RAMUNOS

筑波山麓の雑木林に囲まれた山小屋で猫のピーと棲んでいます(二住生活)。 自然とくに植物と珈琲と本が好き。 ここでは自然の移ろいや日々の出来事をnoteします。

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  • 植物たち

    身の回りの植物たちをメモします

  • 珈琲

    大好きなコーヒーについてのアレコレ

最近の記事

庭に冬が来た

 今朝は冷えた。この冬、初めて霜が降りた。あわてて庭で育てていた観葉植物の鉢を小屋に取り込んだ。パキラ、ウンベラータ、オキシカルジューム、ベゴニア、オオシマワタリ、コーヒーの木、それにホヤ、ポトスもある。これから数ヶ月の間、朝になって小屋から出して陽に当てては、夕方、取り込むという日課が続く。この冬の大変さを思いやらずに、つい、夏の間に買い込んでしまった結果がこれだ。毎年繰り返しても全く学習しない。困ったことだ。  でも、真冬になり、あたりの野山が枯れ色のなった頃、薪ストー

    • 「たのしみは・・・・」

       早朝、窓のカーテンがぼんやりと明るくなってきた。庭から、小鳥の鳴き声が聞こえる。メジロだろうか、ヤマガラだろうか。シジュウカラも一緒らしい。こんな時、橘曙覧の「たのしみは 常に見なれぬ 鳥の来て 軒遠からぬ 樹に鳴きしとき」という歌を思い出す。こんなのもある。「たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」。  橘曙覧 (たちばなのあけみ 1812-68) は、幕末の国学者・歌人である。清貧な暮らしの中から、生活・自然・社会を自由奔放に詠んだ。正岡子規は

      • 四百年の時空を散歩する

         いつもの散歩コースの途中に小さな神社がある。参道の両側は太い杉の古木(市指定保存木)に挟まれて、人気が全くない。いつでもひっそりとしている。しかし、不思議なのは、いつ行っても参道が綺麗に掃き清められていて、木の葉一枚落ちていないことだ。  今日はこの神社の祭りで、御神楽が奉納されるという。この神楽は正しくは「七代天神社十二神楽」別名「代々神楽」というもので、市の無形民俗文化財に指定されている。以前から是非とも見学したかったものだ。しかも、今年は、併せて、この神社が由来した

        • 愛読書 『小学館の図鑑 NEO』

          机の上には、『小学館の図鑑NEO』の『昆虫』と『宇宙』と『植物』の三冊がある。孫へのプレゼントではない。僕の愛読書なのだ。退屈で死にそうな時や、鬱な気分を変えたい時など、適当にパラパラとページをめくってそこの写真や絵を眺める。気になったら解説文を読む。たいがいは眺めるだけだ。すると、いつの間にか気分は一変して、この世は何と不思議で面白いものかと感心してしまう。これほど気分転換に良く効く「薬」はザラにない。  『昆虫』の図鑑は、夜、枕元にやってきた虫が何という名前か、何の仲間

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        • 植物たち
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          6本

        記事

          史跡まで「遠足」に

          今年の夏はひどく暑かったので、野外に行くのは避けていた。そのせいで、だいぶ足腰が弱ったようだ。この頃、少し涼しくなってきたので、積極的に歩こうと思った。前から気になっていた場所まで車で行き、適当な所に車を置いて、その周辺を歩こうというのだ。いわば散歩の拡張版みたいなものだ。こういう散歩を「遠足」と名付けた。 今日の遠足は、筑波山の西側、筑西市黒子の「東睿山金剛壽院 千妙寺」である。この寺はもと池だった所に彼岸花を植えた。今頃、満開だろうと期待して行ったが、どうしてだろうか?

          史跡まで「遠足」に

          秋の出迎え

          秋を出迎えに霞ケ浦へ行った。この季節の僕の恒例行事だ。 風は少し強かったが、涼しくて気持ちがいい。 湖面は波打って、折角の澄んだ青空も白い雲も映していない。 聞こえるのは、湖岸に打ち寄せる水の音と土手の草のそよぐ音だけ。 白鷺が一羽、横切って飛んで行った。 2024年の秋、ようこそ!

          秋の出迎え

          彼岸花

          涸沼川の脇にある墓地の斜面にヒガンバナが咲いていた。もうすぐ秋の彼岸だというのに、今年は酷暑だったせいだろうか、咲いているヒガンバナが少ないように思える。やっと見つけた群落だ。繁茂した雑草の中で、毒々しいまでに鮮やかな赤色で自分の存在を主張していた。 子供の頃から、こんな所に誰が植えたのかと疑問に思ったことが度々あった。日本のヒガンバナは三倍体なので種子ができない。では誰が? あんな大きな球根を鳥が咥えて運んだとは思えない。動物かというと、球根には毒があるから動物は手を出さ

          河童の影

          タイトルの写真は、女河童の「ねねこ(禰々子)」である。これは利根町の民俗歴史資料館に飾ってあった。近くの大学生たちが作ったそうだ。参考にしたのは、江戸時代末期の地誌家である赤松宗旦の『利根川図志』である。赤松宗旦は、柳田國男が少年期をおくったのと同じ茨城県利根町布川の出身で、彼の『利根川図志』は利根川流域の民俗を知るのには欠かせない書物である。 茨城県南部には、利根川をはじめ多くの河川と湖沼があり、そのせいか水と関連が深い河童の伝説が多くある。 昨日訪れた小美玉市の「手接神

          河童の影

          ヤツデ

          これまでヤツデ(ウコギ科)を誤解していた。この木は、大きく広がっている葉の形が面白いものの、日陰のジメジメしたところにひっそりと生えている脇役だと思っていた。いわば日陰者の木だと。 しかし、今朝、その思わぬ美しさに気が付いた。まだ、夜の暗さが残っている部屋で朝のコーヒーを飲んでいたら、窓辺のヤツデの葉が美しく輝いている。今春に出たばかりの若葉に朝日が当たって、葉の裏側に抜けた光がみずみずしい緑を放っていた。 ヤツデの魅力は葉ばかりでない、晩秋から冬の初にかけて咲く花も味わい

          『なつだ オバケだ ゾッとする展』 

          先月(8/16note)、実物を見られなかった柳田國男少年が不思議な体験をした「石の玉」が、『柏市郷土資料館』に展示されているというので、自宅に帰った際に見てきた。「石の玉」は、直径12、3cmのまん丸の球体である。凡人の僕がいくら見つめても、柳田少年のように気が変になるようなことはなかった(笑)。 この企画展は『ゾッとする展』というテーマで、柏市周辺に伝わる不思議なモノや不気味な絵を集めて展示している。地獄絵図や幽霊の掛け軸、妖怪やカッパ想像図、そして奇怪なモノなどである

          『なつだ オバケだ ゾッとする展』 

          足腰を鍛えるために古屋敷へ

          今年の夏は、あまりの暑さに屋内ばかりにいたので足腰が弱ってしまったような気がする。そこで、どこかに行って、無性に歩きたくなった。ただ歩くだけではつまらない。何かを見学したい。 そこで、霞ケ浦方面に向かったが、まず途中の旧玉造町で『大塲家郷士屋敷』を見学した。大塲家は代々、水戸藩の大山守を務め、20数ヶ村の藩有林を管理し、各村の庄屋の上に立って、勧農、年貢の徴収、訴訟、地域の治安維持など、水戸藩の出先機関のような役割を担っていた。また、水戸藩主や幕府の領内視察の際の宿泊地でも

          足腰を鍛えるために古屋敷へ

          週一日の珈琲マスター

          僕は週に一日のコーヒーマスターである(笑)。8年ぐらい前に、お隣の奥さんから、今まで空家だった古民家をお茶でも飲みながら本が読める場所にしたいので、僕にコーヒーを淹れてくれないかと言われた。僕も、「お茶を飲みながら静かに本が読める場所もいいかも」と思ったので引き受けることにした。もう、それから8年、真冬と真夏を除いて毎週一日、土曜日だけオープンして、自分で焙煎した豆でコーヒーを淹れている。 そのうち、いろいろな人が訪れるようになった。八郷にも個性ある人が多く住んでいるが、南

          週一日の珈琲マスター

          ALL ABOUT COFFEE

          昼食に何処かに行こうと小屋を出ようとしたら、郵便配達がウイリアム・H・ユーカーズの『ALL ABOUT COFFEE -コーヒーのすべて』(角川ソフィア文庫 2017)を届けてくれた。この本は以前から読みたいと思っていたが入手困難とかで、なかなか実現しなかったのだ。忘れかけていた今頃になって届いた。早速、昼食が済んでから、市立図書館に持ち込んで読み始めた。ここは冷房が効いているので(小屋にはクーラーがない)、僕の「夏の避難場所」である。「僕の書斎」と呼んでいる(笑)。 『A

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          雲が好きだ

          僕は子供の頃から雲を見るのが好きだった。小学校の帰り道、雲を眺めては、似ている動物を当てはめて遊んでいた。この歳になっても、相変わらず青空に浮かぶ雲を眺めるのがたまらなく好きだ。ふと見上げた空に美しい雲が浮かんでいるのを見つけると、実際に行ったこともないのに、「この雲は地中海の小さな漁村の空に浮かんでいたな〜」とか、「アメリカの草原のはるか遠くの地平線上にもあった」、「北欧の冷たい海の上に浮かんでいたな〜」などと思ってしまう。すると、今までのモヤモヤした重苦しい空気は一挙に軽

          雲が好きだ

          柳田國男自筆 『原本 遠野物語』

          先日(16日)、布川の「柳田國男公苑」を訪れたので、また彼の『遠野物語』をじっくりと読みたくなった。合わせて、最近、もっと自由にのびのびと万年筆で文字、特に漢字を書きたいと思っていた。昔の人は、速くスラスラと書くために行書や草書を日常的に使っていたのだろう。僕もそれを真似したくなって、テキストとなる本を探していた。 たまたま、この二つを同時に叶える本を見つけた。2022年に岩波書店から発行された原本遠野物語編集委員会編『柳田國男自筆 原本 遠野物語』である。これは柳田の「毛

          柳田國男自筆 『原本 遠野物語』

          「大人形」を見に

          小屋を東に少し走ると霞ケ浦が横たわり、それに接するように関川地区がある。関川地区は、主要道路や交通機関から離れ、都市の喧騒からも隔絶されて昔からの暮らしが静かに営まれている。  この関川地区では、江戸時代から地域の人々によって、毎年、盆明けの16日に「大人形」作りが続けられている。今年も行ったが、見たのは長者峰集落の一体のみで、代田集落は今年から作るのを止めたようだ。 集落の辻の角に、昨年のが朽ち果ててあった。この1年間、悪霊から集落を守ってくれたが、もう戦いに疲れ果てて、力

          「大人形」を見に