【読書感想文】ほぼ免疫のはなし。
犬は猫よりネギ中毒になるって知ってました?私は知りませんでした。本を読むといろいろな発見があります。
「真夜中に猫は科学する」
エクレア教授が語る遺伝や免疫のふしぎ
猫じゃないので、理屈が難しくて理解出来ないところが多々ありました。しかし、全体的に科学の話が猫の語り口で軽妙にされており、読み進めることはなんとか可能でした。いちいち質問して真面目で積極的な猫さんばかりで、キャラクターが破綻しているのも味があります。
猫から学ぶ感染症予防
飛沫感染と、空気感染の違い、菌とウィルスの違いなどが説明されていて興味深かったです。正直、DNAの話などは難しくて理解ができませんでした。冒頭は鳥インフルエンザの話で、うまく理解できた自信がないので、ここでは説明しませんが、知らなかったことを知ることができました。
例えば、猫が犬に噛まれて狂犬病にかかったら、潜伏期間が短いので長く生きられず、犬が人間を噛む可能性が高いのが潜伏期間が長いからだとは知りませんでした。ただ、狂犬病にかかったら助からないという断片的な情報しか知らなかったのです。
読めば読むほど知れば知るほどわからなくなったり、全体像がつかめなくなったところもあります。でも、それが本を読む楽しさだったりもしますよね。
結局mix猫の遺伝については・・・
長毛猫と短毛猫が交雑して生まれた猫たちにどういう注意が必要かと言うことを調べようとしていますが、この本ではわかりませんでした。むしろ、人間にとって危険なインフルエンザとか、感染症の類の病気についての知識の本でした。人間にとって、危険なものは他の生物にとって危険だったりするわけですが、私が知りたかったのはもうちょっと違う話だったなと思いました。ただ目的に沿わなかっただけで、この本自体は非常に興味深い本でした。猫たちのキャラクターが細かく分けられていて、軽妙な語り口の猫に親しみが湧きます。全体的に文章が軽快で、端的で小難しい情景描写などは全くなく、読みやすい本です。ただ、専門的な知識を得たい人には、こういう物語風じゃないほうがいいのかなとも思いました。本て読んでみないと中身が分かりませんからね。
サイベリアンだとか、メインクーンの長毛が捨てられて、近所で繁殖した可能性が高いのですね。それでメインクーンはシングルコートなのですが、サイベリアンはダブルコートだとか、トリプルコートだとか今他に読んでいる図鑑に書いてあって、寒さにどれくらい強いのかとか、皮膚病にどれくらいかかりやすいのだとか、暑さにはどれぐらい弱いのだとか、そういうことを教えてくれる本が何かないかなぁと思います。ただ、どのみち家長毛猫とかは、外暮らしがあまり想定されてないので、外暮らしのススメなんて普通に専門書で売ってあるわけもないのかな?と思ったりしています。全部の猫を保護したいのは山々ですが、家でそんなにたくさん猫を飼えないんですよね。私に経済力があったなら・・・。まぁ、どのみちお金があっても雄同士をどうするかという問題もありますけどね。
大型猫を外に出さないで!
この本の描写で納得いかないのが、免疫や遺伝について、科学的な議論をする猫たちが外で集会を開いていることです。外の集会に猫のエクレア教授を行かせるために窓を開けて外に出す描写があります。エクレア教授は長毛猫です。また、メインクーンのキララが、外猫の面倒を見るような描写も出てきます。これについても納得できません。やっぱり大きいとそれだけ危険な面もあると思うからです。特に雄猫は縄張りがあるので、多頭飼いする時は注意が必要ではないでしょうか。長毛大型の猫を外と家の中と行き来させて飼うことは日本ではやらないでほしいと思います。我が家の近所で長毛猫が短毛猫と交雑して繁殖してしまっています。その猫たちとの関わりが今も続いています。避妊去勢手術したのか駆虫しているかわからない描写で餌だけ高級なものを、しかもウェットフードで毎日与えるというのは私の価値観には合わなかったです。猫に良いとされるロイヤルカナンのフードだってカリカリでも結構なお値段がします。ヒラメやビーフなど日替わりで違う味の食事を与える。それが理想だというのは、科学じゃなくて幻想ではないでしょうか。人間だって毎日同じ米や同じパンを食べますから。いや、もうこの本自体は、作品として成り立っていますし、別に何の悪意もあるものじゃないんですが、ワクチンだとか猫についての考え方だけ何か私と合わないところが多々あったんですよね。免疫学の本だと思って読みました!