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右でも左でもなく、善でも悪でもない一庶民。本を出すことが夢の書店員。愛書家&プロレスマニア。本屋業界、スポーツ、政治等に関するコラムを毎日更新。書評も有。「読む」と「書く」で己と読者を昨日よりも幸せに!https://bookmeter.com/users/49241

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  • 雑文エッセイ日記コラムプロレス諸々

    その名の通りです。

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    ハードボイルドな書店員が綴る、本屋が舞台の掌編小説(フィクションです)。いつか紙の本で書籍化したい。毎週日曜日に更新。

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私小説「私が『ハードボイルド書店員』になるまで」前編

20××年3月中旬。休日の午前中。部屋で携帯電話が鳴った。 「○○くん? 店長のYです」「おつかれさまです」「職探しは進んでる?」「ええ、今度×××書店と面接を」「ちょっと状況が変わってさ。まだウチで働く気、ある?」「えっ」「雑誌担当がひとり、来月で辞めることになってね。急な話なんだけど、よかったらどうかと思って」「……」 Hさんの顔が頭に浮かんだ。数週間前にいつもの飲み屋で交わした会話も。「俺、また調査役から『雑誌やらない?』って誘われたんだよね」「またですか。もう引き受

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    • 「面倒臭い書店員」は、どうしてもエル・デスペラードを推したい

      おかえりなさいませ。 毎年12月に発表される「プロレス大賞」。今年のMVPはエル・デスペラード選手ではないかと期待しています。 本命視されているのは、プロレスリング・ノアの清宮海斗選手でしょう。新ユニット「ALL REBELLION」を結成し、GHCヘビー級王者として団体を引っ張ってきました。 一方のデスペラード選手は現在無冠。さらに左ヒザ半月板の手術で4か月欠場しています。それでも推したい。どうしても。 清宮選手が選ばれても不満はありません。むしろ順当です。ただ春先

      • 「裏金への課税」&「財源は○○」

        東日本大震災や能登半島地震の復興のために、約14億円を自民党から寄付。それ自体は素晴らしいと思います。 一方で、お金の出所が気になる。党に責任があるのは事実ですが、裏金議員たちが相応の額を出すのかどうか。その辺りを明確にしていただけたら。 納めるべきものをしっかり納めてもらう。まずそこです。倍額を寄付すれば帳消しという話ではないので。 いまさらですが↓を読みました。 政治活動の費用であれば、収支報告書に記載のない政治家個人の所得とみなされるお金であっても非課税になる。

        • 「前後裁断」と「これ以上はやらない」の共存

          あれは1994年の秋。 巨人が西武を破り、日本一に輝いた直後のことです。広島ファンの先生が授業前に「来シーズン、巨人は優勝しない」と予言しました。理由は「日本シリーズで酷使された桑田が不調に陥るから」というもの。 広島の佐々岡投手、ヤクルトの岡林投手といった直近の事例を挙げて説明されたので「なるほど」と納得したのを覚えています。数学教師らしいロジカルな分析でした(ちなみに95年の桑田投手は5月の試合でフライ捕球時にひじを負傷し、シーズンを棒に振っています)。 阪神タイガ

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        私小説「私が『ハードボイルド書店員』になるまで」前編

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          ジュンク堂書店から学んだ「○○」の活用法

          少し前に↓を書きました。 プルースト「失われた時を求めて」(岩波文庫)11巻を買うために「ジュンク堂書店・大泉学園店」へ足を運んだのですが、面白いことに気づきました。従業員の名札に担当する棚の名前が記されていたのです。「コミック」とか「文庫」とか。 ジュンク堂さんは昔からそうなのでしょうか? もしくは最近始めたのか。もし前者だったら、同書店をずっと愛用しているのに気づかなかったことになります。お恥ずかしい。ご存知の方はぜひ教えてください。 いいなあと思いました。お客さん

          ジュンク堂書店から学んだ「○○」の活用法

          イチ書店員が「2024新語・流行語大賞」ノミネート30語に思うこと

          「2024ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が発表されました。 元ネタのわかるものが年々減ってきました。テレビやドラマをほとんど見ないせいでしょうか。あと「カスハラ」は、けっこう前から普通に使われているような。今年になって頻度が上がったとか?  本屋関係で何かあっても良い気がしました(流行らせたいわけではないけど)。「書店支援」とか。まあまあニュースで取り上げられたし。 一方で「コンビニ富士山」みたいに、このノミネートのおかげで知ることができて勉強になったも

          イチ書店員が「2024新語・流行語大賞」ノミネート30語に思うこと

          ハードボイルド書店員日記【212】

          朝礼が変わった。 入荷のない休配の土曜、日曜そして祝日は、従業員がオススメの本を紹介することになった。持ち時間は5分で質疑応答も可。異動してきた正社員のアイデアである。ビブリオバトルの経験者らしい。 「あれ、どう思います?」 平日の午前中。年末年始に備え、カウンターでひたすらカバーを折る。隣に入った雑誌担当に声を掛けられた。 「あれ?」 「朝礼の」 「ああ」 彼は次の土曜の担当である。 「べつに紹介したい本とかないんですけど」 「コミックや雑誌でもOKらしい」 「うーん、

          ハードボイルド書店員日記【212】

          「読書会の思い出」&「人生に疲れている人へオススメの一冊」

          大学時代、同じ国際交流サークルのメンバーから一枚のチラシを渡されました。記されていたのはこんな文言。 「読書会をやりましょう!」 スケジュールは不定期ですが、土曜の午後というのは決まっていました。場所はカフェテラス。参加者は彼と彼の友人、そして私の三人。 第一回は彼が選書しました。課題図書は夏目漱石「こころ」です。 細かいやり取りは忘れました。でも「この本の題は『こころ』じゃなければいけなかった」と熱っぽく語る彼の姿が脳裏に焼き付いています。利害や打算、一般常識、ある

          「読書会の思い出」&「人生に疲れている人へオススメの一冊」

          「原口選手のFA」と「メットライフドームの思い出」

          阪神ファンです。 4番打者・大山悠輔選手のFAに関しては、シンプルに行かないでほしい。ただ代打の切り札・原口文仁選手に対してはもう少し複雑です。 もちろん残留してくれたら嬉しい。ここぞという時の一振りに何度も救われたし、ベンチで若手に声を掛け、励ます姿をよく目にしました。チームに欠かせぬ重鎮です。 一方、もっとスタメンで使ってくれる球団へ移って輝いてほしいという気持ちも否定できません。パリーグならDHもあるし、間違いなく出場機会は増えるはず。いまは内野手登録ですが、いざ

          「原口選手のFA」と「メットライフドームの思い出」

          「最大3000円分のポイント還元」vs「紙の24円券」という妄想

          12月11日から始まります。 対象となるQRコード決済は「au PAY」「d払い」「PayPay」「楽天ペイ」の4種類。それぞれで最大3000円分のポイントを還元するようです。 実施期間は12月11日0時~27日23時59分。還元額が予算額に達する見込みとなった場合は早期終了するとのこと。 繁忙期ゆえ、私の職場でも反響は大きそう。ご存知の通り本は利益率の低い商材(約20%)。キャッシュレス決済の手数料が痛い。大きな声では言えないけど、いちばんありがたいのは現金払いです。

          「最大3000円分のポイント還元」vs「紙の24円券」という妄想

          本屋と本と「都営三田線」の話

          11月15日、東京都文京区・千石に旅と暮らしの本屋「アンダンテ」がオープンします。定休日は水曜日で、営業時間は10:00 - 20:00とのこと。 ↑によると「旅/衣/食/住/遊(趣味、文学、絵本など)/推(新刊・話題書)」という6つの棚があるようです。いわゆる独立系書店として捉えるなら最初の5つは納得。最後の「推」にメッセージを感じました。流行や売れ筋を殊更に避けてはいませんよと。気軽に行けそうですね。 ちなみに選書は「産業編集センター」出版部の編集者が担当しているとの

          本屋と本と「都営三田線」の話

          ハードボイルド書店員の「SANADA=○○○」論

          「自分は地元と子どもが好きなんです。あと動物も好きで」 「中途半端な大人が一番嫌いなんですよね」 仲間を裏切ったSANADA選手のコメントです。 冨樫義博「幽☆遊☆白書」で、いや人生を通じて最も共感するキャラクターのひとりである仙水忍のセリフを思い出しました。 「オレは花も木も虫も動物も好きなんだよ」 「嫌いなのは人間だけだ」 彼もいわゆる「正義の味方」である霊界探偵から闇落ちを果たした存在。幽助との死闘に敗れた後では、こんなことも語っています。 「世の中に善と悪が

          ハードボイルド書店員の「SANADA=○○○」論

          「若者の自信」&「年長者の矜持」

          民放の連続ドラマは「アンナチュラル」以降ほぼ見ていません。でもこれは気になります。司法試験こそ目指していませんでしたが、一応は法学部卒なので。 ウィキペディアによると、主人公は「新人弁護士。高校3年生で司法試験に一発合格。ゲームが好き。ゲームのように法廷闘争に立ち向かう」とのこと。絵に描いたような天才肌です。 あるいは「ゲーム」がキーワードのひとつなのでしょうか。 思い出すのは棋士の羽生善治さん。若い頃にインタビューで「将棋はゲーム」と話していました。たしか90年代の前

          「若者の自信」&「年長者の矜持」

          ハードボイルド書店員日記【211】

          「すいません、この本はありますか?」 だいぶ肌寒くなった平日の昼下がり。語学書の品出しをしていると、年配の女性に声を掛けられた。白い正方形の紙片に「それでも選挙に行く理由 白水社」と記されている。紅白歌合戦の常連がカラオケでワンフレーズだけ歌ったような筆跡だ。 「ございます」 「え、あるんですか?」 縁なし眼鏡の奥の瞳がサイズを増した。調べずに断言したのが意外だったのか、置いていることを期待していなかったのか。あるのだ。理由はふたつ。ひとつめは私が総選挙の前に仕入れたから

          ハードボイルド書店員日記【211】

          「失われた時を求めて」を巡る冒険⑪

          ↓を読了しました。 アルベルチーヌと結婚すると宣言し、同居を始めた途端に「もう愛していない」と言い出す。やがて探偵みたいな猜疑心で倍加させた裏切りのイメージに苛まれ、苦しむなかで「愛している」と翻す。 かつてスワンとオデットの関係性が綴られた際も「手に入らないからこそ燃える」という趣旨の描写が何度となく見られました。あとは想像(多分に妄想を含む)の価値。実際に知り合い、話をして距離を縮めることを強く求める反面、いざそうなると期待を裏切られて冷めるみたいな。 わからなくも

          「失われた時を求めて」を巡る冒険⑪

          「全身全霊でぶつかる」生き方を教えてくれた人

          思い出すのは2005年4月。 プロレスリング・ノアの日本武道館大会です。 メインは、3月に小橋建太選手からGHCヘビー級王座を奪った力皇猛選手の初防衛戦。その相手が齋藤彰俊選手でした。 難しいシチュエーションです。圧倒的な支持を集めていた前王者とどうしても比べられる。ましてやセミファイナルで小橋選手が天龍源一郎選手とぶつかり、強烈なチョップで胸板を切り裂く大熱闘を見せていました。 一度ピークを迎えた客席を再び盛り上げる。そんな難題をキャリア5年の新王者に求めるのは。。

          「全身全霊でぶつかる」生き方を教えてくれた人