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今さらですが、『戦国武将列伝8 畿内編下』読了。 ~大純はるのメンバーシップ【白鳩会】「今さら図書館 小説書き方掲示板」より

今さらですが、『戦国武将列伝8 畿内編下』読了。

感じたのは、足利体制を克服して新しい時代を切り拓こうとしていたのは、実は三好氏だったということ。

織田信長は、そもそも足利将軍家の再興者として、「逆賊」三好を倒すために現れる。

やはり惜しむらくは、三好氏の人材の相次ぐ死。
実休、一存、冬康、義興。
そのうちの一人だけでも生き残っていれば、足利義輝を倒したあとに、安定的な支配を打ち立てられたのかもしれないが…
誰もいなくなった結果、三人衆と松永久秀の対立という、どうしようもない事態に陥ってしまった。
義継もその間で翻弄されて、一人だけではいかんともしがたい。

しかし、松永久秀。
梟雄イメージが覆されていくのはいいが、のちの足利義昭を生かしてしかも逃がしてしまったのはいかがなものか。
三人衆じゃなくてもブチ切れるよ。
三好政権の方向性からの完全な違背じゃん。
結果から見れば、畿内にさらなる戦乱を招いただけなんだし。
自分は信貴山城も多聞山城も失っちゃうんだし。
最後の一番大事なところで、冷酷な切れ者、というイメージと真逆の選択をしてしまった。
自分のためのカードを取っておきたかったのだとしたら、保身に走った、としか言いようがない。
ただ、それを止められるだけの条件が失われてしまっていた。
かえすがえすも、三好政権の未来が惜しい。


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