ゆっくりと、ひとつひとつのことに向き合って。
夜明け前に、玄関を開けて表へ出ました。
西の空を見ると、満月が白い光を放ち、まわりの薄い雲が虹のような色を帯びています。
思わず見惚れてその場にたたずんでいると、月の下方にあった黒い雲がゆっくりと動いて月を隠していくのですが、薄雲の彩りは消えません。
月が完全に隠れるのを見届けてからその場を離れ、それだけの光景を目にしたことに、満ち足りた気持ちを抱いたのです。
自分でもびっくりするぐらい、わたしはマルチタスクが出来ません。
たとえば、音楽を聴きながら本を読む、料理をする、あ