読書記録② 『悲しみの秘義』若松英輔
同じ悲しみなど存在しない。そういうところに立ってみなければ、悲しみの実相にはふれ得まい。同じものがないから二つの悲しみは響き合い、共振するのではないか。独り悲しむとき人は、時空を超えて広く、深く、他者とつながる。そうした悲しみの秘義ともいうべき出来事を賢治は、生き、詩に刻んだ。
ーーーーーー「1 悲しみの秘義」より一部抜粋
宮沢賢治、神谷美恵子らの遺した詩や文章を掘り下げ、「悲しみ」について考える珠玉の一冊。 文庫あとがきにて、若松氏は「人生には悲しみの扉を通じてしか見