JW689 がんばろう玉杵名
【景行征西編】エピソード60 がんばろう玉杵名
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)5月。
景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、還幸(天皇が帰宅すること)と銘打って、筑紫(今の九州)の巡幸(天皇が各地を巡ること)をおこなっていた。
ここは、熊本県玉名市の立願寺に鎮座する、疋野神社。
解説を終えた一行に「シロ」は、退治するべき土蜘蛛がいると語るのであった。
シロ「その名を津頬という。」
百足「では『ツラ』と呼ぶことに致しましょうぞ。」
シロ「諾なり。」
そのとき、一人の男が近寄ってきた。
男「ありがとうヤマト! がんばろう玉杵名!」
野見「何奴じゃ!」
男「ご案じ召されるな・・・。我は、この地の豪族、中尾玉守にござる。『中尾』と、お呼びくだされ。」
いっくん「ところで、玉杵名って、何やねん?」
中尾「玉名は、かつて、玉杵名と呼ばれていたのでござる。」
モロキ「では、我らの御世は、玉名ではなく、玉杵名であったということか?」
中尾「左様。」
シロ「して、中尾よ・・・。何をしに参ったのじゃ?」
中尾「土蜘蛛の『ツラ』を討ってくださるというに、地元の豪族が加わらずして、如何致しましょうや?」
たっちゃん「共に戦ってくれると申すか?」
中尾「はっ。地の理は、我に、お任せあれっ。」
こうして、一行と中尾は「ツラ」討伐に赴いた。
そして、西暦88年、皇紀748年(景行天皇18)6月3日、戦がおこなわれた。
ツラ「・・・ということで、紙面の都合で出てやったぞ! ありがたく思うが良い!」
夏花「ありがたくなど思わぬっ。正義の剣を喰らえっ。」
ツラ「そんな、へなちょこな技を喰らう、俺ではない!」
おやた「なかなかの剛の者じゃな・・・。」
もち「感心しちょる時か?!」
舟木「されど、敵の勢いが激しゅうござりまするぞ!?」
いっくん「敵の兵たちも、目茶苦茶、強いみたいやで!?」
ワオン「大王? 如何なされまする?!」
シロ「むむむ・・・。」
えっさん「ここは祈るしかありませんなぁ。」
リトル(7)「祈れば、勝つのか?」
えっさん「やってみる価値はあると思いますぅ。」
シロ「では、東の方に向かい、天照大神を拝し奉り、土蜘蛛の降伏を祈ろうぞ!」
モロキ「大王! すみやかに御願い致しまする! もう保ちそうにありませぬ!」
シロ「高天原に神留坐す。神漏岐、神漏美の命以て・・・。」
中尾「あっ! 空が曇って参りましたぞ!」
タケ「雷のような轟く音が聞こえ、なにやら、光るモノが落ちてきたぞ!」
ワオン「大王、見給うに、一の奇跡なり。すなわち、不測の神験ここに現れり!」
アマ「その通りじゃ! 喜べ!」
シロ「あっ! アマ様!」
一同「ええぇぇ!!」×多数
アマ「わらわの神力、とくと見るが良い! とぉう!」
ツラ「ひ・・・光が・・・広がっていく・・・グフッ。」
小左「こうして『ツラ』を討ち取ったのじゃ!」
もち「どんげな形で討ち取ったんか、わからんっちゅうコツか?」
小左「左様。津頬を誅す・・・としか書かれておりませぬゆえ・・・。」
アマ「とにかく、皆の者、大儀であった。」
中尾「ありがとうヤマト! がんばった玉杵名!」
アマ「うむ。よって、わらわを祀るが良い!」
シロ「そ・・・そうなりまするか?」
アマ「当たり前じゃ! 早う祀れ!」
真白「ワンワン!」
タケ「ふむ・・・。こうして建てられたのが、遥拝宮である・・・と申しておるぞ。」
ルフィ「キキッ!」
タケ「ふむ・・・。これが、玉名大神宮の起源伝承である・・・と申しておるぞ。」
アマ「祭神は、わらわじゃ! 喜べ!」
えっさん「それだけではありません。大王も祀られておりますぅ。」
シロ「我もか?」
リトル(7)「俺は?」
野見「ま・・・祀られておりませぬな。」
リトル(7)「ええぇぇ!ヽ(`Д´)ノプンプン」
野見「さ・・・されど、こちらの社には、アマ様だけでなく、玉依姫が祀られているようですぞ。」
玉名大神宮の解説はつづく
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