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#歴史小説が好き

歴史小説への愛や、好きな作品・作家を語ってください!

急上昇の記事一覧

書下ろし長編『日根野の王』Amazon Kindleで発売スタート!【歴史小説】

見ていただいているみなさま、本当にありがとうございます。 大純はるはこの度、Amazon KIndleでオリジナル歴史小説を発売いたしました! その名も『日根野の王』! なんと今までに完全未発表の、書下ろし長編となっております。 大阪府民の方、中でも阪和線ユーザーの方は、ピンと来られるかもしれません。 そう、あの快速切り離し駅「日根野」が舞台です。 時代は(もちろん)室町末期、戦国初頭。 歴史ものではありますが、伝奇ロマンの要素もたっぷり含んでいます。 ロマンホラー! 深紅

『【歴史小説】天昇る火柱 第一部 古市風雲編 全12話+付録』、好評発売中!【ちゃっかり宣伝】

いつも見ていただいているみなさま、本当にありがとうございます。 大純はるは、note上のマガジンの形で、オリジナル歴史小説を発売しております! 普段(ありがたいことに)みなさまからいただける、嬉しいコメントを読ませていただくと、 とにもかくにも、この時代どマイナーなんだな… ニッチな宿命を背負ってるんだな… と改めて感じてしまいますが、今やDISH//がテーマソングを歌う「逃げ若ブーム」の時代です。 もうここまで来たら、自分の信じる道を貫くしかない気がしてきます(ワンパターン

短編小説 神屋宗湛 - 砂浜に町を描いた男 - (5)了

高札場の砂塵  背振山地の山間から午前中の陽が博多を照らす。  山から降りてくる風と海からそよいでくる風とが町に張られた縄を揺らしていた。  町割りがはじまった博多は俄かに騒がしくなり、近隣からも様子見ついでに普請に加わる者達も日増しにふえて賑わいはさらなる様相を呈していた。  島井宗室は、普請で喧しい様子を高札場のそばで眺めつつ、 「成ったな。町割り」と、呟きながら着衣の砂埃を払う。  宗湛は汗を拭い、 「徳さんは気が早い。何事もこれからです」  と、言葉を返すも、 「

今さらですが、『戦国武将列伝8 畿内編下』読了。 ~大純はるのメンバーシップ【白鳩会】「今さら図書館 小説書き方掲示板」より

今さらですが、『戦国武将列伝8 畿内編下』読了。 感じたのは、足利体制を克服して新しい時代を切り拓こうとしていたのは、実は三好氏だったということ。 織田信長は、そもそも足利将軍家の再興者として、「逆賊」三好を倒すために現れる。 やはり惜しむらくは、三好氏の人材の相次ぐ死。 実休、一存、冬康、義興。 そのうちの一人だけでも生き残っていれば、足利義輝を倒したあとに、安定的な支配を打ち立てられたのかもしれないが… 誰もいなくなった結果、三人衆と松永久秀の対立という、どうしよう

JW689 がんばろう玉杵名

【景行征西編】エピソード60 がんばろう玉杵名 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)5月。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。 ここは、熊本県玉名市の立願寺に鎮座する、疋野神社。 解説を終えた一行に「シロ」は、退治するべき土蜘蛛がいると語るのであった。  シロ「その名を津頬という。」  百足「では『ツラ』と呼

JW690 亀との遭遇

【景行征西編】エピソード61 亀との遭遇 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)6月3日。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、土蜘蛛の津頬を討ち取った。 そして、天照大神(以下、アマ)に感謝し、玉名大神宮を建てることになった。 地元の豪族、中尾玉守(以下、中尾)も加わり、一行は、祭神について解説するのであったが・・・。  えっさん「それだけではありません。大王も祀られておりますぅ。」  シロ「我もか?」  リ

秋の夜長は歴史小説に浸りたい📗冬がくるまでに積読本をどごまで読破できるだろうか?!

積読のクセがなかなか治らない。 いったい積読本が何冊あるのだろうか? 本を買ったけど……、 読まずに部屋の隅に積んである。 もっと成長してから読もうと、そのまま本棚の飾りになったものもある。 ひどいのは、同じ本をまた買ってしまったことだってある。 最近では、本を買うことは減ったけど、積読のクセは顕在だ。つい最近もやってしまった。 また積読本になってしまう?!今回のきっかけは、新聞の新刊紹介で目に止まったこの記事。 佐藤厳太郎 著「控えよ 小十郎」。 日本の戦国時代を舞

【考察:国際情勢】ロシア人思想家「フランスで人権宣言が出されて、それを合衆国憲法に取り入れて、そのアメリカが日本国憲法を創ったから日本では民主主義が良いことだと認められているのです」

──『手をくれ、手遅れ、何か手をくれ』── ☆☆☆  2024年3月18日(月)。21時31分。 ☆☆☆  国際政治に詳しいわけでも何でもありません。本日の報道1930を見てのタイトルの並びとなっております。 ☆☆☆  タイトルと冒頭言で書くことが終わったような気がする。タイトルと関係のない話が続きそうな気がするがご容赦願います。  こんにちは。井上和音です。  熊本国府高校が甲子園で初勝利を上げました。vs.近江高校。超強豪相手にタイブレークまで持ち込み勝ちました

バイデンになってから、コロナは流行るし、北朝鮮はミサイル発射再開するし(当時は発射しただけでNHKが臨時ニュースを出していました)、ロシアは侵攻するし、イスラエルはアラブを殲滅に掛かるし。何がいけないってバイデンは何一つ終わらせることなく権力を失いました。トランプ、尻拭い頑張れ。

JW687 魚の名は

【景行征西編】エピソード58 魚の名は 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)5月。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。 ここは、熊本県長洲町の腹赤にある、深田浦という池。 御腰の石に坐る「シロ」に、漁夫の朝勝見(以下、かつみ)が、魚を献上したのであったが・・・。  百足「鱒に似ておりまするな。」  モロキ「海

JW686 高来県を治めて

【景行征西編】エピソード57 高来県を治めて 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)5月。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。 ここは、島原半島。 島か、陸か、確認をするため、宿禰(大王の警護役)の神大野(以下、ワオン)は、海を渡り、山の神、高来津座(以下、クック)に遭遇したのであった。  クック「ここは、神代直

古市澄胤、京都へゆく【歴史小説・天昇る火柱スピンオフ】

 この小説は、拙著「天昇る火柱」第一部に登場した奈良の僧侶武将、古市澄胤の上洛行を描いた小話です。  本編主人公の赤沢新兵衛も登場します。  有料マガジン「天昇る火柱 第一部」の特典として収録しております(単品でも読んでいただけます)。  ぜひぜひ、ちょっととぼけた古市澄胤主従のおのぼりの様子を、お楽しみくださいませ!                               大純はる 本編   楠葉元次は、前触れもなくふらりと屋敷へ帰ってくる。  かと思うと、床板を

¥200

「真筆大和日記外題」を巡る冒険

大和日記は天誅組の実録です。 天誅組の中山忠光主従七人が、長州へ逃れる途中、船上で執筆されたと言われています。 土佐藩出身の土方久元・直行が編集した大和日記(以下、「土方版」と称します)には、こうあります。 右大和日記一巻ハ半田紋吉(門吉)ノ筆ナリ 君ラ諸士中山忠光朝臣ヲ奉ジ大和ヲ脱出シ大坂長州藩邸ニ入ル 幕吏之ヲ物色スルコト太急ナリ 乃チ潜ニ舩ニ乗シテ長州ニ奔ル 其舩中相謀リテ兵記ヲ作ル 君文ヲ善クスルノ故ヲ以テ其労ヲ執レリ ちなみにこのとき船上にいたメンバーは以下の

JW688 女石

【景行征西編】エピソード59 女石 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)5月。 ここは、長渚之浜。 二千年後の熊本県長洲町。 ここに、二人の女人が来訪していた。 大王の妃である、日向の御刀媛(以下、ハッカ)と、采女の「キャサリン」である。  ハッカ「御跡慕いて、参りましたが、大王は何処なのじゃ?」  キャサリン「どこにも見当たらないわね。」  するとそこに、男がやって来た。  男「あのう? 我は、朝勝見と申します。『かつ

【漫画】『源氏物語』ってどんな話? ー 源氏を苦しめた「女三の宮」というキャラクター

「『源氏物語』は「若菜」からー」と言ったのは、故・国文学者で歌人の折口信夫氏だそう。 『源氏物語』は第34帖「若菜」から第二部に入るわけですが…そこでは中年となった光源氏の人生の苦みや悲哀が色濃く描かれ、キーパーソンとして女三の宮という人物が登場します。 藤壺まで紹介した前回の記事から少し話がとんでしまうので(後でまた戻りたいと思っていますが)まずは「若菜」までの『源氏物語』のあらすじをざっくり確認いたしましょう。 『源氏物語』の第1部は、栄華の物語です。 葵の上や藤壺と

短編小説 神屋宗湛 - 砂浜に町を描いた男 - (4)

町割り、始まる  早速、町割が開始された。  快く晴れ渡る空の青が、水平線あたりでなだらかな海にとけあう。  穏やかな朝だった。  気候は暖かい。風は軽かった。 🎐  早々、博多に一本目の杭を打つ手筈である。  だが、それまでの町割り談義で火がついた宗湛ら町人勢と黒田官兵衛は、この後に及んで千代の松原の白浜で談義に興じていた。  砂に胡坐して腕を組むのは官兵衛である。 「やはり、真四角ではならぬか」  宗湛は慣れた手つきで砂浜に簡素な図を記し、官兵衛の問いに答えた。

萩を散策する

 波乱の衆院選の夜でした。  深夜に結果が気になって目を覚ましてしまうのは、老いでしょうか。  今回は与党に鉄槌が下されましたね。私は日本国を愛しているので、今の与党に信は置けません。  この萩において青年期を過ごし、血風吹きすさぶ街道を歩き、若くして横死した青年の爪の垢を呑ませてあげたいです。  萩も江戸の気風を残した街でした。  この菊谷横町は城下町の地割りのままで、美しい白壁と端正ななまこ壁が延々と続きます。「日本の道100選」に選出されているそうですね。  なまこ壁

JW684 火国造

【景行征西編】エピソード55 火国造 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)5月1日。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。 前回は、不知火現象について、解説がおこなわれたのであるが・・・。  シロ「では、不知火の解説も済んだゆえ、火国造を任命しようぞ。」  タケ「誰を任じるのじゃ?」  シロ「左様ですな・・・。

JW685 島か、陸か

【景行征西編】エピソード56 島か、陸か 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)5月。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。  シロ「して、我らは、何処に向かっておるのじゃ?」  ナッカ「船路を進んでるみたいっすね。」  野見「では、あちらに、停泊致しましょうぞ。」  小左「あちらというのが、熊本県宇城市の三角町

【無料記事】「流れぬ彗星/天昇る火柱」略年表&勢力図【歴史小説】

「流れぬ彗星」と「天昇る火柱」が、ともに第一部終了したのを機に、略年表と勢力図を作ってみました!  この二作。  描いている時期も一部重なっており、「あれこの時ってどうなってるんだっけ……」と(筆者でも)感じがち。  しかもやっぱり、どうにもメジャーじゃない時代。敵と味方が入り組んでややこしい……  そういったお悩みが少しでも解消すれば嬉しいです! 「流れぬ彗星/天昇る火柱」略年表〇=「流れぬ彗星」 ●=「天昇る火柱」の出来事 <前史> 1477 文明9年  畠山義就

JW682 姫浦で祀れ

【景行征西編】エピソード53 姫浦で祀れ 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)4月。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。 ところが、海上にて、嵐に遭遇してしまう。 ここで、オリジナルキャラの「キャサリン」が、海神の怒りを鎮めようと、荒れ狂う海に入水したのであった。  シロ「して、我らは、陸に辿り着いたのか?」 

【無料記事】「天昇る火柱 第一部」登場人物紹介!【歴史小説】

 この度、拙著「天昇る火柱」第一部が全12話で完結いたしました!  いつもたくさんのスキをいただいて、感激しております。  本当にありがとうございます。  この機会に、前作(というか並行作)「流れぬ彗星」と同じく「天昇る火柱」でも、主要登場人物一覧を作ってみました。  少しでも興味を持っていただけた方の、一助になれば幸いです!  ちなみにこの「天昇る火柱」ですが。 「田舎の学生が、親戚のツテを頼って上京し、将来を約束する彼女もできて、一流企業に就職したものの、そこは成果第

JW683 不知火

【景行征西編】エピソード54 不知火 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)5月1日。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。 ところが、船路の途次、夜を迎えてしまい、暗闇の中、一行は、途方に暮れる。 そんな時、遠くに火の光が見えたことで、ようやく岸に辿り着いたのであったが・・・。  地元民(に)「こぎゃん夜に、何し

JW681 御所浦にて

【景行征西編】エピソード52 御所浦にて 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)4月。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。 ところが、海上にて、嵐に遭遇してしまう。 高い波により、上陸を阻まれる一行であったが・・・。  シロ「して、陸に上がること、能うたのか?」  キャサリン「無事に辿り着けたみたいよ。」 

ニッポン発見!古事記入門

こんばんは! 今回は古事記。私が最も興味のあることの一つが、 「ニッポン人はどこから来たのか?」 そして 「日本の中でいつどのようにして天皇が王権を握っていったのか?」 ということです。 歴史ミステリーファンなら逃れる事の出来ないこの命題、奇想天外な神話にしてミステリーな歴史書、その変わった表記方法により、江戸中期の国学の巨人、本居宣長の登場まで闇に葬り去られていた謎の書「古事記」。 必ずやニッポン発見の入り口となるでしょう。

歴史に思いを馳せる読書の秋

どうも、積読消化を志したわりに爆買いをかまし、日々増え続ける積読に恐れ慄いている、私です。 10月に入ってから、メルカリ依存が止められずに、塩野七生氏の『ローマ人の物語』(単行本全15巻+別巻)を始めとする作品群を購入したり、池波正太郎氏の『剣客商売全集』(全9巻)を購入したりと、もはや積読祭り状態となっております。 やばい。マジでやばい。 と、言いつつ、まだ欲しい作品がありまくりでもうどうしようもない。誰か止めてくれ。 こりゃ〜もう読むしかないわ。片っ端から読んで読

【第一部・最終回】天昇る火柱(12)「勝利」【歴史小説】

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

ジャパンウォーズ マガジン紹介③

長く連載をつづけている、ジャパンウォーズですが、このあたりで、整理をかねて、マガジンを紹介させていただこうと思います。 第一部と第二部は、こちらから・・・。 今回は、第三部を紹介させていただきます。 ①垂仁天皇編。 JW472~541 第十一代天皇、垂仁天皇と家族や側近たちの物語です。 ②伊勢遷宮編。 JW542~578 第十一代天皇、垂仁天皇の皇女である、倭姫と仲間たちの物語です。 この章で、ようやく、伊勢神宮にたどり着きました。 ③垂仁経綸編。 JW579~6

JW680 つながれた伝承

【景行征西編】エピソード51 つながれた伝承 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)4月11日。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。 ここは、葦北の小島。 葦北とは、熊本県葦北郡のことで、水俣市や芦北町、津奈木町、八代市南部のあたりである。 そして、水を求める、小左とゲスト出演の「えっさん」は、神々に祈ることにし

神風が撃破した「元寇船」が海底で見つかったって知っていました? @國學院大學博物館

國學院大學博物館では、1274年と1281年に中国と韓国の連合軍が対馬〜壱岐〜博多に来襲した、「元寇」をテーマとした特別展『海底に眠るモンゴル襲来〜水中考古学の世界〜』を開催しています。半年くらい前から楽しみにしていた企画展だったので、さっそく行ってきました。 ※なお、誤字脱字が多いと思いますが、そのうち直しますのでご了承ください。 ■見つかった「元の沈没船」 鎌倉時代の「元寇」の「文永の役(1274年)」と「弘安の役(1281年)」といえば、高校あたりの日本史の授業に

蒼い月夜の死神 外伝 ー風佑と飛朗ー「秋の星々ー長ー」

 忍び仲間のおもよは、仕立てた包みを風佑と飛朗に渡した。 「喜んでくれるといいね」 「長襦袢?やるじゃない!」  姉弟子のお三音も、覗き込む。  忍びの鬼一、お壽美夫婦に世話になっている二人。  女性陣に背中を押され、お壽美の許へ向かう。 「嫌だよ、全く…」  お壽美は、照れながら二人を抱き締めた。 ー 完 ー ※応募時の140字書式に改行やルビ等を付け足し、noteで読みやすいよう若干変更を加えたものの投稿となります。 ほしおさなえ様「140字小説コンテ

蒼い月夜の死神 外伝 ーおもよと千郎太ー「秋の星々ー長ー」

 ほくほくの栗と、醤油の香り。  冷えた手を、御櫃の熱が包み込む。 「長屋に帰ったら、早速食べようね」  両親を辻斬りで失い、八歳から声を出していない千郎太が黙って頷く。 「さあ、お食べ」  おもよが彼を引き取り、数年…。  飯時に、いつも願う。 「これを食べたら、この子の声が聞けますように…」 ー 完 ー ※応募時の140字書式に改行やルビ等を付け足し、noteで読みやすいよう若干変更を加えたものの投稿となります。 ほしおさなえ様「140字小説コンテスト

蒼い月夜の死神 外伝 ーお三音ー「秋の星々ー長ー」

「元小間物屋の技術が光る、最高傑作よ!」  お三音は年上の弟弟子、風佑と飛朗に自作の吹き矢を渡した。  身寄りの無い三人は忍びの長の息子、鬼一に弟子入り。  手練れになった今も、二人はその吹き矢を使い続けた。  それは…年下の姉弟子への、感謝の意。 「世話が焼ける、弟弟子だよ…」  お三音は、笑った。 ー 完 ー ※応募時の140字書式に改行やルビ等を付け足し、noteで読みやすいよう若干変更を加えたものの投稿となります。 ほしおさなえ様「140字小説コンテ

御相伴衆~Escorts 第一章 第108話 皇帝暗殺編3~動乱の中で②

 一方、「御相伴衆」であり、数馬や慈朗より、ずっと前から、この皇宮にいた、先達の二人は、その日、大きく、それぞれの、その立場を、異にしていくことになる。 「何の騒ぎだ?」  その時、一の姫が、窓から、奥殿の方を見て、言った。 「桐藤・・・、火の手が・・・窓の外、庭の向こうで、お父様のいらっしゃるお部屋辺りで・・・」 「なんですって?!・・・急いで、姫、服をお召しください。逃げられるように、身支度を」  その時、激しく、ドアを叩く音がした。 「桐藤、開けて、大変だ」

まず「○○○○○」から始めませんか?

アマゾンで新刊の検索をしていて見つけました。 11月15日発売。今村さん、関係者の皆さま、ありがとうございます。年内に読めると信じていました。「幸村を討て」の文庫版も20日に出るので、11月は「今村マンス」になりそう。 528ページ。三部作のラストゆえ、これぐらいのボリュームは想定していました。ただ気になるのは、↑に「大旋風を巻き起こした侍バトルロワイヤル、最終巻目前!」と書かれていること。続きがある? それとも11月15日に最終巻が出る目前という意味なのか。 いずれに

JW679 天子の水

【景行征西編】エピソード50 天子の水 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)4月。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。 ここは、熊本県あさぎり町の深田西。 シロ「これが、湧水か・・・。」  たっちゃん「どれどれ・・・。ん? 美味い!」  リトル(7)「俺も飲むぅぅ!」  シロ「うむ。たしかに、美味い。」 

【歴史小説】天昇る火柱(11)「亡国」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

ジャパンウォーズ マガジン紹介②

長く連載をつづけている、ジャパンウォーズですが、このあたりで、整理をかねて、マガジンを紹介させていただこうと思います。 前回の第一部は、こちらから・・・。 では、第二部の紹介に入らせていただきます。 ①崇神即位編。 JW243~248 第十代天皇、崇神天皇と家族や側近たちの物語です。 ②疫病混乱編。 JW249~293 第十代天皇、崇神天皇と家族たちが、疫病に立ち向かう物語です。 前半の祭祀期と、後半の内乱期に分かれております。 ③丹波平定編。 JW294~317

短編小説 神屋宗湛 - 砂浜に町を描いた男 - (1)

白砂青松  白砂の浜に鳥の影が走った。  一羽が海へと飛び出し、続いてもう一羽の鳥が出でて後を追う。壮年の男がひとり、砂浜でその影を目にした。  一瞬で過ぎ去った影に翼らしきものを見る。はためく姿を想い描いて空を見上げた。  海の上には雲ひとつない青空が広がっている。見渡せば、空と海とを分かつ水平線のあたりに、時折交差しながら悠々と飛ぶ二羽の鳥の姿があった。 「あれか」  あの二羽が、先ほど海へ飛び出した影の正体に違いないと、男はひとりで納得する。二羽の鳥は空でやがて

JW678 狗留孫峡の戦い

【景行征西編】エピソード49 狗留孫峡の戦い 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)4月。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。 ここは、熊県。 二千年後の熊本県人吉市周辺。  シロ「さて、では、次に向かうか・・・。ここが、思案のしどころよ・・・。」  そこに、熊県を治める、兄熊がやって来た。  兄熊「大王! 

ジャパンウォーズ マガジン紹介①

長く連載をつづけている、ジャパンウォーズですが、このあたりで、整理をかねて、マガジンを紹介させていただこうと思います。 まずは、第一部から、紹介させていただきます。 ①神武東征編。 JW1~72 始まりの物語。初代天皇である、神武天皇の物語です。 長すぎるので、三つに分けております。 二本目のマガジンには、スピンオフである、高千穂編も含まれております。 ②綏靖天皇編。 JW73~89 第二代天皇、綏靖天皇と側近たちの物語です。 こちらには、スピンオフの阿蘇開拓編が

京極夏彦は歴史小説?

 四谷怪談が題材なのは歴史小説に入るのかな?  舞台は江戸時代だけどチャンバラはなくて妖怪仕掛けの巷説百物語は歴史小説に入るのかしら? #歴史小説が好き

JW677 熊県の熊津彦

【景行征西編】エピソード48 熊県の熊津彦 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)3月。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)は、還幸(天皇が帰宅すること)を開始した。 そして、一行は、夷守(宮崎県小林市細野の細野中学校周辺)にて、兄夷守(以下、エッヒ)と、弟夷守(以下、オトピ)の歓待を受ける。 そのとき、遠く離れた石瀬河(今の岩瀬川)の畔に、妙な集団が現れたのであった。  シロ「『エッヒ』『オトピ』! 見て参れっ。」 

西山ガラシャの歴史/時代小説

「おから猫」を読んで西山ガラシャという作家を知った。 すぐに他の作品も読みたくなり、2冊を一気に読了。 とても面白かったので、読書メモとして残すことにする。 「小説 日本博物館事始め」 「公方様のお通り抜け」 「小説 日本博物館事始め」 外務省で働いていた薩摩出身の町田久成がある出来事がきっかけで、外務省を追い出されて文部省へ移ることになった。 明治になって新政府は神道の国教化を推し進め、多くの寺が廃寺に追い込まれていた。それにより仏像を川に捨てたりと大変粗末に扱っていた

JW676 兄夷守と弟夷守

【景行征西編】エピソード47 兄夷守と弟夷守 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)3月。 ここは、筑紫(今の九州)の高屋宮。 二千年後の宮崎県宮崎市や西都市のあたり。 前回から、ちょうど一年が経とうとしていた頃、景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)は、一行に対し、ある宣言をおこなった。  シロ「・・・というわけで、帰るぞ!」  いっくん「長い滞在でしたねぇ?」  シロ「地元の豪族たちと誼を結ぶため、いろいろと廻っておっ

JW675 思邦歌

【景行征西編】エピソード46 思邦歌 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦87年、皇紀747年(景行天皇17)3月12日。 ここは、筑紫(今の九州)の高千穂国(今の宮崎県)。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、丹裳小野で遊んでいた。  ナッカ「場所については、諸説有るっす。詳細については、前回を参照してほしいっす。」  そのとき「シロ」が、東の方角を望みながら言った。  シロ「この国は、真っ直ぐに日の出る方に向いておるのう。」  ヤヌシ「そう

JW674 丹裳小野

【景行征西編】エピソード45 丹裳小野 第十二代天皇、景行天皇の御世。 西暦87年、皇紀747年(景行天皇17)3月12日。 ここは、筑紫(今の九州)の高千穂国(今の宮崎県)。 景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、あるところに行幸していた。  シロ「して、何処に参っておるのじゃ?」  リトル(6)「父上? 何処に向かうかも知らず、御幸なさってたか?」  シロ「う・・・うむ。」  リトル(6)「仕方ないなぁ。子湯県だ!」  シロ「して『リトル』

後白河法皇㉚

(ふむ……) 後白河法皇は考えた。(これで重衡が、義経に対抗するのは自分しかおらぬと思うておるのはわかった。また三種の神器が戻るなら、試してみる価値はあるであろうな) 「平家は屋島におるのだな?」後白河法皇は尋ねた。 「は、左様で」 「康信よ」 後白河法皇は命じた。「交渉に行かせるがよい。ただし重衡の郎党をじゃ」 「郎党を?」 こちらから重衡の価値を、平家に対し高く見せる必要はない。 「重衡が交渉せよと申すから話したまで。当方は重衡にそこまでの価値ありとは見て

読書の記録を年表に

これまでに読んできた歴史小説やノンフィクションを年表にまとめてみました。「完全なる趣味」です。 Excelの縦軸を時間に、横軸を国(主な舞台)にして、ブクログに記録してあった読了本をぽちぽちと入力しました(映像作品、絵本も含む)。 「時間」はできるだけ記載を確認しましたが、時代背景が明記されていない作品はだいたいのあたりで入力し、時間軸が行ったり来たりする作品は一番古い場面を、長期間にわたるものや伝記の場合は中心となる場面で入力しました。 これまでのところ自分が読んだ作

蒼い月夜の死神 外伝 ー鬼一とお壽美ー

「お前が、そう言ったんだろ?」 「違うね!言ったのは、お前さんの方さ!」 「何を、言ってるんだか…」 「何だい、その言い方は!」  年が明けた早朝の、料理茶屋「壽美屋」。  まだ店も開けていないと言うのに、客席の方が騒がしい。  二階から寝惚け眼で降りて来た使用人のお三音は、欠伸混じりで騒ぐ二人を見つめた。 「何事ですかぁ、旦那様も女将さんも…ふわぁーっ…こんなに寒いのに、火鉢の用意もしてないの?」  壽美屋の女将、お壽美は早口でまくし立てる。 「こちとら、