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JW693 阿蘇の神様

【景行征西編】エピソード64 阿蘇の神様


第十二代天皇、景行けいこう天皇てんのう御世みよ

西暦88年、皇紀こうき748年(景行天皇18)6月16日。

景行天皇こと、大足彦忍代別尊おおたらしひこおしろわけ・のみこと(以下、シロ)の一行は、還幸かんこう(天皇が帰宅すること)とめいって、筑紫ちくし(今の九州)の巡幸じゅんこう(天皇が各地をめぐること)をおこなっていた。

そして、阿蘇国あそ・のくに(今の熊本県阿蘇市あそし周辺)に到着したのであった。 

地図(阿蘇国)
筑紫行幸参加者名簿

たっちゃん「郊野こうやが遠く広がっておるが、人家じんかが見えぬのう。」 

シロ「この国に、人はおらぬのか?」 

するとそこに、二柱ふたはしらの神が、人の姿すがたとなって現れた。 

ワオン「何者なにものじゃ!?」 

女神めがみ「うちは、阿蘇都媛あそつひめっちゃ。エピソード85以来の登場やじ。」 

リトル(7)「エピソード85?」 

百足ももたり「エピソード85ともうされますと、二代目、綏靖すいぜい天皇てんのう御世みよにござりまするな。」 

女神めがみ阿蘇津媛あそつひめこと『あっちゃん』と言えば、わかる?」 

野見のみ「なんと! 阿蘇あそ開拓かいたくされた、健磐龍命たけいわたつ・のみことこと『たつお』様の奥方おくがたにござりまするな!?」 

リトル(7)「ええぇぇ!!」 

舟木ふなき「・・・となると、男神おがみほうは?」 

男神おがみ「その通りやじ。われが、阿蘇都彦あそつひこやじ。」 

舟木ふなき「ん? 『たつお』様ではありませぬのか?」 

男神おがみ仕方しかたなかねぇ。そっちのほうが、ええんやったら、そっちで呼んでも、いいじいいよ!」 

系図(たつお、あっちゃん)

シロ「さ・・・されど、お二人は、黄泉国よみのくにたびたれたはずでは?」 

たつお「やかいだから、神になっちょるんや。」 

小左おひだり「な・・・なるほど。」 

あっちゃん「じゃっどんでも、うちたち、二人がおるのに、なしてなぜ、人がおらんとか言うん?」 

シロ「さ・・・されど『日本書紀にほんしょき』では、そう書かれておるのです。いたかたないではありませぬか。」 

たつお「いっちゃが、いっちゃがいいよ、いいよ。『あっちゃん』の台詞セリフも『日本書紀にほんしょき』に書かれちょるんや。仕方しかたなか。」 

あっちゃん「とにもかくにも、このことから、阿蘇国あそ・のくにと呼ばれるようになったんやじ。」 

いっくん「ところで、今の阿蘇あそおさめてはるんは、誰なんです?」 

たつお「いい質問やじ。今の阿蘇あそおさめちょるんは・・・。」 

あっちゃん「うちたちのまご健渟美たけぬみっちゃ。」 

たつお「では、紹介するじ。健渟美たけぬみやじ。」 

健渟美たけぬみ「おはつにおにかかります。オル健渟美たけぬみばい。」 

あっちゃん「ちなみに、健渟美たけぬみは、彦御子ひこみことも、阿蘇惟人あそ・の・これひととも呼ばれております。」 

健渟美たけぬみほしてそしてオルは、エピソード86以来の登場ばい。」 

系図(健渟美)

ナッカ「でも、おかしくないっすか?」 

夏花なつはな「どういうことじゃ?」 

ナッカ「健渟美たけぬみ殿どのは、初代、神武じんむ天皇てんのう玄孫やしゃごっすよね? それに対して、大王おおきみは、御初代様の雲孫うんそん曾孫ひまごっすよ? 時の流れが、おかしくなってませんか?」 

系図(参照)

シロ「そのようなこと、この物語では、よくあることではないか・・・。」 

たつお「心配せんでも、いいじいいよわれは、御初代様の皇子みこ神八井耳命かんやいみみ・のみことこと『カンヤ』の息子とも、雲孫うんそん曾孫ひまごとも言われちょるんや。やかいだから、気にせんでも、ええんや。」 

タケ「ところで、今の阿蘇あそおさめておるのが、健渟美たけぬみ殿どのということは、いましの父、速瓶玉はやみかたまこと『パヤオ』殿どのは、黄泉よみたびたれたと?」 

系図(パヤオ)

健渟美たけぬみ「そういうことになるばい。」 

たつお「ついに『パヤオ』もたびったんやなぁ・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

シロ「そうか・・・『パヤオ』殿どのが・・・。では、健渟美たけぬみよ。『パヤオ』殿を顕彰けんしょうし、やしろを建てるが良い。」 

あっちゃん「これが、エピソード86で紹介された、国造こくぞう神社じんじゃになるんやじ。」 

国造神社(鳥居)
国造神社(拝殿)

健渟美たけぬみやしろを建て、祭典さいてんととのえたとです。」 

おやた「詳細は、エピソード86にて、御確認くだされ。」 

つづく


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