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『それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史』が面白かった話と家族制度について考える(最近考えている話・後編)
このnoteでは、『虎に翼』が今描いている結婚制度の是非について書いた。今回はその続きである。 「国が家族ごとに戸籍を与えるのがおかしい、欧米では個人で戸籍管理しているのだから日本もできるはず」という意見は至極全うだと思う。実際、マイナンバー制度は戸籍(家族単位で管理)から個人番号(個人単位で管理)に移行するためのものであるはずだ。だとすれば、日本的な家族共同体単位社会から、欧米的な個人単位社会(結婚はあくまで個人間の契約であり、家=先祖や親は関係ない)に移行するのが良い、
【少しだけ昔を語っても?】初のペーパーバックを出版してみて分かったことと気付いたこと、そして伝えられること。
やぁ、いらっしゃい。今日も来てくれてありがとう。 先日、初めてペーパーバック出版が完了しました▽ ※ペーパーバックとは電子書籍ではなく、リアルの紙本。教科書のように表紙が印刷された別紙を圧着した仕様。 触った質感などもしっかりと"本"になってます▽ 本書は私がnoteを始めるまでの数年間を遡った内容。 最近でこそnoteに転がり落ちてきた話をする機会も減ったけど、初期の頃から仲良くしてくれている方や、最初の記事を読んでくれた方は御存知の通り。人づてに引用されて知ってく
今さらですが、宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』読了。 ~大純はるのメンバーシップ【白鳩会】「今さら図書館 小説書き方掲示板」より
今さらですが、宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』読了。 こんな言い方は、彼女にとって適切でないのかもしれませんが、大学生になってすっかり美しく成長した成瀬あかり。 主にびわ湖観光大使としての活躍が描かれる本作では、ついに日本の年末を象徴するアレにまで登場します。 今回も【主人公を周りの人が見ているよ形式】が炸裂し、最終話では帰還した親友島崎を中心に、今までのキャラクターが総出演。 前作の最後にあった主人公視点も今回はなく、それがかえって良かった気もします。 つくづく思うの
【読書コラム】あえてドストエフスキーの短編を読んでみな! 頭おかし過ぎて飛ぶぞ! - 『可笑しな人間の夢/ボボーク』フョードル・ドストエフスキー (著), 西周成 (編集, 翻訳)
先日、この人生で読むことがないと思っていたトルストイの『戦争と平和』を読み切ったという記事を投稿した。 きっかけは今月、トルストイとドストエフスキーについて話す機会を頂いたから。スライドを作っていく過程で、それぞれの代表作を読んでいかなきゃなぁと頑張っていたのだ。 その中でドストエフスキーの短編が凄いという情報を手に入れた。『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』を読み、神なき世界でいかに人間たり得るかの苦悩に心を打たれ、すっかり長編小説の人だと思い込んでいたので、ちょっ
【読書コラム】この本を知らずに生きてきた自分が信じられない! 中国文学をもっと読んでいかなきゃいけないと反省 - 『結婚狂詩曲』銭鍾書(著)
先日、中国にルーツがある友だちとどんな本を読んできたかという話をする中で、『結婚狂詩曲』というタイトルが出てきた。なんでも名作らしい。ネットで調べたら銭鍾書が書いたものと載っていた。 ぶっちゃけ、作品名も作者名もさっぱり知らなかった。というか、中国文学について、自分が全然知らないということに気がついた。『三国志』とか『水滸伝』とか、杜甫とか李白とか、古典はなんとなく把握しているけれど、近代以降の小説に関して言えば、魯迅ぐらいしか読んだことがなかった。もちろん、教養として