むかし好きだったあの人を探してしまう
好きなエッセイに出会うと、その度に思い出す人がいる。文芸誌で、雑誌で、noteで、胸をきゅーっと締め付けられる文章に出会う度に「あの人かもしれない」と思って、ドキドキしながら書いた人のことを調べてしまう。その人だったことはないのだけれど、もうずっとずっと、あの人を探してしまう。
その人は、わたしより4つ上くらいの東京に住むお姉さんだった。当時わたしは田舎の高校生で、その人は都内の大学に通っていた。文学部だった。そうプロフィール欄に書いていた。わたしはその人に会ったことがない