犯人は犯行不可能だったかも知れないではありませんか。僕ならば、手足を影で突き刺してから、連行する。あくまでも己は犯人では無いと思っている、重要な協力者なのですよ?まぁ、

読書記録「魔性の子」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です! 今回読んだのは、小野不由美さんの「魔性の子」新潮社 (1991) です! ・あらすじ 雪が降っている日だった。祖母の躾けで中庭に締め出されてから、一時間は過ぎていた。 祖母は「洗面所の水滴を拭かなかった」と言って私を叱った。犯人は私ではないが、祖母から「嘘をつくな」とも言われているため、黙るしかなかった。 ふと顔を上げると、倉と土塀の狭い隙間から、白い二の腕のようなものが手招きしているのが見えた。 呼ばれるがままに足を踏み出す

投資#279 アラフォーでは至れない境地

書籍の情報 タイトル:どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる 著者:和田秀樹 発行所:SB クリエイティブ株式会社 発行日:2023年3月25日 書籍の抜粋 感想抜粋した理由 いい見出しだ! と思い、読み始め、 抜粋しました。 ただ、最後のところに ちょこっと記載があるだけ。 いい感じに、 見出しに釣られました(笑) 本文 ―――1――― QOL、QOLと 健康診断を受けるたびに 言われている気がします。 まだ、今のところは、 経過観察が2項

【読書感想】「やせてる人」の習慣、ぜんぶ集めました。/工藤 孝文

『「やせてる人」の習慣、ぜんぶ集めました。』こちらの本、読みました。 タイトルから想像するに、痩せるためのコツみたいなものがたくさん載っている本なのかなと思い、興味を持ちました。 本の内容まずはAmazonから本の内容を抜粋します。 こんな感じの本です。 本書を知ったきっかけは書評サイトからでした(以下リンク)。 記事の冒頭でも触れた通り、痩せるためのコツみたいなものがたくさん載っている本なのかなと思い、興味を持ちました。 そして実際、そんな感じの本でした。 著者

スースーとネルネル

その夜、ウサギはベッドの中でじっと天井を見つめていた。窓から差し込む月明かりが、部屋全体を柔らかく包み込むように照らしている。彼女の瞳はいつの間にか暗闇に慣れ、静かに夜の静寂を見つめていた。 今日も一日、精一杯やり遂げたはずなのに、なぜか今夜はまぶたが重くならない。体は疲れているはずなのに、頭の中は何かを探し続けているようだった。 彼女は深く息をついて、そっとベッドを滑り降りた。足音を立てないように小さな本棚の前に立つと、一冊の絵本に手を伸ばした。 「眠れない夜にはこの本

【読書感想】精神科医が教える ストレスフリー超大全/樺沢 紫苑

「精神科医が教える ストレスフリー超大全」こちらの本、読みました。 本書の著者である樺沢紫苑さんの本は今回で2冊目です。 本の内容まずはAmazonから本の内容を抜粋します。 こんな感じの本です。 樺沢紫苑さんの本は今回で2冊目です。 1冊目に読んだ「ブレイン メンタル 強化大全」が良かったので、2冊目として本書を読んでみました。 「ブレイン メンタル 強化大全」の読書感想は以下です。 本書は1つのトピックに対して「エビデンス」「ToDo」をいくつか挙げていく構成

探偵活動とパズル~真相や背景を見通す目を持つと見え方がかわる~ポワロ作品

➀本文の中で、ポワロの探偵活動が次のように例えられていました。  これは、アガサ・クリスティ自身の本格ミステリー観と言えるかもしれません。    たしかに、創作、物語とはいえ、あまりに突拍子もない、奇抜なストーリー、動機などでは、共感は得られないし、ミステリー作品としての完成度も低いと評価されるのではないかと思います。  どうして(どういう気持ちがあって)、そんな行動をとったのか。  もちろん、私自身は共感できることもあれば、全く理解できないこともあります。  でも、「

書籍レビュー『「簡潔さ」は最強の戦略である』ジム・バンデハイほか(2024)文字や言葉で伝える時に重要なこと

大量の文字に翻弄される時代私は常日頃から 「簡潔さが重要」と思っています。 ある時、同じようなことを 考えている人はいないのか、 ネット上で検索をかけてみたのです。 すると本書が出てきました。 本書が発売される1週間前のことです。 そこにはこのような文が 掲載されていました。 私たちはこれまでの人類が 経験したことのないほど、 大量の文字に囲まれて 生活しています。 そんな中で、大量の情報に 煩わされ、翻弄され、 多くの時間を 無駄にしているんですね。 この状

本屋大賞を受賞した本。これはおもしろい。そしてサッと読める。中高生にも勧められる一冊。主人公の少なからずぶっ飛んだ設定が良い。あと、漫才のネタがおもしろい。滋賀県愛がすごい。 https://www.shinchosha.co.jp/special/naruten/

1巻完結のおすすめ漫画を厳選!

随時更新中(最終更新日.2024/9/21) 長編漫画も好きですが、単巻、短編集といった1巻で完結する漫画も大好きなニケです^^ 何せ1巻で完結しますから手に取りやすく、直ぐに読めるというメリットがあります。 作品集なんてミスドのドーナツポップみたいに色んな味が楽しめますしね、お得!笑 今回は短編集・作品集は省きますが、いずれ短編集オンリーで紹介する予定です^^ それでは、今まで読んできた1巻完結の単巻、エッセイ漫画を厳選して紹介していきますよ! 『ストロボライト』青

【読書】 私はなぜ靖国神社で頭を垂れるのか

出版情報 タイトル:私はなぜ靖国神社で頭を垂れるのか 著者:ジェイソン・モーガン 出版社 ‏ : ‎ 方丈社 (2024/7/24) 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 320ページ 日本は青い目のサムライを見出した!脅威の150万再生!!  それまでも十分親日派として知らせてきたジェイソン・モーガン。彼は現在、千葉にある麗澤大学の歴史学の教授である。学生時代に来日し、紆余曲折あり、日本の大学に奉職している。著作もたくさん。この記事の読者であれば手に取った人も多い

読んだ本📕✨とお月見団子?

■「成瀬は信じた道をいく」宮島未奈 滋賀県大津市に住み、地元をこよなく愛する主人公は、200歳まで生きると豪語する唯一無二のスーパーウーマン。 今日もまた周りの人々に様々な影響を与えながら我が道を進む。 主人公を取り巻く人物に焦点をあてた連作短編5篇。 まぁ、こんな子(成瀬)は、現実にはいないと思うけど、振り回される人々も含めて魅力的。(特にスーパーの客がツボ) 読みやすくわかりやすい文章が「中高生におすすめする司書のイチオシ本 1位」にうなずけます。 前作は1年近く

読書ノート|『ほたるいしマジカルランド』寺地はるな

蛍石市の遊園地『ほたるいしマジカルランド』で働く人たちが主役の物語。ひらかたパークがモデルになっているらしい。高校生のときまでひらパーの広告が吊るされた電車でずっと通学していたからとても懐かしくなった。 別の世界に遊びに行っている気分を味わうテーマパークとはまた違って、遊園地は現実世界の中でとても楽しいことをしている感じがしてわくわくするし、こんなところで働けたら楽しそうだと思ったことも何度かある。だから、遊園地のことが大好きな人たちのキラキラしたお仕事小説だと思って読み始

ページの上に、ひろがる色彩。

先日も本についての文章を書いたばかりではあるのですが、実は、このごろ思うように本を読むことができていません。 職場でちょっとした環境の変化があったせいなのか、とにかく、すぐに眠たくなってしまいます。 眠る前に本を読もうとしてページを開いても、いつのまにか船を漕いでしまうのですよね。 以前はそんなときでも無理をして読み進めようとしたものですが、今は体の声に耳を傾けるように心がけています。 "のんびり、ゆっくり読んでいけば良いよね" そんな気持ちで、先日購入したばかりの長田

占い師だからできる!転職相談のお客様の背中を押す言葉<自己啓発・仕事術>

最近、増えている転職相談。転職をするべきかどうか?転職をするのに適切な時期、自分の適職を知りたい。転職を上手くいかせるにはどうすればいい?など先生の得意の占術で、お客様の性格や資質も踏まえて、アドバイスをしていることと思います。 そんな転職相談のお客様には、本書で紹介したように、お客様の才能をいかす仕事をすることの価値、職を転々とすることへの自責の念へのはげましを添えてあげると、お客様もより勇気がわき、希望が持てるはず。「退職する前に出会えて良かったです!」そんな鑑定後のお客

著…MB イラスト…縞野やえ『服を着るならこんなふうに 実践編』

 原作漫画が好きなので、この書籍も読んでみました。  「何をどうしたら良いか分からないが、まずは万人受けするファッションをしてみたい。しかし、高額な服は買えない」と考えている男性向けの本。  メンズファッションが好きな女性の参考にもなると思います。  ●カジュアルなアイテムばかりでまとめるのではなく、カジュアルな要素とドレッシーな要素を混ぜる  ●シルエットをなるべく細身にする  ●ボトムと靴の印象を「繋げる」と脚が長く見える  といった原作漫画で紹介したコーディ

世界は、信用で回ってる

気持ちが不安定なとき、助けを求めるように読みたくなるのが、青山美智子さんの小説。 「そのままでそこにいて良いんだよ」というメッセージを含んでいる気がして、とても癒される。 色彩の表現や出てくる小物がオシャレで、言葉から思い浮かぶ色はカラフルで柔らかい。その色彩を楽しむ。 本書は、自分の進みたい道に進む勇気をくれる。 そして、優しくそっと背中を押してくれる。 思い返せば、合わない環境で、なんのために仕事をしているのかわからなくて、もがいていた時期が長かった。 HSP

「妄想」、してますか?

おはようございます。こんにちは。こんばんは。ourlyの村山彩です! 全社員noteリレー企画、第9弾!私のおすすめの本を紹介いたします! 前回はチームメイトマブの関根氏が人生を思い通りにする「問い」の力について記載してくれました。 私がおすすめしたいのはこちら! 恩師に「あなたが直観的に感じている違和感は誰にでも持てることではなく強みである。一方で非論理的で感覚的、伝わらなくて悩むことも多いだろう。論理に落として言語化できるようになると本質的な課題解決能力があがる」と

2024年8月に読んだ本

駆け抜けた8月。(ああ、気づけば9月下旬・・・) 9月に入って少し落ち着いたこともあって、読書中心のゆるり生活を送っていたのだけれど、うまく読めない生活を送っていた。 普段ドラマを見ない私が珍しくドラマ「青島くんはいじわる」で心の平穏を保っていたわけだけれど、TERESAで一気見して、最終話も終わったところで1週間くらいで熱が落ち着いてしまった。 そう、青島くんで思ったことは、「自分が嫌なことは人にしない」はそのとおりだと思うけれど、「相手の希望する形で行動に移す」とい

「失われた時を求めて」を巡る冒険⑨

↓を読了しました。 全14巻の後半戦へ突入です。 今作の重大なテーマのひとつである「同性愛」が出てきました。 訳者のあとがきによると、小説の舞台となっている19世紀末のフランスでは、同性愛は差別と迫害の対象だったようです。イギリスでは1886年から男性同性愛が非合法とされ、1895年に逮捕されたオスカー・ワイルドは2年間の獄中生活を余儀なくされました。 プルースト自身も公には認めていなかったようですが同性愛者で、それゆえに受けた誹謗が原因でジャン・ロランと決闘をしてい

神は微細部に宿る

表紙の絵にひかれた本です。     『標本画家、虫を描く     小さなからだの大宇宙』     川島 逸郎 著     亜紀書房 標本画の技法を独習で体得した著者が、これまでの道のりと真摯な制作工程を、詳細に綴っています。 * 線と点で描く標本画 形だけを伝える二次元情報を示す図なら シンプルにそれらを抽出した線だけで描き 立体的な三次元情報のほか 色みや斑紋を示したい場合なら 点描を加える。 点は打つのではなく 一個一個あるべき位置を見定め置いていく。 そのため

アイルランドに来るなら読んでおくべきお勧め本12冊

こんにちは、アイルランド在住会計士のつぐみです。 アイルランドはヨーロッパの小国なので、日本人にとってほとんどなじみがない国でしょう。 アイルランドにこれからワーホリや駐在などで来られる方も、「アイルランドっていったいどんな国?」と思われる方がほとんどだと思います。 しかしアイルランドは、1人当たりGNPが世界第2位の経済大国、さらにアメリカの発展にも大きく関与、またヨーロッパの中では、ケルト文化を代表する島、美しい自然とケルトの神秘的な古都というイメージがある、とても個

【感想】 死蝋の匣 / 櫛木理宇

久しぶりの読書でした。 スマホやらタブレットやらに毒されてます。 図書館で借りては読まずに返却の日々でした。 昨夜は我が家のネット環境がメンテで使えなかったため、一念発起して読書笑 最近の本の選び方は図書館の予約ランキングやベストリーダーから好みの本を選んでます。 死蝋の匣 / 櫛木理宇(角川書店) 金田一耕助シリーズ好きで京極堂シリーズ好きなら絶対好きそうな題名ですね。 絶対おどろおどろしいはずと期待。 そういうジャンルではない模様。 「死刑に至る病」の作家さんです。

【読書】阪神・淡路大震災をテーマにした、村上春樹「神の子どもたちはみな踊る」を読了。

6つの短編で構成されている文庫本。 阪神・淡路大震災をテーマにしているといっても、神戸の大惨事はいっさい描写しない。 ほとんどの話が、神戸から遠く離れた田舎町で淡々と紡がれる。 ほとんどの話に、「性」「セックス」が絡んでくる。 アマゾンのコメント欄を読むと「それが嫌だ」と書いている人がいたが、おそらくあの大震災の現場にいなかった人だろう。 いつもはコンビニに向かって歩いていた道路に何十という布団がひかれて顔まで掛ふとんがかけられている。 外で寝ているのではない(1月だ

日本の将来を真剣に考え、未来を再構築するのに役立つ本・書籍紹介

この二冊にとても感銘を受けました。 これからの日本をどうすれば暮らしやすくできるか、どのように社会を設計していくか、一人一人がどうこれからを生きていくか、を考える上で、共有したい必読書に入ると感じます。 特に、コモンズについての話題は私自身、最近、関心を持っています。 この二冊の中で、コモンズについて読むことができた。興味深かった。 集英社インターナショナル新書の『未来を語る人』は『銃・病原菌・鉄』や『文明崩壊』など、長大な視野で人類史を紐解いた文明論を著した、ジャレド

イリヤの空、ufoの夏が何度読んでも良すぎたので語りたい

北との戦争が始まるらしい。 長い間、そんなことを言われ続けていた人々は、最初こそ真剣に向き合っていたものの、だんだんと、日々の戦争危機のニュースを見ても、空に軍用機が飛び交っていても、誰も気に留めなくなっていった。 そして基地の近くに住む主人公、浅羽直之も、頭では戦争が始まりそうなことは理解しつつも、男子中学生らしく、男友達とバカをやって日常を過ごしている。 そんな浅羽は、夏休みの最終日の夜に、どこか不思議な少女と出会う。 無口で無表情、どこかミステリアスなその少女のカバ

【読書記録・エッセイ】めんどくさがり屋、リラックスする。

こんにちは。長尾早苗です。 今週は自分のケアについて、家族のケアについて、しろうとがしろうとのためにできるケアやセラピーについて勉強しつつ、自分について理解することが深まった週でした。 とりあえずぬるめのお湯で半身浴と休憩浴をしつつ、動画を見たりしていました。 生活綴方さんにも伺えてよかったな。 今週の読書記録です! *今週の読書【テレビシリーズ】初恋の悪魔 第2話 日常にエンタメやミステリーを持ち込むのは、自分が今おかれている状況がたいへん平和だと確認するためな

感想文なの?ファンレターじゃん。~『少しだけ昔を語っても?』~

読みに来て下さり、ありがとうございます。 Canvaを以前より使いこなせて、少しだけ満足のゆにです。理想には程遠いけど、ちょっとレベルアップできたかな。 #挨拶文を楽しもう 今日はクロサキナオさんの著作の読書記録です。 皆様の感想文が素晴らしすぎて、すっかりタイミングを失っていました。 一人でも多くの方に書籍を手に取ってもらいたいので、ネタバレになるような表現は極力控え、主に私の感想を記します。 読んで感じたのは、次々と訪れる困難と、困難に立ち向かうナオさんの強さ。

秋の夜長にオススメ、大正ミステリー【#読書感想文】

これから涼しくなるであろう秋の夜長に、ぜひ読んでいただきたい作品と出会ったので紹介します! 永嶋恵美・著『檜垣澤家の炎上』です。 時代は、大正。物語の舞台は横濱である。 主人公・かな子は、幼くして母を亡くし、横濱の貿易商で大富豪の檜垣澤家に引き取られた。 亡き母は、当主・要吉の妾だったのである。 檜垣澤家では要吉の本妻・スヱが、経営手腕を発揮し、"大奥様"と恐れられ一族に君臨していた。 そう言われる檜垣澤家は、腹の底が見えないスヱやスヱの娘・花、花の娘で、かな子のこ

やる気の出ない一週間に目次だけ読んだ本 『誰かのため』に生きすぎない

だらだらっと過ごしてしまった一週間だったけど、充電期間だったと思えた本。 本文すらちゃんと読めてないけど。目次と、中身を流し読み。 第1章にこの文章。サイコーじゃないか。まず休め、と。 なんで疲れてるのかな、とか、もったいない一日過ごしたと夜になるたび悔やんでしまってたけど、そうだそうだ、別にさ、理由探さなくてもいっかって思えた。なんでかわからないけど、取り敢えず疲れてるのは確かなんだもの。 明日から本気出すと言った次の日も本気はやってこなかった。最低限のことはやって

情けない

 安部公房『けものたちは故郷をめざす』(新潮文庫 昭和45年)を半分過ぎまで読んだ。  この小説は、文庫本裏のあらすじから一部引用すると「ソ連軍が侵攻し、国府・八路軍が跳梁する敗戦前夜の満州、敵か味方か、国籍もわからぬ男とともに、ひたすら南をめざす少年久木久三」が主人公だ。  31ページ目で、久三の母が、戦闘の流れ玉に腰をうちくだかれてしまう。ソ連軍侵攻の混乱の中で、医者はまともに母を診てくれない。  母の勤め先の工場長に相談しても、  と、言われてしまう。さらに、持ってい