平和の共通基盤のための文学~沖縄 慰霊の日に大城立裕『カクテル・パーティー』を読む~
「文学の不毛の地」と言われた沖縄で、最初に芥川賞を受賞した作品をご存じでしょうか。毎年6月23日は慰霊の日です。日本軍の組織的戦闘が終結した日であり、沖縄戦の犠牲者を追悼し世界の恒久平和を願う日とされています。今日はそんな慰霊の日にちなんでお伝えしたい作品があります。大城立裕の『カクテル・パーティー』です。
物語は沖縄出身の主人公「私」が、中国人弁護士の孫先生、沖縄県外出身の新聞記者小川氏とともにアメリカ人のミスター・ミラーが住まう米軍基地内のパーティーに招待される場面から