短き書評:梅原猛『日本人の「あの世」観』中公文庫。冒頭一章は日文研創立期のイベント基調講演を文字起こししたもので、著者の最高傑作の一つと私は思ふ。同時講演のレヴィ・ストロースやドナルド・キーンに対抗する必要から普段の梅原文にある冗長さや勇み足がなく、スツキリ簡潔にまとまってゐる。
短き書評Ⅱ:梅原猛『日本人の「あの世」観』中公文庫。今回短く書評を書くため表題同題の冒頭と「甦る縄文」二章を熟読した。結果、梅原猛最大の功績の一つは「柳田國男の山人論」と「岡本太郎の縄文美発見」を結びつけ<山人≒縄文人>といふ位置付けをしたことではないかと、私なりの整理に至つた。