やまかわうみweb

民俗学と郷土史と文学のWebマガジン。震災直後の2011年から自然民俗学誌「やまかわうみ」を12冊、別冊14冊を刊行。2024年にWEB版をオープン。東京の出版社アーツアンドクラフツが編集部です

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民俗学と郷土史と文学のWebマガジン。震災直後の2011年から自然民俗学誌「やまかわうみ」を12冊、別冊14冊を刊行。2024年にWEB版をオープン。東京の出版社アーツアンドクラフツが編集部です

マガジン

  • オンライン読書会

    文筆家の正津勉さんが主宰する読書会。毎月後半の金曜夜に、オンラインで行っています。国内の近代文学が中心

  • 連載 「はじめての古文書学習」

    北海道在住の著者・吉成秀夫がひもとく、古文書解読の世界。

  • 民俗・郷土ニュース

    民俗や郷土について、広く情報を掲載します。

  • 連載 「鎌倉できるだけ無銭ぐらし」

    鎌倉の山林に家を建てた著者・和賀正樹。アジアへの旅を重ね、たどり着いた「無銭ぐらし」の実践。山、川、海からの恵みを頂く自然生活のすゝめ

  • 連載「異人伝ーはぐれ者の系譜」

    民俗研究者・前田速夫による連載。無難に世間を渡る庶民とは異なる、はぐれ者、愚か者、不器用な人間たち。偉人ならざる「異人」の系譜を掘り起こす。

最近の記事

読書会『雀の手帖』レポート

半実録Bゼミ読書会リポート:栗原良子 Bゼミは、詩人正津勉主宰で、およそ30年間、月一度継続している自由参加の読書会です。 当初は高田馬場界隈で会場を借りて実施されていましたが、2020年コロナ期より、毎月最終金曜日の夜に、リモートで実施。様々な文学作品から、時代や民俗の読解、参加者の率直な感想が聴ける貴重な機会になっています。 半実録第7回 課題 幸田文『雀の手帖』 2024年10月25日(金)6:30~8:30 作者概説(「新訂国語概説」京都書房)より 幸田文(こ

    • 読書会 2024年11月のお知らせ

      11月(第48回)のオンライン講座(無料)のご案内です。課題図書を読んで、講座のなかで各自が感想をシェアします。 ZOOM(ズーム:一番広く使われているテレビ会議システム)を使います。必要なシステムは、パソコンはカメラ(ウエブ・カメラ)とマイク付き、スマートフォン、タブレットです。 2024年11月29日金曜日18時半から、2時間ほど。テキストは『田端文士村』近藤富枝著 中央文庫。お知り合いにも声を掛けられ、ご参加ください。 参加のお申込やお問合せは、下記のフォームから

      • はじめての古文書学習(7) 「古文書の声と方言」 吉成秀夫

         古文書学習会で読み合わせていると、文字がわからないだけでなく、訓読法がわからなくてつまずく。文字がわかっても「詠めない」のだ。  読み合わせているうちに思い出したのが、子供の頃に親が見ていた時代劇ドラマだった。そのなかで話されていた子供にはよくわからない日本語は、いまから思うと「候文」だったのではないだろうか? 古文書を音読する  私が所属する古文書学習会の参加者は、私の親世代——いわゆる高齢者の人がほとんどを占める。この世代は時代劇ドラマの候文を耳できいてすんなり理

        • 商業出版できる書籍化企画・原稿を募集(アーツアンドクラフツ)

          【募集内容】 東京の出版社アーツアンドクラフツでは、商業出版で書籍化できる企画および原稿を募集いたします。 ジャンルは、民俗学、文化人類学、郷土史、文学研究、人文書、芸術、伝記、小説、ノンフィクション、詩、短歌、俳句、エッセイ、絵本などを想定しています。 当社のプロの編集者が「商業出版が可能」と判断した場合には、紙の書籍として製作し、大手取次会社などを経て、全国の書店、インターネット書店で販売します。 【募集要項】 下の「応募用フォーム」をクリックして移動し、必要事項(1)

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        • オンライン読書会
          16本
        • 連載 「はじめての古文書学習」
          7本
        • 民俗・郷土ニュース
          5本
        • 連載 「鎌倉できるだけ無銭ぐらし」
          2本
        • 連載「異人伝ーはぐれ者の系譜」
          6本
        • 連載「ゾミア紀行」
          7本

        記事

          「鎌倉できるだけ無銭暮らし」(2) 和賀正樹

          小さな私設の図書箱を  東南アジアの村むらで、なにがうらやましいか。ペットと食糧のあわいだろう、ニワトリが野道を闊歩している風景だ。  国分寺の一軒家に住んでいたときは、廃材で小屋をつくり、軒下で赤玉鶏のゴトウ3羽を飼っていた。もう地べたで飼えるぞ。ついに平飼いだ。ヤギも飼いたいなあ。  自宅の裏山を中心に、海、川から、ただのたべものを頂戴する日々をめざして、4年前に新宿区曙橋から引っ越した。  鎌倉では、ノーバイデイ(無買日)に取り組む市民グループもある。  年に何回かは

          「鎌倉できるだけ無銭暮らし」(2) 和賀正樹

          「異人伝ーはぐれ者の系譜 (6) 狩野亨吉」 前田速夫

          その六 狩野亨吉

          ¥300

          「異人伝ーはぐれ者の系譜 (6) 狩野亨吉」 前田速夫

          ¥300

          漫画『ゴールデンカムイ』と出会い直す part 2 【会場・オンライン開催】

          人気の継続講座の2024年後期分がはじまりました。11月8日(金)に第2回目があります。 第1回目は『エゾオオカミの記憶をつむぐ』でした。 ●梅木 佳代(うめき かよ)  北海道大学大学院文学研究院・専門研究員  明治期に絶滅したエゾオオカミとは、いったいどのような野生動物だったのでしょうか。過去の北海道でオオカミと向き合った人々が残した記録と、そこからつむがれてきたイメージをたどりながら、「絶滅したオオカミ」の実体について、一緒に考えてみませんか? 日 程 10月11日

          漫画『ゴールデンカムイ』と出会い直す part 2 【会場・オンライン開催】

          ゾミア紀行(7)「 ワ族の原始部落へ」  

          昆明からミャンマー国境へ  ヴェトナムとの国境の町である河口/ラオカイから、バスで金平(ジンピン)までいった旅の行程は、紅河ヤオ族やハニ族の人たちとのさまざまな偶然の出会いもあって、大変に充実したものとなった。ところが、金平からさらに奥地にある緑春(リューチュン)へ到着したところで、なんの食べ物にあたったのか、旅先でぼくの身によく起きることであるのだが、腹を下してからひどい発熱があり、宿で数日間寝こむことになった。  いや、あのときだとよくわかっていた。夕方に食べた牛肉の

          ¥300

          ゾミア紀行(7)「 ワ族の原始部落へ」  

          ¥300

          読書会 円地文子 『妖』 レポート

          半実録Bゼミ読書会リポート:栗原良子 Bゼミは、詩人正津勉主宰で、およそ30年間、月1度継続している自由参加の読書会です。 当初は高田馬場界隈で会場を借りて実施されていましたが、2020年コロナ期より、毎月最終金曜日の夜に、リモートで実施。正津勉の博識体験と自由な指導により様々な作品から、時代や民俗の読解、参加者の率直な感想が聴ける貴重な機会になっています。 半実録第6回 課題 円地文子『妖』 2024年9月27日(金)6:30~8:30 *源氏名・性別・年齢は、筆者判断

          読書会 円地文子 『妖』 レポート

          はじめての古文書学習(6) 「西洋の写本、蝦夷地の写本」 吉成秀夫

          西洋の写本  私たちは「本」というと「読むもの」だと思っている。しかも、できるだけ手っ取り早く情報や娯楽を得るために、本でなくウェブで読めればよいという人が圧倒的多数であると思われる。最近はファストフードならぬ「ファスト教養」という言葉もあるそうだ。すっかり「読書」が貧しくなってしまったと言わざるを得ない。  札幌芸術の森美術館で開催された国立西洋美術館内藤コレクション「西洋の写本 いとも優雅なる中世の小宇宙」の巡回展を見てきた。非常に美しい展覧会だった。本から切り離された

          はじめての古文書学習(6) 「西洋の写本、蝦夷地の写本」 吉成秀夫

          読書会 2024年10月のお知らせ

          10月(第47回)のオンライン講座(無料)のご案内です。 課題図書を読んで、講座のなかで各自が感想をシェアします。 ZOOM(ズーム:一番広く使われているテレビ会議システム)を使います。 必要なシステムは、パソコンはカメラ(ウエブ・カメラ)とマイク付き、スマートフォン、タブレットです。 2024年10月25日金曜日18時半から、2時間ほど。 テキストは幸田文著『雀の手帖』(新潮文庫) お知り合いにも声を掛けられ、ご参加ください。 参加のお申込やお問合せは、下記のフォーム

          読書会 2024年10月のお知らせ

          「山懐の女たち」 第4回「宇都宮貞子」 正津勉

          その年十月初め、長野でとある所用があった。この地に来て山に遊ばない。なんて手はない。とはいえ休みは二日しか取れない。頸城(くびき)アルプスの二峰、火打山(二四六二㍍)と、妙高山(二三〇〇㍍)へ。行けたらと、念じていた。問題は台風の接近だ。しかし行くべえ、せめて一つはさ。そこにはある女人の存在があったのだ。  宇都宮貞子。当地に住まい山野を歩きへめぐり、草や花や鳥や星の話を紡ぐ、女史の美しい文章に魅せられたからだ。  当朝、平日も月曜、暗く重苦しい空。ときに九州方面を台風急襲の

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          「山懐の女たち」 第4回「宇都宮貞子」 正津勉

          ¥300

          アーツアンドクラフツの本 (1)

          「やまかわうみweb」をご覧いただき、ありがとうございます。 弊社では、宮田登、大林太良、野村純一など、民俗学関連の書籍を発売しています。 好評の「やまかわうみ叢書」も続刊中です。 ぜひ、下記のリンク、書店、ネット書店などで、お買い求めください。 【広告の本】

          アーツアンドクラフツの本 (1)

          「鎌倉できるだけ無銭ぐらし」 第1回 和賀正樹 

          谷戸へ  天神、心斎橋、元町三宮、四条河原町、名駅前、渋谷・・・。どこでもそうだ、繁華街をあるくと、息ぐるしくなってくる。  新宿区曙橋の集合住宅から、鎌倉の山中に引っ越して4年になる。山林付きの土地を10年ちかく探していた。さいわい、谷戸に杉林とぼうぼうの藪、300坪が手に入った。陽当たりがよくない。まわりの山からしみだす水で年中湿っている。湿地を好むミョウガが自生。手元の辞書で[谷(やつ)]をひくと「(関東地方で)低湿地。やち。やと」とある。夏場の湿気は尋常ではなく、

          「鎌倉できるだけ無銭ぐらし」 第1回 和賀正樹 

          市岡康子さん(ディレクター) インタビュー 【後編】

          トロブリアンドの女性たち ――続きまして『トロブリアンド諸島 女たちの島々』(1976年)のお話をうかがえたらと思います。まずはこの企画のはじまりや、取材をどのようにしていったかお話いただけないでしょうか。 市岡さん キリウィナ島に入って『クラ―西太平洋の遠洋航海者』を撮影しているときに、たまたまヤムイモの収穫期にあたって、娘たちがトップレスで美しく着飾って、収穫されたヤムイモを運んでいく祝祭を垣間見ました。もうひとつは、クラ交易が完全に男たちの仕事であり、航海に出かける

          市岡康子さん(ディレクター) インタビュー 【後編】

          ゾミア紀行(6)「雲南、ハニ族の女たち」

          昆明から河口へ  中国南部とミャンマーが国境を接する地域への秋の旅では、出発点は雲南省にある昆明(クンミン)の鉄道駅だった。久しぶりにきた中国だったが、大都会の中心部では、建物も施設も新しく立派で、自分の記憶のなかのかつての中国東北部の田舎における光景との開きが大きくあった。それで、両者のイメージを頭のなかで折りあいをつけることが容易ではなかった。高齢化が進み、社会全体が斜陽傾向にある日本列島からくると、昆明のどこへいっても人が多くてにぎやかで、活気があるさまに刺激を受け

          ¥300

          ゾミア紀行(6)「雲南、ハニ族の女たち」

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