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【読書感想文】ほぼ免疫のはなし。

 犬は猫よりネギ中毒になるって知ってました?私は知りませんでした。本を読むといろいろな発見があります。

「真夜中に猫は科学する」
エクレア教授が語る遺伝や免疫のふしぎ

「猫だからわかる」科学講義(!?)

夜な夜な開かれる猫の集会。それは科学者の家でじっと会話に耳を澄ませている飼い猫・エクレアによる、伝説の名講義だった! インフルエンザ、iPS細胞、ゲノム、三毛猫の遺伝の秘密……驚きと脱線に満ちた9つの科学夜話。ヒト語へ初めての翻訳!

人間界の先生たちもエクレア教授の授業に脱帽!
「うちの猫が夜な夜などこかへ出かけてゆくのは知っていたが、なるほどエクレア教授のアカデミーに参加していたのか。ああ、おれも猫語を学んでこの楽しい講義に出席したい。」(夢枕獏さん/作家)

「ぼくは猫たちの会話を読みながら分子生物学の基本を学び直してしまったではないか。」
左巻健男さん(法政大学教職課程センター教授)

「ヒトだけではなく他の動物種の立場から、物事を考えていく重要性を、この本の猫達は我々に教えている。」
猪子英俊さん(東海大学名誉教授/ジェノダイブファーマ(株)代表取締役社長)

「科学の話をわかりやすく伝えるのは特殊技能なのだ。世の猫の中にもきっと科学をわかりやすく語る特技をもった猫がいるに違いない。」
菊池誠さん(大阪大学サイバーメディアセンター教授/物理学者)

「夏目漱石このかた我が国の文学は猫のキャラクターであふれてきたが、夜ごと最新科学をめぐるセミナーをくりかえす猫たちの楽しい大さわぎは前代未聞、ミュージカル『キャッツ』並みというほかない。 」
巽孝之さん(慶應義塾大学文学部教授/SF批評家)

【目次】
第1夜:インフルエンザ(菌とウイルス)
第2夜:ウイルスは生物か
第3夜:食作用と飲作用
第4夜:ワクチン
第5夜:自然免疫と獲得免疫
第5夜の補講:抗体が多様性を生み出す仕組み
第6夜:細胞とは
第6夜の補講:ES細胞とiPS細胞
第7夜:DNAとRNA、遺伝子に染色体、そしてゲノム
第7夜の補講:セントラルドグマって?
第8夜:染色体の組換え
第9夜:三毛猫の男の子と遺伝の法則

Amazon紹介文より

 猫じゃないので、理屈が難しくて理解出来ないところが多々ありました。しかし、全体的に科学の話が猫の語り口で軽妙にされており、読み進めることはなんとか可能でした。いちいち質問して真面目で積極的な猫さんばかりで、キャラクターが破綻しているのも味があります。

猫から学ぶ感染症予防

 飛沫感染と、空気感染の違い、菌とウィルスの違いなどが説明されていて興味深かったです。正直、DNAの話などは難しくて理解ができませんでした。冒頭は鳥インフルエンザの話で、うまく理解できた自信がないので、ここでは説明しませんが、知らなかったことを知ることができました。
 例えば、猫が犬に噛まれて狂犬病にかかったら、潜伏期間が短いので長く生きられず、犬が人間を噛む可能性が高いのが潜伏期間が長いからだとは知りませんでした。ただ、狂犬病にかかったら助からないという断片的な情報しか知らなかったのです。
 読めば読むほど知れば知るほどわからなくなったり、全体像がつかめなくなったところもあります。でも、それが本を読む楽しさだったりもしますよね。

結局mix猫の遺伝については・・・

 長毛猫と短毛猫が交雑して生まれた猫たちにどういう注意が必要かと言うことを調べようとしていますが、この本ではわかりませんでした。むしろ、人間にとって危険なインフルエンザとか、感染症の類の病気についての知識の本でした。人間にとって、危険なものは他の生物にとって危険だったりするわけですが、私が知りたかったのはもうちょっと違う話だったなと思いました。ただ目的に沿わなかっただけで、この本自体は非常に興味深い本でした。猫たちのキャラクターが細かく分けられていて、軽妙な語り口の猫に親しみが湧きます。全体的に文章が軽快で、端的で小難しい情景描写などは全くなく、読みやすい本です。ただ、専門的な知識を得たい人には、こういう物語風じゃないほうがいいのかなとも思いました。本て読んでみないと中身が分かりませんからね。

 サイベリアンだとか、メインクーンの長毛が捨てられて、近所で繁殖した可能性が高いのですね。それでメインクーンはシングルコートなのですが、サイベリアンはダブルコートだとか、トリプルコートだとか今他に読んでいる図鑑に書いてあって、寒さにどれくらい強いのかとか、皮膚病にどれくらいかかりやすいのだとか、暑さにはどれぐらい弱いのだとか、そういうことを教えてくれる本が何かないかなぁと思います。ただ、どのみち家長毛猫とかは、外暮らしがあまり想定されてないので、外暮らしのススメなんて普通に専門書で売ってあるわけもないのかな?と思ったりしています。全部の猫を保護したいのは山々ですが、家でそんなにたくさん猫を飼えないんですよね。私に経済力があったなら・・・。まぁ、どのみちお金があっても雄同士をどうするかという問題もありますけどね。

大型猫を外に出さないで!

 この本の描写で納得いかないのが、免疫や遺伝について、科学的な議論をする猫たちが外で集会を開いていることです。外の集会に猫のエクレア教授を行かせるために窓を開けて外に出す描写があります。エクレア教授は長毛猫です。また、メインクーンのキララが、外猫の面倒を見るような描写も出てきます。これについても納得できません。やっぱり大きいとそれだけ危険な面もあると思うからです。特に雄猫は縄張りがあるので、多頭飼いする時は注意が必要ではないでしょうか。長毛大型の猫を外と家の中と行き来させて飼うことは日本ではやらないでほしいと思います。我が家の近所で長毛猫が短毛猫と交雑して繁殖してしまっています。その猫たちとの関わりが今も続いています。避妊去勢手術したのか駆虫しているかわからない描写で餌だけ高級なものを、しかもウェットフードで毎日与えるというのは私の価値観には合わなかったです。猫に良いとされるロイヤルカナンのフードだってカリカリでも結構なお値段がします。ヒラメやビーフなど日替わりで違う味の食事を与える。それが理想だというのは、科学じゃなくて幻想ではないでしょうか。人間だって毎日同じ米や同じパンを食べますから。いや、もうこの本自体は、作品として成り立っていますし、別に何の悪意もあるものじゃないんですが、ワクチンだとか猫についての考え方だけ何か私と合わないところが多々あったんですよね。免疫学の本だと思って読みました!

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