民俗学とは何か 島村恭則 関西学院大学講義 現代民俗学A

•人間を〈俗〉の視点で研究する学問
 〈俗〉とは
 ①支配的権力になじまないもの
 ②啓蒙主義的な合理性には必ずしも割り切れないもの
 ③「普遍」「主流」「中心」とされる立場にはなじまないもの
 ④公式的な制度からは距離があるもの


•注意
 実際は支配的権力、啓蒙、合理性等との明確な境はなく「あちら」と「こちら」に分け切ることはできない。「こちら」にいるつもりが「あちら」になっていたり、「あちら」の中にこちらと通ずる考えがあったりする。故に相手の立場で考える必要がある。

•民俗学は何故あるか
 支配的権力、啓蒙、合理性などが自分達都合で作り上げるルール、制度、学問体系に対して、それによって切り捨てられる「必要ないもの」の価値、意味を見出す。「あちら」が「必要ないもの」とするものの中に実際は知恵が多分にあることを見出し、その積み重ねの上に現在があることを知る。



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