数年前、ご主人をしあわせの絶頂期に突然亡くした友 その人も母がいなくなった私を思い、夏葉社「さよならのあとで」と言う本をくれる 昨日、彼女に若松英輔さんの「悲しみの秘義」を読んでいる話しをするとやはり彼女も読んでいた そうか同じ道を歩いている 私は彼女のあとを追いかけている
ふと開いた本の中、本との邂逅をめぐる一編に出会う。遠藤周作『切支丹の里』の一節を引きながら詩人は、頁を開かずとも「影響」される本があることを語る。本との生活を好む者の書架にある、手付かずの本。その本が後にもたらすものについて。 偶然か、必然か。真摯な言葉を綴る人の問いが過る。