かろ(ペーパー学芸員)

Tomohiko Kato|現状資格を持っているだけのペーパー学芸員。主に美術展の感想文を書いてます。病み上がり。

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    • プロフィール

       少し前に、相手の損になりかねない「誤解」のされ方をされていたりしたので、ちゃんとしたプロフィールを作成することにしました。  ご参考までに…。 概要Tomohiko Kato / かろ  1983年11月27日茨城県生まれ、神奈川県出身。  もともと美術は好きでしたが、2019年頃より本格的に美術の勉強を始め、美術展の感想を「感想文」として、Instagramに投稿するようになりました。客観的な情報を収集しつつも、自分が作品・展覧会から何を学び、何を感じたかといった、

      • こっちのせりふ

         今年だけで6度の入院をし、3度の手術を受けた。  本日はそんな6度目の退院日。今回に関する病気2件に関して通院した数、検査を受けた数も含めると、かなりの日数、回数を費やしたことになる。

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          大磯町郷土資料館

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          ホリグチシンゴ「POLY-viewpoints」(obi gallery)

          ホリグチシンゴ「POLY-viewpoints」(obi gallery) 私がホリグチさんの個展を、有楽町にあったtagboatで見たのが確か3年ぐらい前の話。それから3年、展覧会に行けずともInstagramでその動向は見ていたのですが、まず作風の変化に驚きました。  ホリグチさんの描く画面は完全な抽象画ではなく、実際にそういう形・色の模型を組み合わせたもの。それを写真撮影・加工したうえで、再び実際のカンバスに置き換えるという作業を行っております。特に今回は2種類のわず

          ホリグチシンゴ「POLY-viewpoints」(obi gallery)

          「加山又造と大磯」(大磯町郷土資料館)

           戦後日本画の代表的人物の一人である加山又造が晩年、大磯に在住・活動していたことにちなんだ企画展。  絵画展というよりは資料展に近い内容ですが、彼の興味深い部分を色々と垣間見ることのできた展示でした。たとえば長男・哲也の出生をきっかけに、端午の節句の調度品として描いた《鍾馗像》(1954)ですが、当時の日本画壇ではこのような「調度品」を描くこと自体が純粋芸術を目指す「画家」の仕事ではない、「職人」の仕事として敬遠されていたとのこと。  加山自身も当初そういう認識だったらし

          「加山又造と大磯」(大磯町郷土資料館)

          うどん弁当

           前回、自分なりの脂質制限食についてまとめてからおよそ1ヶ月。  ありがたいことに良さげな反響をいただきつつ、引き続き商品の裏側を睨みながら買い物をする毎日です。  基本的に1ヶ月前とベースとなる食事はそんなに変わっていませんが、普段と違うお店のフランスパンを買ってみたり、ダイエットしていた頃にお世話になったレトルト食品なんかにも目を向けてみたり…できる範囲で試行錯誤を続けております。  そんななか、ラーメン屋さん監修の「まぜ麺の素」が1食あたり脂質6-7g程度であること

          「光と影の絵師 小林清親展」(川崎浮世絵ギャラリー)

           前々から小林清親のすごさは知っていましたが、意外に回顧展という形で見たのは初めてだったかも。  清親と言えば光と影を効果的に組み合わせた「光線画」。  「光線」と言っても彼の描く光は鮮烈なレーザービームではなく、もっとほのかで暖かな、人を癒やすオーラのような光。多くの作品で、下から3/7の位置に設定された水平線・地平線、広めに設定された青空には安心感があります(ただし視線の高さによって、作品の印象が変わる可能性がありそうです。あくまでも身長175.5cmの高さから見た印象

          「光と影の絵師 小林清親展」(川崎浮世絵ギャラリー)

          【メモ】採点方法について

           先日キングオブコント2024が開催され、ラブレターズが優勝した。  個人的な好みとしてラブレターズが優勝してくれたのは嬉しかった一方、確かに採点が難しい大会だったなと思う。過去の大会と比較しても致命的に「スベっている」ものが一つもない一方、投票制であれば誰かに満票が入るような「圧勝」という感じでもなかった。客観的な出来不出来の差が少なく、点差がつきにくかったのもやむを得なかったのかなと思う(キングオブコント特有の、準決勝2ネタのルールが決勝進出グループの安定感を高めるいっ

          【メモ】採点方法について

          「大正・昭和のモダニスト 蕗谷虹児」(平塚市美術館)

           蕗谷虹児は大正~昭和にかけて活躍した挿絵画家。日本画出身ですが、同時代に活躍した竹久夢二と比較してもよりカトゥーンなテイストを体現。 しかし夢二と同様、挿絵画家で終わることをよしとせず、1925年よりフランスに渡り、展覧会入選・個展開催等の実績を残します。しかし家族を支えるために結局4年で帰国、再び挿絵画家に専念することとなります。戦中には軍機・軍人なども描き、戦後は少女雑誌でのオーダーが減ったことを受けて絵本画家に転向し、アニメ原画を担当するなど、世間のニーズ・風潮を受け

          「大正・昭和のモダニスト 蕗谷虹児」(平塚市美術館)

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          「中勘助 平塚居住一〇〇年記念 中勘助の小宇宙ー「銀の匙」と「しづかな流」」(平塚市美術館)

          「中勘助 平塚居住一〇〇年記念 中勘助の小宇宙ー「銀の匙」と「しづかな流」」(平塚市美術館)

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          「柳原良平 ごきげんな船旅」(茅ヶ崎市美術館)

           酒好きでなくてもなんとなく知っている、トリスウイスキーの「あいつ」(正式名称:アンクルトリス)でおなじみの柳原良平。そんなトリスに代表される広告イラストレーターとして活躍する一方、筋金入りの船舶好きでもあり、2015年に亡くなる直前まで船舶を題材とした絵画展を開催し続けた画家でもありました。  前半はそんな柳原のイラストレーターとしての顔から。  柳原は京都市立美術大学(現在の京都市立芸術大学)を1954年に卒業後、寿屋(現サントリー)に入社。アンクルトリスに切り絵を使う

          「柳原良平 ごきげんな船旅」(茅ヶ崎市美術館)

          「グリード:Vol.1 狎鴎亭ロデオ」(CREATIVE SPACE HAYASHI)

           グリード(Greeeeed)は韓国のアーティスト。韓国では著名ブランドとのコラボレーションなどで既に知られた存在であり、今回は日本初の個展となります。  本展のタイトルである「狎鴎亭(アックジョン)ロデオ」はソウル江南にあるファッションストリート。そこに集うおしゃれな人々をGreeeeedは取材し、そして一つの人物画として描くのですが、ひときわ目を引いたのが彼らの顔が皆一様に、4つのドットと2つのラインのみで表現されていること。日本の浮世絵でも着物などのファッション表現を

          「グリード:Vol.1 狎鴎亭ロデオ」(CREATIVE SPACE HAYASHI)

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          【おまけ】「連続テレビ小説『虎に翼』体感ミュージアム」(NHK横浜放送局)

          【おまけ】「連続テレビ小説『虎に翼』体感ミュージアム」(NHK横浜放送局)

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          「南条嘉毅|地中の渦」(KAAT神奈川芸術劇場)

           薄暗い会場、その中心に設置されたのは三つのスクリーン。  中央には幕越しに星を模した電灯が輝き、そして左右には自然、横浜の風景映像、そして大崎清夏さん(詩人)によるテキストがリフレイン。バックには波の音、そして阿部海太郎さん(蜷川シェイクスピア、『碁盤斬り』などの作曲家)によるアンビエントミュージックが流れます。  確かに心地よさを感じたものの、この時点では「芸術としては普通かな…」と思ってしまったのも事実。しかし、左右のスクリーンがゆっくり暗くなったかと思いきや、今度

          「南条嘉毅|地中の渦」(KAAT神奈川芸術劇場)