noteをはじめて約三ヶ月、柳田國男や柳宗悦や岡本太郎が捉えた日本の、前或いは後にある、未だ詳しく知られてゐない現在進行形の日本の姿を発見しはじめてゐる。三十年は失われてゐない。失われたのは国民作家的、小さな物語の集積を組み立て大きな物語を捉える視座、創造的想像力の方ではないか。
鷗外森林太郎の【脚気問題】から、柳田國男や折口信夫の「民俗学」に託されたもの。それはちょうど欧米の学問におけるフロイトやユングによる「深層心理学」の確立に対応したものだと、私には思はれる。漱石夏目金之助における心の闇は【子規問題】で、その表出が小説『こころ』だと、私には思はれる。