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JW684 火国造

【景行征西編】エピソード55 火国造


第十二代天皇、景行けいこう天皇てんのう御世みよ

西暦88年、皇紀こうき748年(景行天皇18)5月1日。

景行天皇こと、大足彦忍代別尊おおたらしひこおしろわけ・のみこと(以下、シロ)の一行は、還幸かんこう(天皇が帰宅すること)とめいって、筑紫ちくし(今の九州)の巡幸じゅんこう(天皇が各地をめぐること)をおこなっていた。

筑紫行幸参加者名簿

前回は、不知火しらぬい現象げんしょうについて、解説がおこなわれたのであるが・・・。 

シロ「では、不知火しらぬいの解説もんだゆえ、火国造ひ・のくにのみやつこ任命にんめいしようぞ。」 

タケ「誰をにんじるのじゃ?」 

シロ「左様さようですな・・・。では、ここは、作者オリジナル設定ということで、地元民たちで決めるが良い。」 

地元民(に)(ほ)(へ)「なんうとうと?」×3 

シロ「われらのなかから、火国造ひ・のくにのみやつこになってしいものえらぶが良い。」 

野見のみ「しばし、おちくだされ。このような『記紀きき』にも、伝承にも書かれておらぬことを・・・。」 

シロ「良いではないか。」 

地元民(に)「では、火国造ひ・のくにのみやつこには、健緒組たけをくみさまに、なっていただくばい。」 

シロ「て、て。そのようなもの、この中には、らぬぞ? はなしちがうではないか。」 

地元民(ほ)「なんうとうと?」 

シロ「『日本書紀にほんしょき』では、市鹿文いちかやこと『カヤ』を火国造ひ・のくにのみやつこ任命にんめいしたと書かれておるのじゃぞ?」 

カヤ「えっ? そうなのですか?」 

たっちゃん「どうも・・・そのようじゃな。」 

カヤ「ま・・・まさかの展開にございます。」 

リトル(7)「父上? おなごでも、国造くにのみやつこが、やれるのか?」 

シロ「うむ。おのこかぎった話ではないのじゃ。」 

百足ももたり「されど、健緒組たけをくみとは、いったい、如何いかなる御仁ごじんなのじゃ?」 

地元民(へ)「じつは『肥前国ひぜん・のくに風土記ふどき』や『肥後国ひご・のくに風土記ふどき逸文いつぶん』では、別の説が、書かれとるとです。」 

小左おひだり「どういうことじゃ?」 

地元民(に)「崇神すじん天皇てんのう御世みよに、肥後国ひご・のくに益城郡ましき・ぐん朝来名峰あさくなのみねに、土蜘蛛つちぐもがおったとです。」 

シロ「なに!? 『おじいさま』の御世みよじゃと?」 

リトル(7)「俺の『ひいおじいさま』か・・・。」

モロキ「ちなみに、朝来名峰あさくなのみねは、熊本県益城町ましきちょう朝来山あさこやまのことにござりまする。」 

地図(朝来名峰:朝来山)

地元民(ほ)「ちなみに、土蜘蛛つちぐもは、打猴うちさる頸猴くびさるばい。」 

真白ましろ「ワンワン!」 

タケ「ふむ・・・。その土蜘蛛つちぐも健緒組たけをくみが、った・・・ともうしておるぞ。」 

地元民(へ)「そんその通りばい。そして、健緒組たけをくみ様は、ついでに、くにめぐったとです。」 

ルフィ「キキキッ!」 

タケ「ふむ・・・。そして、八代郡やつしろ・ぐん白髪山しらかみやままった・・・ともうしておるぞ。」 

地元民(に)「そんその通りばい。そして、その夜、虚空こくうに、自然に燃える火があり、段々りてきて、白髪山しらかみやまとどいて燃えたとです。」 

モロキ「ちなみに、白髪山しらかみやまは、八代市やつしろし東陽町北とうようまちきた白髪岳しらがだけのことと思われまする。」 

地図(白髪山:白髪岳)

シロ「思われる?」 

モロキ「はっきりとしたことは、書かれておらず・・・。」 

シロ「そうか・・・。」 

地元民(ほ)「とにかく、不思議に思った、健緒組たけをくみ様は、これを、崇神すじん天皇てんのうことげしたとです。」 

夏花なつはな「なるほど・・・。して、崇神すじん天皇てんのうは、聞いたことのない話として、その国を、くにと呼べ・・・と命じたのじゃな?」 

地元民(へ)「そんその通りばい。」 

えっさん「そして、健緒組たけをくみには、きみかばねあたえ、くにおさめさせたのであらしゃいます。」 

いっくん「せやから、くにと呼ばれるようになったんやで。」 

シロ「もし、それがまことであったなら、此度こたびのことは、どうなってしまうのじゃ?」 

地元民(に)「気にせんでん良かっきにしなくていい。これが、ロマンばい。」 

リトル(7)「出たっ。ロマン!」 

シロ「とにもかくにも、われは『日本書紀にほんしょき』にしたがい『カヤ』を火国造ひ・のくにのみやつこにんじる。」 

カヤ「かしこまりました。では、これにて、おわかれにござりまする。」 

シロ「さびしくなるが、筑紫ちくしおなごとして、しっかりとはげむのじゃぞ。」 

カヤ「御意ぎょい。」 

リトル(7)「そうか・・・『カヤ』とは、おわかれなのか・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

シロ「泣くでない!」 

リトル(7)「さ・・・されど・・・(´;ω;`)ウッ…。」 

こうして、市鹿文いちかやこと『カヤ』が任命されたのであった。 

つづく

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