いきものぐるり

身の丈サイズのいきもの観察記。生活のなかで発見した生き物や自然について、いろいろ記します。※使用している写真は基本私が撮影したものです(古いものも含みます)。見出し画像では「みんなのフォトギャラリー」を使用する場合もあります。

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マガジン

  • 獣のお話

    おもに私が出合った哺乳類と、それらに関する記事をまとめています。哺乳類が好きな方などにおすすめします。月1に更新したい。

  • 昆虫のお話

    昆虫に関する記事をまとめています。カマキリやカメムシといった生き物たちに興味がある方におすすめします。更新頻度は未定

  • 恐竜・古生物のお話

    恐竜や古生物に関する記事をまとめています。滅んでしまった生き物たちに興味がある方におすすめします。更新頻度は未定

  • 木々や草花のお話

    おもに私が出合った木々や草花と、木々や草花に関する記事をまとめています。植物が好きな方や、家の周りでみかける草花に興味がある方におすすめします。月に2〜3回ほど更新する予定。

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    おもに私が出合った鳥たちと、鳥たちに関する記事をまとめています。鳥が好きな方や鳥のことを知りたい方におすすめします。月に2〜3回ほど更新する予定。

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私の羽根コレクション3選

自然界の住人たちの 美しき落とし物  衛生上あまりよろしくないとわかりつつも、落ちている鳥の羽根を拾って集めていた時期がありました。柄や色合い、質感。その全部が愛おしく感じられるのと、たった1枚の羽根でも、その持ち主である鳥が近くで生きているのだと感じられて、それだけでも野鳥という存在が身近に思えてうれしくなるので、ついつい集めていました。  今回はその羽根コレクションの一部と合わせ、その羽根の持ち主である野鳥のことを簡単に紹介しようと思います。ただ、羽根の同定については

    • 「ジャガーの毛皮」アマゾンにおける権威の象徴

      大型ネコのなかでは アメリカ大陸で最大  動物園の人気者といえば、キリンやゾウといった大型草食動物も挙げられると思いますが、ライオンをはじめとする大型ネコ目(食肉目)を思い浮かべる人も多いことでしょう。なかでも私はジャガーが好きで、ライオンやトラのような雄々しさと、チーターのようなしなやかさを合わせもつ、数多あるネコ類のなかでもっとも魅力なネコだと感じます。  ジャガーはアメリカ大陸で最大の大型ネコで、体長116cmから170cmもあります。熱帯雨林の水辺をおもな生息地と

      • 【読了】劉慈欣『白亜紀往事』

        恐竜と蟻が築く太古の文明 約200PのSF超スペクタル  かつて地球の覇者であった恐竜と、高い社会性をもつ昆虫・蟻は、白亜紀時代に共生関係をつくり、高度な文明を築きあげていた。小説『白亜紀往事』は、そんなとんでもない設定で紡がれるSF超スペクタル作品です。著者は アジア人作家として初めてヒューゴー賞を受賞した中国のSF作家・劉慈欣(りゅう・じきん/リウ・ツーシン)。『白亜紀往事』が日本で出版されたのは2023年ですが、本書は中国で2004年に発行された 劉氏の初期長篇となり

        • カマキリは降雪量を予想できるかどうか

          じつはゴキブリと近縁種 中生代から存在した昆虫  秋が深まりだすと、カマキリの姿をあちこちで目にします。昆虫のなかでも比較的大型で、鎌刃に似た脚が特徴的なカマキリは、じつはゴキブリに近いグループなのだそうです。活動する時間帯(ゴキブリは夜行性、カマキリは昼行性)や、そのみた目もまったく異なるゴキブリとカマキリですが、内部形態や「卵包(らんぽう)」と呼ばれるカプセル状のものに卵を産む性質などが類似点に挙げられています。  ゴキブリはかなり太古から生きていたとされていますが、

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        • 【小説】根ネギのねぎぃ【まとめ】
          5本

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          「プテラノドン」ヘアスタイルは軽量化しない

          かつて太古の空を制した 恐竜”じゃない”大型生物  恐竜映画への登場頻度が高いためか、プテラノドンはよく恐竜の1種と勘違いされることが多いです。確かに、プテラノドンは白亜紀時代の地層から化石が発掘されていますが、恐竜ではなく「翼竜」という別グループの古生物です。  太古の空を飛んでいた大型の爬虫類であるプテラノドン。近年の研究で「獣脚類の恐竜は鳥類となり、現代を生きている」とされていますが、鳥類と同様に飛翔能力が認められる翼竜は鳥類とは縁が遠いグループとなります。 翼開

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          絶滅の要因に、ヒトによる狩猟が指摘されている生物3種

          ヒトもまた捕食圧で 他種に影響を与える  「オオカミがいなくなったから、日本で今シカが増えている」。そういった記述を、書籍などでよく目にします。それだけオオカミの捕食圧が、シカに大きな影響を与えていたと思うのですが、わたしたちヒトもまた、捕食によってほかの生物種に多大な影響を与えていたそうです。  食利用のみならず、ヒトはほかの生物をさまざまな形で利用します。なので、今回は捕食に限定しない、ヒトによる狩猟圧で数を減らしたとされる生物を3種紹介しようと思います。いずれの種も

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          「セイタカアワダチソウ」黄色い花穂は他種を阻害する

          明治中頃に渡来した 秋に花穂を実らす草  中秋に散歩をすると、よくみかける黄色い花穂があります。それは空き地や川のそばで、当たり前のようにみかけるので、まるで昔からずっとこの地に根付いているよう感じます。セイタカアワダチソウのことです。  この記事を読んでいる人もきっと、この花穂をみたことはあることでしょう。今や全国各地でみかけるセイタカアワダチソウですが、じつは明治の中頃に渡来した帰化植物です。もとは鑑賞用ということもあり、天に向かって茎を伸ばし花穂を実らせるさまは、存

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          京都・伏見で焼き雀を食べた話

          伏見稲荷で売っていた 鶏肉じゃないほうの鳥  わたしの好きな食べ物のひとつに焼き鳥がありますが、昔一度だけ鶏肉以外の焼き鳥を食べたことがあります。それは、スズメの焼き鳥。京都の伏見稲荷神社の近くで売っていたので、話のタネにと思って食べてみました。  あんな小さな体で、どこに食べるところがどこにあるのか、と思われるかもしれませんが、まさにその通りでした。ほんとうにちょっとしたスナック感覚で食べれて、味付けはしょう油ベースのあまからいタレ。風味づけの山椒が効いて、アルコールの

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          「イネ」日本の食の基盤を支える穀物

          2024年夏に危機 コメの品薄状態  子どもの頃から朝食はパンで、最近は晩ご飯の献立にパスタや袋麺のラーメンを選ぶことが多いわたしですが、やっぱりお米は好きです。おすしは大好きですし、どんぶりだと親子丼が一番好きです。ご飯とみそ汁の組み合わせは、味覚から自分のルーツを改めて実感できます。  それだけわたしに根付いたお米ですが、2024年の夏は各所で「コメ不足」を耳にしました。気候変動などが原因で収穫量が少なかったそうですが、農林水産省の発表では充分な貯蔵があるとされていた

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          「アケビ」あまい果実は口を開け、捕食者を誘う

          つるを伸ばして 陽を求める樹木  家から比較的近い場所に、アケビが実っていることを最近になって知りました。アケビはつる性の広葉樹で、暗い林でもつるを伸ばすことで、陽の光を浴びて育つことができます。数年前にはこんなところにアケビをみたことがなかったので、もしかするとここ数年でつるを延伸させ、新しく結実させるようになったのでしょうか。  アケビの実は食べたことがないので、果実をもいで口にしたい気もしますが、2021年9月から因果関係不明の不調を患っている身なので、今回は控えま

          「アケビ」あまい果実は口を開け、捕食者を誘う

          これからの日本の魚介食文化

          タイパやコスパから 実感する「魚離れ」  あなたは最近、魚介類を食べたでしょうか。わたしは回転ずしが好きで週に1回程度お店に行きますし、家でも海鮮トマトパスタをよく作ったり、カレーを作るときはお惣菜店で買ったアジフライをトッピングしたりするので、比較的魚介類を食べていると思っています。ただ、スーパーなどでわざわざ魚1匹まるごとを選んで買うことはめったになく、せいぜい家の冷蔵庫にお得用大袋の冷凍シーフードを常備するくらいなので、大の魚好きかと聞かれれば、そこまででもない気がし

          ¥100

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          【読了】川上和人『鳥肉以上、鳥学未満。』

           わたしが敬愛する学者に川上和人、という人物がいます。学者というと、あらゆる学問を研究し、その成果を社会に還元していくことを生業とする人たちだと、わたしは認識していますが、その還元方法はさまざまあると思います。その研究成果を応用して、便利なツールを開発する、わたしたちの健康を守る、社会経済を適正化していくなどなど……。  ですが、この川上和人氏が専門としている学問は、必ずしもわたしたちの生活に直結しない「鳥類学」。そのなかで、比較的わたしたちに馴染みのある「鳥肉」というテー

          【読了】川上和人『鳥肉以上、鳥学未満。』

          「カバ」省エネ型巨大生物が食べる量

          豊満な体で俊足 走れば時速40km  動物園でみるカバの、あのむっちりした体つきをみるたびに「ダイエットしなきゃ……」なんて思うのですが、カバは案外足が速いのだとよく耳にします。どれくらい速いのだろうと調べてみると、なんと時速40kmで走れるらしく、安全運転している自動車並の速さだそうです。  もしあの巨体がそんなスピードで襲ってきたら、私だったらすぐ腰を抜かしてしまうでしょう。実際、カバは自分の縄張りに侵入してきたものには容赦ないそうで、ライオンでもワニでも、自分より体

          「カバ」省エネ型巨大生物が食べる量

          イチョウの果実は戦略的に異臭を放つ

          黄色い「鴨脚」は じつは絶滅危惧種  秋が深まると、黄色に色づいたイチョウの葉をよく目にします。一説によると、葉の形がカモの足に似ていることから中国で「鴨脚(イーチャオ)」と呼ばれ、そこから現在の呼称になったとされるイチョウ。季節の移ろいが感じられる植物の1種ですが、意外と山でみかけることはごくまれとのこと。そう言われると、確かに山中を歩いてイチョウみかけることはほぼないな、と実感するのですが、じつは野外で自生するイチョウは絶滅危惧種なのだそうです。  イチョウは中生代に

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          「ヒガンバナ」秋に咲く有毒の鮮紅

          土葬された遺体を守る 「死人花」の活用方法  開花したその植物をみるたびに、わたしは「秋」と「死」を連想します。放射状に吹き出した鮮血のような色味と花弁の広がり。華やかさより不気味さが勝るヒガンバナは、かつて「死人花」や「地獄花」とも呼ばれていたこともあるそうで、あまり人家には植えられなかったそうです。  その不吉な別名を裏付けるように、ヒガンバナの球根には「リコリン」というアルカロイド成分の毒が含まれており、暗殺や毒殺に用いられた歴史もあります。半面、その毒を利用して、

          「ヒガンバナ」秋に咲く有毒の鮮紅

          食べられる深海生物3種

          流通量は極少な 水産の食材たち  水深200mを超える場所を一般的に深海と呼び、そうした環境にすむ生き物たちはめったに人の目に触れることはありません。ただ、深海生物のなかにも、比較的わたしたちの食卓に並びやすい魚たちもいます。アンコウやキンメダイといった魚たちが例に挙げられるでしょう。  今回はそうした比較的身近な深海生物ではなく、ごく一部の地域で好んで食べられていたり、魚網に入ってしまったものをまれに食したりするような、市場に流通することが極めて少ない生き物たちを紹介し

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