よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。(『方丈記』鴨長明) 永遠に変わらないものなんてない。 すべてのものはいつかは消える。 だから 今、目の前にいるあなたが、かけがえなく大事。 また今度、は、多分来ないから、出来るだけ言わないのだ。
ゆく血の流れは絶えずしてしかももとの血にあらず。淀みに現わるプラークは冠静脈を堰き止め良い兆なし。カテーテルが右手首から血管を這い心臓に至りステントを膨ませ隧道が拡がると血流が戻りぬ。あたかも自在ブラシが水道管の汚れ清掃するが如し。手術中は生きた心地なく命は水の泡にぞ似たりける。
78冊目「フツーに方丈記」大原扁理📖大原扁理さんの文章のファンで著作を楽しみに読んでいます。「方丈記」原文、扁理さん監訳も収録。「コロナ禍」に「方丈記」を読んで耽ってみる。おお、これをこの時代に書かれたのかい…と思うほどに、現代の世の中・人間・暮らしに思い当たり節がありすぎる…!
ファーストキャリアは東山三十六峰と鴨川とともにありました。喜びも悲しみも幾年月の21年。わたしのすべてを注ぎこんだ場所は半分更地になっていました。 『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず』という諸行無常。 成仏しきれていない想いは、またそっとしまって家路につきました