HIROYA ISOZAKI

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マガジン

  • キメラ/鮫鯨(エッセイと日記)

    エッセイと日記をピックアップしました マガジン画像は 磯崎の作品の一部です テーマは ウクライナの戦場に現れたAPE(類人猿)

  • ピルグリム(現代詩)

    投稿の中から詩をピックアップします マガジン画像は 磯崎の詩集『ピルグリム』の表紙の一部です 青山悟の詩集の作品です 8時間の労働 8時間のリサーチ 8時間の休みと書かれた旗を女性が制作しています

  • ソラリスの襞(詩論と詩評)

    詩論と詩評をピックアップしました マガジン画像は 磯崎の作品の一部です 四万十町の岩本寺に展示されていました

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海を渡り地を鎮める3日間の旅 四万十 日向灘 阿蘇山 雲仙

その日は、高知県窪川から予土線に乗り、四万十川の絶景を眺めながら、愛媛県宇和島へ。宇和島の駅前で鯛めしを食べる。絶品である。八幡浜からフェリーで別府へ、途中、デッキで日の入りを楽しむ。大勢の若者がスポーツウェアで乗船している。大分や宮崎と愛媛が航路ででしっかりつながっていることを知る。関東では考えられない。この船で様々な物語が生まれたのだろう。そういえば「スズメの戸締り」の主人公も宮崎から、船で四国に渡っていた。四国と九州は私たちの思う以上に近い。港の近くの海岸ぞいのホテルに

    • 月を見て思うこと

      十五夜である。月を見るためのプレイリストをつくってみた。最初はドビュッシー、ラヴェルから坂本龍一に及んで、彼が月の作曲家であることを突然理解した。 日本人は月を愛でることに関して、世界でも有数の民族だと思う。月の光には人を陶然とさせるものがある。チャクラというものがあるなら、それが開いて、何か崇高で優美で清潔な世界と結ばれるような感覚。平安貴族はそれを「雅」という言葉で言い表した。 武士の時代になりそれは歌の世界に押し込まれたが、室町になって幽玄という概念に置き換えられた

      • 森の散歩 ボサノヴァ 僕の不安

        朝起きてすぐ、ブラジルの音楽家、アントニオ・カルロス・ジョビンの十一番目のアルバム「テラ・ブラジリス」を聴きながら森を歩いた。不安に支配された僕をジョビンが救ってくれた。「(夢見人)Dreamer」から始まり「(幸福な熱狂)This Happy Madness」で終る20曲、まさに僕が今聞くべき音楽だと思った。哀愁と洗練とリズムの絶妙な調和。ジョビンの音楽には魂の救済がある。いつかブラジルに行ってみたいと思う。 僕は何に不安になっているのだろう。一人で詩を書くことこそ天国と

        • noteにおける決意

          昨日までnoteは僕のアジールだったが、読者も増え、書いていることが世の中に知れるようになってしまったようだ。こうなれば、実名で書いている以上ある種の公共性を考えざるを得ない。残念だが、仕方ない。メディアとはそういうものだ。 これまで僕の表現活動の中でのnoteの役割は、「好き勝手書き散らし、推敲しない」ということだった。核心を鷲掴みにするのにはそれが1番だからだ。しかし、それは人様に見てもらうレベルのものではない。今後noteで発表する文章は、ちゃんと内容を見直して、人様

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          19本
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        記事

          「火の底」 九月の西行忌に献詩する

          「火の底」 九月の西行忌に献詩する

          【報告】パリの詩人

          VOYの同人 加藤英俊くんが  パリで詩の朗読をした  英訳の後 日本語で  この瞬間 言葉の壁は無くなった 『詩人の聲』の力を見た 天童さんに すぐ報告した 詩人の聲が海を超え 言葉を超えでます 感謝

          【報告】パリの詩人

          【現代詩】謎

          黒い謎はその海で 読み解かれるのを 待っていた 君に読み解かれた謎は その喜びを 隠せない 12に分裂する   謎の一つは 木星の業火に焼かれ ヨセフの身体を包んだ それは11番めの謎である 横須賀の海で 行われた12年前の実験 そこから立ち昇る夢の白い粒子 黒鳥は渦巻の中で白鳥になる   読み解かれた謎は 白鳥の産毛になって また泳ぎ始める 成鳥になって誰かが羽を拾う日まで

          【現代詩】謎

          【エッセイ】シンクロ ヤコブの上着と徳川頼房からの考察

          何かのうねりの中にいる感覚はとても大事だと思います 1人ではないと感じることは 生きることそのものに関わる つまり自己組織化はあらゆる自己組織化と連動している 決定論はつまらない 無限の確率から 選択していく そこに意志がある 意志は宇宙から生まれる それを意識が観察する 意識は宇宙を反映する 無限のリフレクション 言葉はそれを一時停止する 停止した瞬間過去になる 書き直せば 過去も変わる 選択には 当たり前だけど 他者が関わる 波のように 雲のように 煙のように 捉えどころ

          【エッセイ】シンクロ ヤコブの上着と徳川頼房からの考察

          水面のさかしまによる朝の独り言

          おはようございます 湖の透明度が 風景を写すに最適のようで 綺麗に森が写っていたので シェアします 今日は丸一日 詩作に時間を使えそうです 昨日は 金融事故の問題で忙しなくて何もできず 変なスーパーヒーローものの映画を見てしまいました 見せ続ける技術は ネットに共通していますね 飽きる前に次の刺激的な出来事を畳み掛けて 1時間半引っ張る 事件 天変 宇宙 テクノロジー ラグジュアリー 事故 ラブ 友情 美しい男女 裸 覗き 高所恐怖症 スピード 火 水 パーティ ダンスな

          水面のさかしまによる朝の独り言

          【現代詩】ハリウッドメソッド

          【現代詩】ハリウッドメソッド

          【エッセイ】我が人生における詩の始まりと顛末のスケッチ

          僕は 子供の頃身体が弱くて 学校に行けず ずっと布団に寝てたんですね  喘息とか 猩紅熱 とかで 生まれつき皮膚と粘膜が弱いんです  生まれた町の大気汚染がひどくて 死ぬって医者に言われて 昭和40年代の日本はほんとひどかった 全国各地では排気ガスとか 煙害で 川は銅の精錬で緑色 海はヘドロ 空気はセメントやら化学物質やらスモッグやら 庭で洗濯物干せなかったからね 今の中国の非じゃないくらい 経済に命を捧げててね 放射線の汚染も酷かったはず あちこちで白血病で人が死んでた 

          【エッセイ】我が人生における詩の始まりと顛末のスケッチ

          【エッセイ】森の思想 湿地の哲学 小川の叙情』

          私の住んでいる町の西には 小さな谷がある この公園の開発に関わった 故吉田光男先生の考えを確認し 思いを探しに 人のいない時間に歩くのが いつのまにか私の習慣になった 公園は森を守り 湿地を残し 小川を復活させて 少しずつ大きくなっている まるでそのように自己組織化しているように その中心に 詩の言葉がある 春風の花を散らすと見る夢は醒めても胸の騒ぐなりけり つまり この谷は春風に散る山桜に向かってある それは毎年繰り返す 森の思想 湿地の哲学 小川の叙情はそれを守るため

          【エッセイ】森の思想 湿地の哲学 小川の叙情』

          【現代詩】タワーの終わりとモダンの終わり そして僕の終わり

          暗いうちから歩いた 光がうっとおしいから 湖で赤陽が登った 紅いゾンビはラジオおとこ 白いフィメールゾンビは死に場所を探してる 作業ベストの昭和男に僕の東湖も汚された 家に戻る途中 坂を歩きながら タケシの映画 「首」のことを考えていた 朝日があまりに赤かったせいだ Netflixで不評らしい そりゃそうだ 信長の描写があまりにひどすぎる まあいい パロディと思えば許せる 首がポロリ 昔の首切り場の地蔵の横で 音がして  プププと笑った 猫女 勘弁しろよ  と アートタワ

          【現代詩】タワーの終わりとモダンの終わり そして僕の終わり

          【現代詩】デタラメ 夢の中で

          アートタワー めずらしい雲が70メートルくらいまで 霧かもやか雲が区別はない 朝4時半から書いたもの 残す すぎもとまいこをよんだよかあさいさかようこをおもいながら 日が登る前に どうしてもあらきたいとおもつた ボロボロのお遍路の白い靴 甘い甘いかおりを、たきしめ きのみきのまま 歩き始める 水平線 はさん 今日はっきりする 腹切り はっきり 似ている 暗闇に 逃げ遅れたおくれた黒鳥 ジリジリと 金が尽きるまで 米びつがつきるまで 足を踏み外すまで なぜ北岸がい

          【現代詩】デタラメ 夢の中で

          詩人の聲 海を渡る

          暗いうちに歩き始めた 夏が終わり 太陽の光が怖い 暗闇でしか得られないものもある そう言い聞かせた 4時半 パリは夜の9時半 友達が詩の朗読をはじめた ラインが届く 日本代表 詩誌VOYのパリ特派員だ 【詩人の聲】が 海を超え 言葉を超え ヨーロッパに響いてる パリの本屋には日本の詩はほとんどない 日本の詩はそういうところから変えなくちゃならない 意固地になるのをやめなくちゃならない   そうだろ 加藤くん

          詩人の聲 海を渡る

          文学は人類最強のテクノロジーである

          何かで読んだか 聞いたのですが 人類にとって最も最強のテクノロジーはなにか AIに聞いたら  それは文学だったらしいです うろおぼえだから 間違っているかも知れない 本筋はズレていないはず 何か深くそれに 頷いたんです 例えば「世界」という一言で  表せるものは膨大です  個人差があり 数字のような 厳密さはないが 圧縮のレベルが半端ない 2文字に畳み込まれている意味や歴史が圧倒的です 宇宙も  人生もそうです  美も善悪も その圧縮力と  新しい概念を生み出すイメージ生

          文学は人類最強のテクノロジーである