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映画、演劇、書籍、音楽を中心にエンターテインメント全般についての発信を続けています。 …

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映画、演劇、書籍、音楽を中心にエンターテインメント全般についての発信を続けています。   鎌倉ペンクラブ幹事

マガジン

  • 源氏物語(再掲)

    源氏物語にかかる記事一覧です。再掲になります。

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    映画、演劇、書籍(文学)等、文化全般にわたるレビューを書いています。ランダムにマガジンにまとめてみました。

最近の記事

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再掲:のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて

一部からご要望賜りましたので、再掲させていただきます。 幻冬舎webコンテスト 第二回 エッセイ 優秀作受賞作です。 よろしければご一読ください。 https://kamakurah.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/05/e7acacefbc92e59b9ee38080webe382b3e383b3e38386e382b9e38388e38080e382a8e38383e382bbe382a4e3808ce382a4e3838

    • マルチェロ・マストロヤンニ生誕100年:映画『マルチェロ・ミオ』レビュー

       第37回東京国際映画祭クロージング作品は今年のカンヌで話題になった『マルチェロ・ミオ』のジャパンプレミア。主演をマストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーヴとの実子、キアラ・マストロヤンニがつとめ、ドヌーヴが本人として共演。2024年がマルチェロ・マストロヤンニ生誕100年ということで製作された正真正銘(?)のオマージュ。マストロヤンニ好きだけが分かる楽屋落ち的シーンの連続で、映画祭という祝祭気分にまことに相応しい一本。ただオールドファンには嬉しいが、若い人たちにはどうなのだろう。

      • 大九明子監督のメルクマール:映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』レビュー

         第37回東京国際映画祭コンペティション部門にならぶ一本。観客賞確実。原作既読の方は致し方なしだが、未読ならそのまま、映画についての前情報もなるべく入れずに鑑賞されたし。  大九明子監督・脚本で、萩原利久、河合優美、伊東蒼の三者三様のキャラクターデザインの説得力たるや大。ここに銭湯主人に扮した古田新太と主人公友人の黒崎煌代みごとに絡んで見応えある大九明子ワールドを現出させた。河合優美は、本映画祭、様々な作品での起用が見られ、旬の女優であること誰もが認めるところ。しかもどこでも

        • 吉田大八監督による筒井康隆ワールドの見事な映画化:映画『敵』レビュー

           第37回東京国際映画祭コンベンション部門に出品された吉田大八監督・脚本の『敵』は、筒井康隆の同名長編原作を、映像処理巧みに見事に映画化した佳品である。主演の長塚京三による退官仏文大学教授渡辺のキャラクターデザイン、間然するところなく、他のどの俳優にも代替不能の素晴らしい存在感。演じぶり説得力豊かで、主演男優賞を獲得してもおかしくない。  モノクロの選択はおそらく監督の意向であろうが、それにより現実と非現実との境界の曖昧さが鮮やかに炙り出され、観る側は各人なりに色彩を施せる。

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        • マルチェロ・マストロヤンニ生誕100年:映画『マルチェロ・ミオ』レビュー

        • 大九明子監督のメルクマール:映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』レビュー

        • 吉田大八監督による筒井康隆ワールドの見事な映画化:映画『敵』レビュー

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          16本
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          24本

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          松重豊の監督デビューに喝采:劇映画『孤独のグルメ』レビュー

           このたびの第37回東京国際映画祭ガラ・セレクション 部門に並んだ松重豊監督・脚本(テレビ版の田口佳宏と連名)・主演の劇映画『孤独のグルメ』は、12年続くテレビシリーズの集大成と銘打たれるに相応しい、松重豊のキャリアと、作品への思いの丈がしみじみ体感できる仕上がりである。ワールドプレミアを釜山国際映画祭に譲ったことが個人的にはなんとも惜しまれるが、韓国エピソードが重要なキイとなって、韓国が誇る名優にして、韓流ファンにとっては「長家」グループ会長ユ・ジェミョン(『梨泰院クラス』

          松重豊の監督デビューに喝采:劇映画『孤独のグルメ』レビュー

          第37回東京国際映画祭オープニング作品『十一人の賊軍』レビュー

           第37回東京国際映画祭オープニング上映作品『十一人の賊軍』は、白石和彌監督の思い溢れる仕上がりで、見応え十分。原作プロットはかの笠原和夫と聞けば邦画オールドファンなら誰もが心躍るはず。わが国最初の五輪開催年の1964年に企画却下され、激怒した笠原和夫が脚本350枚を破り棄てたとのことで、白石監督はその僅かに残されたプロットをKindleで見つけたと上映前の挨拶で語っていた。  山田孝之、仲野太賀という今をときめく2人を起用し、阿部サダヲ、玉木宏を絡ませる佳品お約束の好布陣。

          第37回東京国際映画祭オープニング作品『十一人の賊軍』レビュー

          『ユリシーズ』格闘記

           そもそもの出会いは伊藤整だった。中学の終わり頃、『若い詩人の肖像』にいたくこころ震わされカッパブックスの『文学入門』から始まって、『小説の方法』や『知恵の木の実』など、漱石系譜と文学史的に位置付けられていた小説より、評論、随筆などを偏愛した。ついでその頃の旺盛な好奇心と興味関心から翻訳の業績のひとつであった『チャタレイ夫人の恋人』に向かい、『若い詩人の肖像』の本歌と称すべき『若き芸術家の肖像』にたどり着き、これは丸谷才一訳で読んで、20世紀の巨人のひとりジェイムズ・ジョイス

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          受賞作にガッカリ!:万城目学『八月の御所グラウンド』レビュー

           苦節15年、第二作目の『鹿男あをによし』で初めて候補になってから6度目で愛読者( ! )待望の直木賞受賞となった万城目学の『八月の御所グラウンド』を、まことにガッカリした思いで読み終えた。所収作品は、女子駅伝と草野球とが主題の所謂「万城目ワールド」たるファンタジー2本である。受賞そのことについては素直に慶賀と祝すことやぶさかではないが、『鴨川ホルモー』で颯爽と、いや大爆笑熱烈大歓迎で(かな?)文壇にデビューして以来、新作上梓のたびに楽しく追いかけ続けてきた読者のひとりとして

          受賞作にガッカリ!:万城目学『八月の御所グラウンド』レビュー

          澄明にして難解:ノーベル文学賞ハン・ガン『ギリシャ語の時間』(斎藤真理子訳)レビュー

           今年のノーベル文学賞発表と同時に書店たちまち全書籍払底となったハン・ガンの『ギリシャ語の時間』(斎藤真理子)を勤務先図書室で見つけて読了。描き出された世界は澄み切って静謐ながら、難度高く、一読では全容を理解できたとは言い難いが、ある意味メルクマールとしてレビューを記す。  主要登場人物はふたり。ひとりは視力を失いつつある韓国で生まれドイツに育って帰国したギリシャ語講師、もうひとりは失語症ながら外国語でなら発語の可能性あって、現在はギリシャ語を学ぶ元詩人にして出版、編集も手掛

          澄明にして難解:ノーベル文学賞ハン・ガン『ギリシャ語の時間』(斎藤真理子訳)レビュー

          物語巧者の鮮やかな手際:一穂ミチ『ツミデミック』レビュー

           第171回直木賞受賞の一穂ミチ『ツミデミック』を実読書とAudibleでの聞き流しとで読了。パンデミック、感染症の世界的な流行を共通の基盤とした6つのドラマが、いずれも鮮やかな手際で描かれ、一作読み終え、聴きおわるごとに、その仕上がりに感心させられるばかりだった。帯には「犯罪小説」と銘打たれているが、遠い昔、向田邦子の『思い出トランプ』を読み、各所でハッとさせられた気分に似た、人間ドラマとしての印象が濃かった。Audibleでの読み手、馬場蘭子の多彩に場面場面を読み分け引き

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          川村元気氏への公開質問状:映画『四月になれば彼女は』レビュー

           今春公開の川村元気原作・脚本の邦画『四月のなれば彼女は』を配信鑑賞。先に三谷幸喜監督・脚本の『スオミの話をしよう』について、「長澤まさみの無駄遣い」と辛口批評を書いたばかりだが、本作鑑賞後も同様の印象で、いやそればかりか、あわせて「河合優実まで無駄遣い」と再度嘆息レビューをアップしようと書き始めていた。しかしながら、スタッフに親しくご縁を頂戴している知人複数あり、いささか複雑な思いを拭いきれず、なんどもキーボードを叩く指先に躊躇うものがあった。そこで、標題のようなスタンスで

          川村元気氏への公開質問状:映画『四月になれば彼女は』レビュー

          玉さま魅力全開!:錦秋十月大歌舞伎夜の部レビュー

           今月の歌舞伎座夜の部は、『婦系図』と『源氏物語』。主役はいずれとも大和屋坂東玉三郎で、お蔦と六条御息所とを連投奮闘、魅力全開である。共演は、『婦系図』早瀬主税を松嶋屋御大片岡仁左衛門、『源氏物語』光源氏を高麗屋若旦那市川染五郎という並びで、好事家大感激の演目となっている。  個人的お目当ては『源氏物語』だったが、世情前評判は、かつて一世を風靡した『孝玉コンビ』のお蔦主税初共演で大賑わい。新派の言わば歴史遺産の歌舞伎座上演に前売りチケット早々の完売だった。  その『婦系図』で

          玉さま魅力全開!:錦秋十月大歌舞伎夜の部レビュー

          驚異の疾走感:毬矢まりえ・森山恵姉妹訳A・ウェイリー版『源氏物語』レビュー

           教養講座で昨年から『源氏物語』を担当するにあたり(https://images.app.goo.gl/MNaA3BHb4QYGjRSCA)、既刊の現代語訳をほぼ確認したつもりでいた。その上で、受講される皆さんには、使用するテキスト(岩波文庫新版全9冊)とは別に、読み易さの観点から最新の角田光代訳(河出書房新社全3巻)を薦めていた。恥ずかしながら不明にして左右社の本書4巻は全くノーマークだった。平凡社ライブラリーの同等書佐復秀樹訳は承知していたが、英訳の訳し戻し版を推薦図書リ

          驚異の疾走感:毬矢まりえ・森山恵姉妹訳A・ウェイリー版『源氏物語』レビュー

          長澤まさみの無駄遣い:映画『スオミの話をしよう』レビュー

           長澤まさみが、この世代で群を抜いて芸達者、スターであることは誰も異論ないはず。三谷幸喜がその長澤まさみのために企画し脚本を書いて監督した、となれば、ファンとしては期待するのは当然。しかし、この仕上がりはガッカリ。呑気に鑑賞できるお気楽映画でしかない。舞台でやることを無理に映画にした印象の一本。  長澤まさみ扮するスオミばかりでなく、幼馴染みの同級生、夫となった6人全員のキャラクターデザインが曖昧で、映画として何を目指したのかが不明。資金も時間も十分で、これだけの役者を揃えら

          長澤まさみの無駄遣い:映画『スオミの話をしよう』レビュー

          「新しい人」―未来のためにできること

             きっかけは大江健三郎の訃報だった。  還暦で教職を定年退職し、その後、縁あって東京から移り住んでいた鎌倉市で文化担当の責務を担っていた。  50歳を迎えた頃、自分自身には教員の経験・世界しかない、とその狭量を顧みて、しばらく呻吟していた。たまたまその時期募集のあったweb新聞文化欄担当に手を挙げ、映画・演劇等のレビュー執筆によって、未知の畠を耕し始めることになった。それ以降、活動範囲が思っていた以上に広がった。定年後の第二の人生として教職以外の道が拓けたのは、十年間ささ

          「新しい人」―未来のためにできること

          観るべきは河合優美のみ:映画『あんのこと』レビュー

           「かぞかぞ」や「不適切」での河合優美推しとしては、公開前情報を見聞した時点でパス決定の一本だったが、amazon primeでの配信が開始されたので鑑賞。  河合優美の演技力の確かさは、もはや周知の一般常識(!)。キネマ旬報9月号の特集「河合優実の時代はもう、はじまっていたんだ。」さえ遅いくらい。申し分のない本作の人物造形力に付言不要。本年度各映画賞で候補、受賞は確実だろう。しかし、である。  冒頭、事実に基づく物語である、とエキュスキューズされるが、監督・脚本の入江悠は何

          観るべきは河合優美のみ:映画『あんのこと』レビュー