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人生観が変わった漫画本「しあわせは食べて寝て待て」

仕事でうつ病になってから、毎日、自分を責めていた。わたしのせいでみんなに迷惑を掛けている。早く治さなければ。わたしなんていなければ…
その頃、藁をもすがる気持ちで読んだ本に自己肯定感をあげると良いと書かれていて、その日のありのままの自分を受け入れる為に思ったことを書く日記を始めた。

6月◯日
・次男のトラブルを減らしてあげたい→OK
・家族と向き合う時間が取れる仕事がしたい→OK
・お金は大事だけど時間はもっと大事→OK
・グリーンを毎日見て癒やされたい→OK
・近場で働きたい→OK
・せめて夏は明るいうちに帰りたい→OK
・接客はなるべく嫌→OK
・本に関わる(児童書)仕事がしたい→OK

この頃、フラフラで起き上がることもままならなかったのに、よくここまで自分のやりたいことを書いたものだと今更ながら感心する。
そこから少しずつ体調の変化やお散歩したことが綴られるようになっていった。

買った自己肯定本とは違うが、病気の時、ネットを見ていて、おすすめで出てきたのが、

この漫画だ。なんか良さそうだな。と思って2巻まで出ていたので2冊とも購入した。
これが…運命の出会いだった!

主人公の麦巻さとこは38歳独身で、バリバリ仕事をしていたのに、膠原病という難病になり、無理がきかない体になってしまった。周りのことを考えると仕事もしにくくなり辞めてしまう。難病とはいえ、そこまでの症状ではないため、障害年金は出ない。家賃をおさえるために団地に引っ越すことになり、週4日のパートで生計をたてることになった。
団地のお隣に住んでいる92歳のおばあちゃんの大家さんや、訳ありでその大家さんと一緒に住んでいる30代の男性との交流で薬膳を教えてもらい、自分でも薬膳の勉強を始めて体調を整えていく。パート先の方々やご近所とも交流を深めて元気を取り戻していく。

病気の症状が主人公のさとこと似ていて共感しまくった。無理をすると次の日、具合が悪くなるとか頭痛がするとか。だからわたしも薬膳に興味がわき、薬膳や漢方の本を買って実践した。
さとこは、マンションを買おうかと思っていたくらい収入があったのに、仕事を辞めざるを得なくなり、団地にも引越して、お金の心配を常にしている。だが、何とかお金のないながらもささやかな暮らしに幸せを見出している。
羨ましかった。お金はないけど時間はある生活が。ささやかだけど、豊かな生活が。

わたしは生活の為に復職しなくてはいけないと思い込んでいたけど、もっと大切なことがあるような気がした。お金がなくても工夫すれば豊かな生活はできるんじゃないかと夢を持たせてくれた。

この漫画だけを繰り返し何十回も読んだ。苦しみの中の希望の漫画だった。新刊が出れば毎日繰り返し読んだ。わたしも、いつかさとこみたいに、お金はなくても周りを助けて助けられて、温かく、豊かな生活を送りたい。そう思った。

そして今、わたしは仕事を辞めてお金はないけど時間だけはある生活をしている。
時間があるだけで、こんなに気持ちに余裕ができるなんて。子供達にも優しく接することができる。以前の常に余裕がない自分とは大違いだ。
家族のために家事をして、ごはんをしっかり作る毎日。これこそがわたしにとって正常な気がした。
以前のように体調や気分が落ち込むことは激減した。
こんな時がくるなんて、あの頃のわたしは予想すらしていなかった。
やっと手に入れた夢みていた生活。
本当の豊かさってなんだろう。そんなことを教えてくれたこの漫画にとても感謝している。

最近、5巻が発売されてすでに何回も繰り返し読んでいる。来年春にはドラマ化もされるくらい人気だ。今の時代、みんなこんな生活に憧れているのかもしれないな。

これからどんな仕事をして、どんな生活を送ったらいいかわからなくなってしまった時、この漫画を何回も読み返そうと思う。

大切なのは健康と時間、そして人と人とのつながり。


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レモン
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