読書感想文〜「書店員は見た!」
「書店員は見た!本屋さんで起こる小さなドラマ」
森田めぐみ・著(大和書房 2024)
書店で、店員さんにおすすめ本を尋ねたことはありますか?
この本は、書店で働く著者が、お客さんにすすめた本を、そのエピソードとともに、書かれているブックガイドで、
雑誌「サンキュ!」の連載(2018年ー2023年)を、まとめたものです。
で、これ、本好きな方に、最高におすすめです!
全59話で、各2冊ずつ紹介されているので、ザックリ100冊くらいの本が選ばれていますが、その紹介されている本が、どれも本当に面白そう。
また、1話1話が短いながら、ほっこりするエピソードばかりで、とても読みやすく、スイスイ進みます。
毎日大量に本の情報を浴びている、プロが選んだ本なので、これは信用できそうだし、安心感があります。
私は、いちいちAmazonで確かめながら、読んでいましたが、どの本もすごく売れていて、評価も高いです。
それなのに、私は興味のない分野だったり、気に留めていなかった本ばかりで、驚きました。
自分が知らないところでは、こんな本が売れているんだ。
私は書店には、よく行くのに、こんなに人気の本を知らないとは、いかに自分の見ている範囲が狭いのかと、目から鱗の思いです。
著者は、子育ての悩み、介護の悩み、職場の人間関係の悩み、家族や病気の友人へ贈る本、さまざまな要望に対して、本をすすめており、相談した方の多くは、喜んで、その本を購入されています。
さらに、横で話をモレ聞いていた、全く関係のない人まで、「その本買います」と買ってしまう。
私が、感服したのは、選ばれている本が、どれも読みやすそうという点です。
婦人雑誌の連載ということもあると思いますが、難しめな本が一切なくて、全部「これは面白かったから、読んでみて」というスタンスなのです。
なんというか、万人向けの本という表現が良いのか、わかりませんが、きっとみんなが笑顔になるような本なんだろうなと。
そこが、新聞の書評欄と、全く違うと思います。
ほとんどの、一般書は図書館にありましたので、(書店の方には、申し訳ないですが)、このおすすめ本を片っ端から読んだら、自分の狭くて、コチコチに固まっていた読書体系が、一気にアップデートされそうです。
ただ、今、一般書と書きましたが、悩みどころが、実は漫画も多いのです。
これが、本当に面白そうで、すごく読みたい。
例えば、私が気になった漫画は、こんな感じ。
「海が〜」は、夫を亡くした女性が65歳で映画の世界へ飛び込む話。ちょうどキンドルで無料キャンペーン中だったので、1巻だけ読めましたが、ワクワクしました。続きが読みたい(もちろん有料)。
「世田谷〜」は、私の好きな、「天才柳沢教授の生活」で有名な作者が、どうやら世田谷で、取り壊し予定の古い洋館を、寸前で購入したらしい。そのスったもんだの顛末が描かれているらしい。(実話)
すごく読みたいです。
漫画って、借りられるところはあるんだろうか?
というわけで、冒頭の質問ですが、私は今まで、書店員さんに、欲しい本の在庫を聞くことはあっても、おすすめ本を聞いたことはなかったと、気がつきました。
よく考えたら、書店員さんは、本のコンシェルジュ。
無料で、アドバイスを頂けるなんて、お得ですよね。
そんなに、気軽に相談に乗ってもらえるなんて思ってなかったです。
今度、声をかけてみようかな。