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【人文学の要諦】 読書#158
みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。
自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!
今回は人文学についてです。
学問の一分野についての本って、なかなか珍しいような。
ヘッダーは、とものりさんの作品を使わせていただきました!
ありがとうございます!!
目次
基本情報
東北大学教養教育院 (編)
東北大学出版会 出版
2020年3月31日 第1刷発行
全240ページ
読書所要期間7日
本書も、バリューブックスさんで購入しました!!
私が本書に出会うきっかけ
「人文学」と聞いて、皆さんはどんなことをイメージするだろうか?
文系の中の学問体系の一つくらいなイメージだろうか?
私は、完全にそんな感じ笑
何だかよくわかっていないという、私の中の課題感が強くある。
これについて、勉強できそうな本はないかと探した。
なぜ人文学について知りたいと思ったか、そのきっかけは、私の大好きなコテンラジオである。
コテンラジオは、まさに「人文」を学び考えるための最高のツールであろうと捉えている。
ただ、そもそもその根底となる人文自体を、まだまだ雰囲気で・なんとなくで捉えていることを、つくづくと私に感じさせる。
ときおり、深井さん達も口にするこの「人文」という言葉。
たくさん聞いている中でふと思ったのは、
「私は、 ”人文” と ”リベラルアーツ” を同義で捉えていないか?」
「それが正しいのか?」
というのが、最大の出発点・疑問点だ。
これを知るべく、本書を読み進めた。
私が思う、この本の本質
本書は、人文だけでなくあらゆる分野の学者さん達が、自分の専門領域からみる人文学、あるいは「人文学との交差点」という言葉で表現される学祭的交わり、平たく言えば様々な視点から人文学に視線を送ることで、その交点を導き出し、そこから人文学が何たるかを見出すような仕様になっている。
「この考え方がすでにリベラルアーツっぽい?」
なんて、雰囲気ではそんなことを感じて、知ったかぶりしている笑
”まえがき”には、編者である院長が、スティーブ・ジョブズの言葉を引用している。
リベラルアーツとテクノロジーの交差点にイノベーションが生まれる
この言葉も踏まえれた、「リベラルアーツ」がイコール「人文」でありそうに読むことができそうだが、私なりに考えを深めていきたいと感じる”まえがき”だった。
私が感じたこと
今必要な人材とは?
いわゆる理系の分野でご活躍の学者さんも、本書に考察を寄せている。
AIや医療の領域をご専門の方も、そもそも「読む」ことと「コミュニケーション」をまずは母語でどれだけできているかを指摘している。
加えて、文学的味わいを知ることも重要であるが、目下日常のレベルで読み、それを正確に理解することに対する重要性を指摘する方もいらした。
とあるベンチャー企業で採用を担当される役員の方と以前お話をさせていただいた際、
「どんなに学歴であろうと、良い資格をもっていようと、最終的に重要なのは『国語力』」
とおっしゃっていたことを思い出す。
周囲とのコミュニケーションの中で、
・重要なことをいかにインプットするか、
・そしてそれをいかに上手くアウトプットするか、
ということを表現したものと私は受け取った。
また、個人的に感じることは、グローバルの時代だからこそ、母国語の大切さと、自国を語ることができる知識を土台とした話題の重要さだ。
言語も人文の分野だと思うが、こうした能力も人文知を基礎とすることだから、国語力といい、人文知の高い方が今の時代だからこそ求められているのではないかと感じる。
リベラルアーツとは?
2045年頃には、シンギュラリティが到来すると言われている。
Gemini(Googleが開発した大規模言語モデルという種類のAI)にその意味を聞いてみた。
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人工知能(AI)が人間の知能を超え、自己学習や自己改良を繰り返すことによって、人間には想像もできないような知能を獲得する時点を指します。
本書では、AIがこの先の社会に与えるインパクトを4象限に分けて分析されている。
シンギュラリティが起きるか起きないかを、X軸で分類している。
それが楽観的か悲観的かを、Y軸で分類している。
シンギュラリティが起きるとしたとき、楽観的なものになるのか、悲観的なものなのかで、今は見解が分かれるということだ。
私は専門家でもなんでもないただの本好きであるが、これまで色々読んだり見聞きする情報を勘案し、個人的にはそれほど悲観的には感じていない。
なんだかんだ言っても、
・人間しかできないことがたくさんある!
・人間の強みは絶対にある!
と信じている。
その強み・優位性とはいったい何か?
それは、論理的に学んだ上で思考し、発想力や創造性を生み出すことだと思っているが、もう一つ重要なこととして、
『人と人をつなぐ』(理解して受容し、交流する)
ということがあると思う。
そして、そのためのコミュニケーションだと思っており、この一連が『ケア』と言われる領域だと私は考えている。
まとめると、
・考え、生み出すこと
・人をつなぎ、ケアすること
が人間の優位性であり、AIがおそらくできないことだと考えている。
ただし、これらをAIが補助する、そのためのツールとなるということは、大いにあると思っている。
では、こうした人間の優位性をどう育み、鍛えるか?
それが、哲学・倫理・歴史といった人文知ではないだろうかと、私は本書を通して感じることができた。
さて、本項目の問いに戻ると、
この人間の優位性を育むことがリベラルアーツなのか?
という点に私は突き当たる。
現時点における、リベラルアーツへの私の理解を平たく言うならば、
「人間らしさを身につけるための学び」
だと考えている。
言い換えれば、
「人間が人間として存立するための基礎」
とでもできるだろうか。
だとすれば人文は、イコールかどうかはさておいて、少なくともリベラルアーツの "一部には入り得る” ものだろうと感じた。
むすびに
〈本質〉で書いた人文学というものをあらゆる角度から見つめることで、結果的に人文学というものを見出していくという方法・考え方は、まさに人文学的手法そのものだと気付かされた。
そのとき私は、人文学というもの奥深さと、本書の仕掛け(真の意図)を感じた気がして、鳥肌がたった。
本書はちょっと難しかったけど、深い知見を与えてくれる、久々にシビれる一冊となりました!
まだまだ書きたいことがありますが、字数がかなり多くなってしまったので、また別の機会に本書を引き合いに出していきたいなぁと思っています。
本当に楽しかった♫
本日も、ご覧いただきありがとうございました!!
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