自解*からすやまとりのこみちのもみぢかな
馬頭町(※)吟行の句。江戸時代の「はとうからすやまのこみち(馬頭、烏山、鷲の子(とりのこ)道)」と彫った道しるべを見た旅人が、「鳩、鵜、烏、山鳥の小道」と読んで、人の通る道ではないと思い引き返したという。
句は、まず、「から」「やま」でア音の主題から始まる。次に転調してオ音とイ音のみの旋律となり、「のこみち」「のもみぢ」で同母音の旋律の繰り返しへと展開してゆく。そして、最後に再び「かな」のア音の主題が現われて終わる。
昔人の遊び心に心を寄せながら、こちらも遊ばせてもらい