千都譲司

千都譲司

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シェアハウス・ロック0921

【Live】ポケベル爆発 『おおエルサレム!』を読んでいる最中、ヒズボラ(レバノンのイスラム教シーア派組織)の戦闘員のポケベルが一斉に爆発した。2800名が死傷したという。ニューヨーク・タイムズは17日、イスラエルがポケベルに爆発物質と起爆装置を埋め込んでいたと報じた。18日には、トランシーバが爆発した。  イスラエル側は「コメントしない」という対応をしているが、ヒズボラのポケベル調達先を調べていけば、コメントしようがしまいがいずれ明白になる。  イスラエルのガラント国防相

    • シェアハウス・ロック2409初旬投稿分

      オーラルとリテラル10901    2回前に、「落語は、原則、師匠から弟子への口移しである。現在はどうなのかは、実際のところ知らない」と書いた。この前提にあるのは、古今亭志ん朝さんの本にあった話である。志ん朝さんが、まだ若いころ、テープでおぼえた噺を高座にかけたところ、楽屋に引っ込んだときにうるさ型の師匠から、「あんちゃん、あの噺は誰におせえてもらったんだい」と嫌味を言われたという。  この話から、ふたつのことがわかる。ひとつは、そのころまでは、師匠から口移しで教えてもらった

      • シェアハウス・ロック0920

        【Live】バッハはピアノを知っていたか  昨日の『シェアハウス・ロック』は、9月18日の午前10時ごろに書いたものだが、今回お話しするのはそれより2~3時間前のことである。コーヒーを飲みながら、バッハを聴いているときのことだ。  聴いていたのはフランク・ペーター・ツィンマーマン(v)とエンリコ・バーチェ(p)の「ヴァイオリンソナタ」で、ジャケットにはそう書いてあったが、正式には『ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ』(BMV1014~1019)である。  このとき、私は

        • シェアハウス・ロック0919

          【Live】酷暑の総括 「まだ酷暑は続いているぞ」とおっしゃるかもしれないが、この夏の酷暑を総括する。まあ、原始心性みたいなもんだな。酷暑退散、怨霊平癒、失笑報告、総裁選挙。  現在、9月18日の午前10時。外気温は33℃である。セミは、一匹も鳴いていない。体感から言えば、セミが鳴いていないのはおかしいのだが、彼らは今年分の仕事は済ませてしまったのだろう。まあ、人間の季節感に合わせる義理など、彼らにはないもんな。  セミも、トンボも、チョウも、今年はどことなくおかしかったが

        シェアハウス・ロック0921

          シェアハウス・ロック0918

          バッハと近松門左衛門までの距離  ここんとこのバッハの話は、ほとんど器楽曲についてであった。本日は都合上声楽曲の話になる。 『マタイ受難曲』中の『憐みたまえ、我が神』は、バッハの声楽曲のなかで、私が一番好きな曲である。  落ちる私の涙を  憐んでください 我が神よ  ご覧ください  目も、心もあなたの御前で  激しく泣いているのですよ  だいたい、このようなことを言っている。これは普通に話せば15秒程度で終わってしまうが、このところ私が気に入っているナタリー・シュトウッ

          シェアハウス・ロック0918

          シェアハウス・ロック0917

          バッハのケーテン時代の続き  1717年、ヨハン・セバスティアン・バッハはケーテンに移り、アンハルト=ケーテン侯国の宮廷楽長となった。前々回お話ししたケーテン時代(1717年-1723年)の始まりである。  ちなみに、バッハは、次のように、住んでいた場所により語られることが多い。 ・リューネブルク時代 (1685年-1702年) ・アルンシュタット~ミュールハウゼン時代 (1703年-1708年) ・ヴァイマル時代 (1708年-1717年) ・ライプツィヒ時代 (1723

          シェアハウス・ロック0917

          シェアハウス・ロック0916

          【Live】第五六回文楽鑑賞教室  もう15年くらい文楽の東京公演には必ず通っているのに、「いまさら、なにが鑑賞教室だい」と思わないこともないのだが、私ら(おばさん、私)の見方は、「ある太夫さんが出る公演を見る」というものだから、当然こうなる。ここだけを考えると、文楽を見るというよりも、もはや変わり種の甥っ子がやってることを見に行くという感じに近くなっている。  今回の出し物は、 ・伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ) ・文楽の魅力(これが「鑑賞教室」) ・夏祭浪花鑑

          シェアハウス・ロック0916

          シェアハウス・ロック0915

          ヨハン・セバスティアン・バッハのケーテン時代  図書館から借りて来たシギスヴァルト・クイケンの『ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ集』(BWV1014-1019)の解説に、ヨハン・セバスティアン・バッハのケーテン時代のことが書いてあった。筆者は美山良夫という方である。  バッハは、ケーテン時代に相当の器楽曲を書いたとあった。私は、そういう時代区分で考えたことすらなかった。その器楽曲の代表的なものを挙げれば、次のようになる。 ・無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティー

          シェアハウス・ロック0915

          シェアハウス・ロック0914

          【Live】病気の話  老人になると、病気のひとつやふたつは持っており、一軒や二軒は行きつけの病院がある。やだねー、行きつけの病院だってさ、飲み屋じゃなく。  我がシェアハウスのおじさんは、7月に突然の呼吸困難で入院した後、今度は加齢黄斑変性というものになり、地域病院では埒があかず(あいたのかもしれないが、初診が9月だと言われたので)、おばさんがかかっている新宿区の病院に行くことにした。  まず、黄斑は、網膜の中心にある部位だ。加齢黄斑変性は、黄斑部の後ろの脈絡膜に、新生血

          シェアハウス・ロック0914

          シェアハウス・ロック0913

          意味に触れるが意味には触れない  言語の周辺のお話をしばらくしていたが、今回でとりあえずお休み。しばらくシェアハウス周辺の日常雑記とか、そういう話になっていく。つまり、とりとめがなくなっていく。でも、言語の周辺の話もとりとめがないと言えばとりとめがないので、あまり変わらないと言えばあまり変わらない。。  さて、言語の話はずいぶんするが、意味について語るのは基本的に避けている。言語と意味とは別系統の事柄なのではないかと、私は考えているのである。  まず、次をお読みいただきたい

          シェアハウス・ロック0913

          「近代日本語をつくった人々」シリーズ(私広告3)

          「近代日本語」とは、大雑把に言えば明治以降に生まれた日本語のことである。もうちょっと厳密に言えば、幕末以降の日本語である。それ以前の言葉とは違う日本語であり、また、欧米語の影響下で出て来た「ぽっと出」の日本語である。  このあたりで、日本語は「革命」といっていい変化を遂げた。ようするに、江戸時代までの言葉(語彙)では太刀打ちできない「文物(ものごとなど)」を言い表せるだけのものに、日本語が鍛えられたのである。  文明開化は、なにも、汽車(陸蒸気)、汽船、ガス灯、電信、電気など

          「近代日本語をつくった人々」シリーズ(私広告3)

          シェアハウス・ロック0912

          音韻(音声)とかなの関係    しばらく、オーラルとリテラルの話をしてきた。前回、前々回は我が長女に字を教えた話だったが、これもオーラルから教えたと言いたかったからである。つまり、「オーラルが先」を言いたかったのである。  言語はまずオーラルだった。「言語」というよりも、まずは「音声」である。  ここからは口からでまかせだが、海を初めて見て「うっ」と言ったり、雨に降られて「あー」と言ったりした。「うっ」「あー」がしばらく続き、やっとまとまったこと(「うみ」とか「あめ」とか)が

          シェアハウス・ロック0912

          シェアハウス・ロック0911

          長女に字を教える2  次の日曜日。  この日は、散歩しながら「うくすつぬふむゆる」をとにかくおぼえさせた。「あいうえお」は、どこでおぼえたのか彼女は知っていたのである。「うくすつ……」をおぼえてから、  「『く』に続けて、『あ』って言ってごらん」 「くあ」 「もっと速く」 「くぁ」 「もっと速く」 「か」  私は、日本語の「か」は、「k+a」ではなく、「く+あ」であることをなにかで聞きかじっていたのである。吉本隆明さんもこの考えをとっていたことを知ったのは、ずっと後年だった

          シェアハウス・ロック0911

          シェアハウス・ロック2408下旬投稿分

          【Live】後期高齢者枠に突入0821  先週の土曜日は、私の誕生日だった。その日、私はめでたく後期高齢者となったのである。  午前中に、鳥取の婆やを自称する人から「鷹勇」の一升瓶が冷蔵便で届いた。誕生日プレゼントである。ありがとうっ! 早速、冷蔵庫の野菜室に入れる。まあ、幸せだったのはここまで。  暑いので昼飯は冷やしたぬき蕎麦。島田屋の冷凍蕎麦(5食入り1パック)の3食分を茹で、水にさらし、氷を入れた冷水で締め、皿に盛る。ほうれん草、カニカマをおばさんがトッピングし、揚

          シェアハウス・ロック2408下旬投稿分

          シェアハウス・ロック2408中旬投稿分

          ロックンロール・バカ0811  代々木上原だか、代々木八幡だかのお宅にお伺いしてから、もう一回、そのコンサートの打ち合わせで樹木希林さんとお会いしている。場所はTBS(当時は赤坂)のスタジオだった。「本読みをやっているんで、そこへ来て!」ということで、スタジオに行き、読み合わせが中休みになるのを待ってからの打ち合わせだった。 『時間ですよ』の読み合わせだったか、その続編みたいな『寺内貫太郎一家』のだったかは、私にはわからない。ただ、そこには加藤治子さんがいたので、これでわか

          シェアハウス・ロック2408中旬投稿分

          シェアハウス・ロック2408初旬投稿分

          【Live】最後のスモーカー0801  我がシェアハウスのおじさんは、呼吸困難で入院以来、ノンスモーカーになってしまった。医者に止められ、煙草をやめてしまった。根性なしである。まあ、よっぽど苦しかったんだろう。  COPDの原因はまず煙草と言われている。しかも、煙草を止めれば進行を食い止められるとは言われているが、これはあくまでそれ以上悪くはならないということであって、止めたら治るということではない。一度なったら治らないのがCOPDである。  実は、おばさんも現在は煙草を吸

          シェアハウス・ロック2408初旬投稿分