見出し画像

JW690 亀との遭遇

【景行征西編】エピソード61 亀との遭遇


第十二代天皇、景行けいこう天皇てんのう御世みよ

西暦88年、皇紀こうき748年(景行天皇18)6月3日。

景行天皇こと、大足彦忍代別尊おおたらしひこおしろわけ・のみこと(以下、シロ)の一行は、土蜘蛛つちぐも津頬つつらった。

そして、天照あまてらす大神おおみかみ(以下、アマ)に感謝し、玉名たまな大神宮だいじんぐうを建てることになった。

筑紫行幸参加者名簿
玉名大神宮(鳥居)
玉名大神宮(拝殿)

地元の豪族ごうぞく中尾なかお玉守たまもり(以下、中尾なかお)も加わり、一行は、祭神さいじんについて解説するのであったが・・・。 

えっさん「それだけではありません。大王おおきみまつられておりますぅ。」 

シロ「われもか?」 

リトル(7)「俺は?」 

野見のみ「ま・・・まつられておりませぬな。」 

リトル(7)「ええぇぇ!ヽ(`Д´)ノプンプン」 

野見のみ「さ・・・されど、こちらのやしろには、アマ様だけでなく、玉依姫たまよりひめまつられているようですぞ。」 

たっちゃん「御初代様の母御前ははごぜが? なにゆえじゃ?」 

系図(玉依姫)

野見のみ「さ・・・さぁ・・・。」 

えっさん「それだけではありません。玉依姫たまよりひめの両親である、菊池きくち将監しょうげん則隆のりたか夫妻もまつられておりますぅ。」 

一同「は? 誰?」×多数 

シロ「玉依姫たまよりひめの父は、海神わたつみぞ? どこをどうすれば、そのような話になるのじゃ?」 

アマ「これが、ロマンじゃ!」 

リトル(7)「わっ! 出た! ロマン!」 

いっくん「アマ様? まだてはったんですか?」 

アマ「てはならぬと、どこに書いておるのじゃ!」 

いっくん「か・・・書いてませんけど・・・。」 

シロ「と・・・ところで、やしろ鎮座地ちんざちは、何処いずこになるのであろうか・・・。」 

真白ましろ「ワンワワン!」 

タケ「ふむ・・・。鎮座地ちんざちは、熊本県玉名市たまなし玉名たまなである・・・ともうしておるぞ。」 

シロ「左様さようにござりまするか。」 

地図(玉名大神宮)

舟木ふなき「ところで、大王おおきみ? 宮守みやもりは、如何いかがなされまするか?」 

もち「宮司ぐうじっちゅうコツか?」 

舟木ふなき左様さようあらたに建てられたやしろにござりまする。宮守みやもりようかと・・・。」 

シロ「ふむ・・・。では、中尾なかおもうけようぞ。」 

中尾なかおわれが?」 

シロ「うむ。なれは、地元の豪族。なれいて、ほかに、誰がおる。」 

中尾なかお「かしこまりもうした。不惜ふしゃく身命しんみょうこころざしにて、つとめてまいりまする。」 

アマ「よくぞもうした。はげむが良い。」 

中尾なかお「ははぁぁ。」 

こうして、中尾なかおが、玉名たまな大神宮だいじんぐう宮司ぐうじとなったのであった。


その後、一行は、次の伝承地へと向かった。 

シロ「して、ここは何処いずこじゃ?」 

ワオン「ここは・・・。」 

夏花なつはな「あっ! あれはなんじゃ!?」 

シロ「如何いかがした?」 

夏花なつはな「水の中が光っておりまする。夜となく昼となく、八つの光が・・・。」 

小左おひだり「これは、誰かが見に行かねばなりませぬな。」 

シロ「うむ。では、誰を向かわせるか・・・。」 

おやた「伝承では、時の大臣をつかわしたと書かれておりまする。」 

シロ「大臣か・・・。では『いっくん』! なれまいれっ。」 

いっくん「えっ? わてが?」 

シロ「いずれ、大連おおむらじになるのじゃ。なれが良かろう。」 

もち「いやぁ残念やじ。」 

いっくん「絶対、思ってへんやろ!」 

モロキ「うらやましゅうござる。」 

いっくん「もうええわ! 行ったら、ええんやろ! 行ったら!」 

時の大臣ということで「いっくん」が向かうことになった。

そして・・・。 

いっくん「こんなんこんなの聞いてへんで。詐欺さぎやろ・・・。ん? あれは? 身体からだが一つで、あたまが八つの亀?」 

亀「その通り。そして、私は、こう鳴いたのだよ。」×8 

いっくん「えっ? そんなんそんな事出来できるんですか?」 

亀「あのう? まだ、鳴いてないんですけど・・・。」×8 

いっくん「すんまへん。ほな、どうぞ!」 

亀の頭×8「かんげんしんそんこんけん。」 

いっくん「どういう意味?」 

亀「・・・・・・。」×8 

いっくん「聞いたら、あかんヤツやな・・・。」 

亀「大王おおきみ熊襲くまそ退治たいじ守護しゅごとなるべし!」×8 

いっくん「あのう? 熊襲くまそ討伐とうばつ・・・もうんだんですけど・・・。」 

亀「・・・・・・。」×8 

いっくん「あっ! 八つの頭を持つ亀が、千田ちだ八島やしまの水中にしずんでいく・・・。」 

ブクブクブクッ 

いっくん「あっ! 八つの島が浮かび上がった! 二千年後は、八島やしま公園こうえんになってるんやで!」 

八島公園

全てを見届けた「いっくん」は、これを「シロ」に報告した。 

シロ「そうか・・・。われまもってくださるともうされたか・・・。」 

百足ももたり「地元の神やもしれませぬな。」 

シロ「うむ。では、神をまつろうぞ!」 

百足ももたり「これが、熊本県山鹿市やまがし鹿央町かおうまち千田ちだ鎮座ちんざする、八島やしま八柱やはしら神社じんじゃ起源きげんにござる。」 

地図(八島八柱神社)
八島八柱神社(祠)

いっくん「八島やしま公園こうえんの中に鎮座ちんざしてるんやで。」 

たっちゃん「では、我々われわれは、玉名市たまなしから山鹿市やまがしに来ておるのじゃな?」 

いっくん「せやで。」 

こうして、神社紹介に成功したのであった。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?