坊主憎けりゃ何まで憎いか?
受験生に古文を教えていたときのこと。
『更級日記』の文中に出てきた「袈裟」の字が読めない様子です。
そこでヒントを出しました。
「ほら、坊主憎けりゃナントカまで憎いって言うじゃない」
「?」
「ああ、このことわざ、もう死語かなあ。坊主憎けりゃって、ふだんの会話で聞かないよね」
「うん」
私はクイズのようにして考えてもらうことにしました。
「じゃあ、推測してみよう。お坊さんが憎いとなったら何まで憎くなるか。はい、坊主憎けりゃ?」
「寺まで憎い」
「なるほど!」
思わず唸る私