JW692 鍋のような田
【景行征西編】エピソード63 鍋のような田
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)6月。
景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。
ここは、大宮神社。
二千年後の熊本県山鹿市の山鹿。
「シロ」は、地元住民の「マリア」と「パウロ」から、八頭の大亀を討って欲しいと頼まれたのであった。
シロ「・・・ということで、まずは、神に祈ろうぞ。」
えっさん「戦勝祈願にあらしゃいますな?」
シロ「その通りじゃ。」
夏花「こうして、神に祈った地は、社となりもうした。」
ワオン「吉田八幡宮にござる。」
ルフィ「キキキッ。」
タケ「ふむ・・・。熊本県山鹿市の下吉田が鎮座地であると申しておるぞ。」
リトル(7)「そこが、父上が祈りを捧げた地なのですね?」
タケ「そういうことになるのう。」
シロ「では、討伐に参ろうぞ。『パウロ』? 八頭の大亀は何処におるのじゃ?」
パウロ「茂賀の浦の鍋田に住んでいます。」
ナッカ「茂賀の浦? 海から遠い山鹿市に、なんで、そんな地名が有るんすか?」
マリア「実は・・・四万年前まで、茂賀の浦っていう湖があったのよ。」
ナッカ「湖? でも、俺たちの御世には、そんなモノ、見当たらないっすよ?」
パウロ「弥生時代には、水が引き始めていたみたいですね。でも、そういう土地って、良質な土地で、稲作に適してるんですよね。」
舟木「なるほど・・・。水が引いた湖の地・・・。それゆえ、鍋田なのじゃな?」
パウロ「そういうことです。」
リトル(7)「ん? どういうことだ?」
おやた「皇子? 湖から、水が無くなれば、鍋のような形になると思いませぬか?」
リトル(7)「鍋・・・。なるほど! 鍋のようなところに田圃を作ったゆえ、鍋田なのだな?」
おやた「そういうことにござる。」
シロ「して、そこを根城にしておるのじゃな?」
マリア「そういうことです。ちなみに、山鹿市鍋田として、地名が残ってるのよ。」
こうして、一行は、大亀を退治することとなった。
大亀「紙面の都合で、出てきてやったぞ。」×8
モロキ「おお! 腕がなるっ。覚悟ぉぉぉ!」
ザシュ
大亀「毎回、思うんだけどさ・・・このやり取りって、必要なの?・・・グフッ。」×8
パウロ「やった! 大亀を倒したぞ!」
マリア「ありがとうございます。」
シロ「良い良い・・・。民を救うは、当たり前のことじゃ。」
パウロ「では、続いて、震岳の上吉田に参りましょう。」
野見「ん? 『パウロ』殿? それは、どういうことで?」
マリア「そこにも、賊がいるのよ。ちなみに、同じ山鹿市内なのよ。」
シロ「では、これも討とうぞ。」
賊徒「そういうことで、出てきてやったぞ!」
小左「では、覚悟ぉぉ!」
ザシュ
賊徒「ホント・・・このやり取り必要なの?・・・グフッ。」
パウロ「大王! ありがとうございます!」
シロ「良い良い・・・。では、次の伝承地に向おうぞ。」
いっくん「次は、何処に行くんです?」
シロ「阿蘇じゃ。」
もち「おお! もう、そんげなところまで来ちょったんですね。」
そして、西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)6月16日、一行は、阿蘇に至った。
たっちゃん「郊野が遠く広がっておるが、人家が見えぬのう。」
シロ「この国に、人はおらぬのか?」
するとそこに、二柱の神が、人の姿となって現れた。
ワオン「何者じゃ!?」
一体、何者であろうか?
次回につづく
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