Yasunori Matsuki

名乗るほどでもないインターネットと路上の観察者。

Yasunori Matsuki

名乗るほどでもないインターネットと路上の観察者。

マガジン

  • 21世紀的フランス革命の省察

    山崎耕一「シィエスのフランス革命」に刺激されて始めたシリーズ。既存のフランス革命に関する知識を再収録しつつ見直していきたいと思います。

  • 分布意味論時代の歩き方

    大英帝国が大西洋横断電信ケーブルを開通させたのが1966年。それ以前もそれ以降も世界中で鉄道への電信線併設や海底ケーブル設置が相次ぎ、米国を代表する詩人ホイットマンはそうした情景を「まるで世界じゅうが蜘蛛の糸で絡め取られていく様だ」と表現しています。そうやって世界の情報網を一つに束ねた結果、最後に現れたのが大規模言語システム(LLM)でした。そういう観点からの投稿を扱うシリーズ。

  • 2024年度「#未来のためにできること」に応募してみました。

    文藝春秋とnote編集部の2024年度共同企画「#未来のためにできること」への応募にかこつけて、これまで考えてきた事をまとめてみました。概ね1000字以内の本文と「その内容に至ったプロダクション・ノート的まとめ」のセットで構成されています。

  • 数理的溢れ話

    本文では脱線の過ぎる数理関連の話題の収納場所

  • 影響工作の脅威

    「サルだから木から落ちる」私の好きな言葉です。確かに最初から木に登らねば、木の上から落ちる事もない訳です。これはまさにそんな私が「もしかしたら影響工作に引っ掛かった可能性がある」と感じた事例集…

最近の記事

  • 固定された記事

【挑戦してよかった事】「叩けよ、さらば開かん(少なくとも何も試みない人間は何処へも辿りつかない)」

2017年末、突如として数学再勉強を思い立ちました。今から思えばGoogleが後に一世を風靡した深層学習アルゴリズムの画期transformer論文が発表された年。もちろん当時からそんな知識を備えていた筈もなく、ただネットワーク上の可視範囲全体がGoogleの発表した人工知能開発フレームワークTensorflow関連記事で被覆され尽くし、かつそうした話に全くついていけない事に焦りが生じたのです。 なおTensorflowのチュートリアルは単層パーセプトロンと同内容のロジステ

    • 【トランプ政権素描2パス目】2010年代にはまだ存在してなかったとしか思えない米国トランスジェンダリズム運動について。

      以下の投稿の続きの様なもの。 アメリカ人は常に世界で一番アメリカの事が分かってない?もちろん(性別違和概念と服装倒錯概念が緩やかにグラデーションする)天然トランスジェンダー自体は古くから一定比率で自然に存在してきました。 しかしながら2020年代に入ってから急激に存在感をアピールする様になった「トランスジェンダー活動家」の方々を、その一員、さらにはその代表と本当に認めてしまって良いものなのでしょうか?

      • 【トランプ政権素描1パス目】民主党陣営はどうしてヒスパニックに背を向けられてしまったのか?

        今回の投稿の出発点はこのポスト でも、生理休暇乱用されて「ちゃんと病院通え‼︎」とガチ切れするのはむしろ女性の方で、男性は、割と真面目に「こんな時、どんな顔をしたらいいかわからないの」状態に… — Yasunori Matsuki (@YazMatsuki)

        • 【第三世代フェミニストの弾薬庫】「第二世代フェミニズム」はどうやって始まったのか?

          これについて書くのをすっかり失念してました。「第二世代フェミニズム」を始めた代表的人物として名前が上がるのはベティ・フリーダン(Betty Friedan,1921年~2006年)で、彼女が立ち上がった当時、白人中産階層の女性が置かれていた状況は映画「モナリザ・スマイル(2003年)」に描かれた通りだった様です。 ベル・フックスらが始めた「ブラック・フェミニズム」運動は、まさにこの状態へのカウンターとして始まった訳ですね。 そんな感じで以下続報…

        • 固定された記事

        【挑戦してよかった事】「叩けよ、さらば開かん(少なくとも何も試みない人間は何処へも辿りつかない)」

        • 【トランプ政権素描2パス目】2010年代にはまだ存在してなかったとしか思えない米国トランスジェンダリズム運動について。

        • 【トランプ政権素描1パス目】民主党陣営はどうしてヒスパニックに背を向けられてしまったのか?

        • 【第三世代フェミニストの弾薬庫】「第二世代フェミニズム」はどうやって始まったのか?

        マガジン

        • 21世紀的フランス革命の省察
          20本
        • 分布意味論時代の歩き方
          34本
        • 2024年度「#未来のためにできること」に応募してみました。
          36本
        • 数理的溢れ話
          20本
        • 影響工作の脅威
          7本
        • 試論「人工知能概念はいつから存在したといえそうか?」
          16本

        記事

          【本文無料】Sustainability拾遺集(03)「「ナチスは「良いこと」もしたのか?」は「良いこと」もしたのか?」という話。

          「集計範囲を拡大する方向のベイズ更新」すなわち過去投稿への追補。シリーズ中でコンサルタントとしてのピーター・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker、1909年~2005年)について触れ、彼のマネージメント術に「ナチズムからの国家防衛」なる側面があった事から、最近話題の小野寺拓也・田野大輔「検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?(2021年)」にまで手を出してしまいました、以下はその感想文の様なもの… 本文(4360文字)最近何かと話題の小野寺拓也・田野大

          ¥0〜
          割引あり

          【本文無料】Sustainability拾遺集(03)「「ナチスは「良いこと」もしたのか?」は「良いこと」もしたのか?」という話。

          ¥0〜

          【数理的溢れ話20パス目】「数学の最先端」宇宙際タイヒミュラー理論と人工知能技術最先端の関係は?

          この投稿は以下の投稿の続きとなります。 N進数(e進数)の場合改めてここまで検討してきた数理の全体像について整理してみましょう。 ①加減算や整数概念はN進数概念に下属し「高々数え上げられる範囲=実元(Real Element)」という時、必ず一番上の桁$${a_{max}N^{max}}$$と一番下の桁$${a_{-max}N^{-max}}$$の外側に「数え切れない範囲=その他領域=虚元(Imaginal Element)」が存在する。 10進数の場合。 $$ 23

          【数理的溢れ話20パス目】「数学の最先端」宇宙際タイヒミュラー理論と人工知能技術最先端の関係は?

          【数理的溢れ話19パス目】日常生活でも役立つ「陰謀論の予防にもなるかもしれない」サイズ感覚の洗練について。

          とりあえず次のステップに進む為のメモがてら。これまでの投稿のまとめの様なもの。 泡沫事象(Foamy Event)そもそも、まずは般若心経における「色即是空空即是色」の文言や量子力学における「シュレディンガーの猫」の例えにある様な曖昧な状態を乗り越えてある事象が「観測出来た」と確信するに至るプロセスを固めないといけません。 数学的背景 数学ではここで「全体に対して十分小さい区間」なる概念が登場し、それ以下だと「存在しても存在しなくても同じ」と考えて切り捨ててしまいます。

          【数理的溢れ話19パス目】日常生活でも役立つ「陰謀論の予防にもなるかもしれない」サイズ感覚の洗練について。

          【米国2024年度大統領選】「泡沫事象」が「統計学的事象」に影響を与えていく過程についての一推察。

          以下の投稿の続きみたいなもの。 こちらで思いついた「泡沫事象が統計学的事象にウィルス的に影響を与える展開」の検証も兼ねてます。 トランプ大統領第一期(2017年~2021年)時代の悪夢

          【米国2024年度大統領選】「泡沫事象」が「統計学的事象」に影響を与えていく過程についての一推察。

          【数理的溢れ話18パス目】数学の背景にある根本原理は全部同じなのかもしれないが、人間が操れる数理には限りがあってそこまで辿り着けない?

          コンピューター技術発達して、インターネット経由で多くの情報にアクセス可能となった今日、私達は多くの数式を気軽に手に入れられる様になり、しかも面倒な計算はコンピューターに投げれば済む様になりました。問題はこの環境をどう活用するか。例えば以下の様に普段の直感に沿うレベルまで噛み砕いて把握する事こそが難しい? インターネットの発達が可視化した「セクショナリズム(Sectionalism)の壁」まず出発点として統計学分野においては、初歩中の初歩とされる二項分布(Binomial D

          【数理的溢れ話18パス目】数学の背景にある根本原理は全部同じなのかもしれないが、人間が操れる数理には限りがあってそこまで辿り着けない?

          【米国2024年度大統領選】アメリカはどうなってしまったのか?

          よもやと思ってたら、やっぱり… これ日本人には見覚えのある景色ですね。 一体何が起こったの? リチャード・ホフスタッターが預言した米国議会制民主主義の黄昏?

          【米国2024年度大統領選】アメリカはどうなってしまったのか?

          【影響工作の脅威5パス目】いわゆる「白人中心主義」には「グラデーション感覚」が欠落している?

          今回は以下の投稿の続き。 上掲の投稿でやり取りした方からこうした反応を頂きました。 実際にはメキシコと国境を接するカリフォルニア州といえば報道でも麻薬組織と戦争状態にある様な伝えられ方をしてますね。

          【影響工作の脅威5パス目】いわゆる「白人中心主義」には「グラデーション感覚」が欠落している?

          【第三世代フェミニストの弾薬庫】フェミニズム界隈には20世紀から21世紀にかけて何があったのか?②「ブラフォイの共生社会学」の成功と挫折。

          この投稿の続きみたいなもの。

          【第三世代フェミニストの弾薬庫】フェミニズム界隈には20世紀から21世紀にかけて何があったのか?②「ブラフォイの共生社会学」の成功と挫折。

          【第三世代フェミニストの弾薬庫】フェミニズム界隈には20世紀から21世紀にかけて何があったのか?①人文科学史全体の枠組みで考える。

          以下に描いた「第3世代フェミニズム台頭期の景色」と「党派性の維持を最優先課題としたラディカル・フェミニズムとリベラル・フェミニズムだけが残った2020年代の景色」は直接繋がっている訳ではなさそうです。 ついでに「第3世代フェミニズム台頭期の原風景」をもう一つ。 1990年代初頭、北米のワシントン州オリンピアに「Riot Grrrl」運動が現れた。音楽ジャンル的にはハードコアパンク系。この運動に携わったミュージシャンの多くは当初大手レコードレーベルを敬遠してインディーズレー

          【第三世代フェミニストの弾薬庫】フェミニズム界隈には20世紀から21世紀にかけて何があったのか?①人文科学史全体の枠組みで考える。

          【影響工作の脅威4パス目】「米国におけるインディアン・コスプレ」問題の複雑怪奇さと大統領選に与える影響について。

          山岳ベース事件(1971年~1972年)以降の連合赤軍も… 最初の死亡事故を揉み消して以降のオウム真理教も… 急速に思想が雑になっていきました。沖縄の基地反対運動も…

          【影響工作の脅威4パス目】「米国におけるインディアン・コスプレ」問題の複雑怪奇さと大統領選に与える影響について。

          【対陣地戦用弾薬庫】「ツイフェミ」や「反生成AI派」は「反ワク派や親露派にまではなりきれない迷妄アカウントの自分探しの旅」?

          こちらの投稿の続き。 https://twitter.com/YazMatsuki/status/1850730114021306637 プロパガンダは、特定の思想、信念、またはアジェンダを広めることを目的とした情報活動であり、個人や集団の意見や行動を影響し、操作することを狙っています。政治的な宣伝、広告、社会的運動など多岐にわたる分野で使用されますが、常に特定の目標や結果を意識して情報が選別・操作されている点に特徴があります。プロパガンダの特徴と限界について以下で説明し

          【対陣地戦用弾薬庫】「ツイフェミ」や「反生成AI派」は「反ワク派や親露派にまではなりきれない迷妄アカウントの自分探しの旅」?

          【数理的溢れ話17パス目】まだ「推論する主体」の段階にすら到達していない人工知能アルゴリズムの現状についての再確認。

          たまたまX(旧Twitter)への投稿がこれまで考えてきた事の良い感じのまとめになったのでメモがてら。出発点は以下の「人工知能はなぜ嘘を吐くのか?」なる問題提起。 「 AI が、自身の無知を認識できた所から、 AI の真の知性が始まる」 AI 論 「自分のゆらぎの無い完成度こそが、自分の生命としての不完全さである」と語る、攻殻機動隊の人工知性・人形使いみたい…#士郎正宗 https://t.co/9jqghYH7cI pic.twitter.com/GVyi7TLAfI

          【数理的溢れ話17パス目】まだ「推論する主体」の段階にすら到達していない人工知能アルゴリズムの現状についての再確認。