根雨良光

木の枝に擬態する七節のごとく言葉の森で地道に棲息しているナナフシ・ライターです。人生の…

根雨良光

木の枝に擬態する七節のごとく言葉の森で地道に棲息しているナナフシ・ライターです。人生の半分の30年を書くことで食ってきました。古文の講師をしています。散歩するように短歌詠む日々。我が身は七節でも、我が言葉は揚羽のごとく舞ってほしいと願っています。

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    入れておきたい記事を……

  • 暮らしにもっと詩力を!

    心に少し磨きをかければ日常も一編の詩になります。そのために欲しい詩の力。詩力(しぢから)を感じさせてくださった記事を、ここに入れさせていただきます。

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坊主憎けりゃ何まで憎いか?

受験生に古文を教えていたときのこと。 『更級日記』の文中に出てきた「袈裟」の字が読めない様子です。 そこでヒントを出しました。 「ほら、坊主憎けりゃナントカまで憎いって言うじゃない」 「?」 「ああ、このことわざ、もう死語かなあ。坊主憎けりゃって、ふだんの会話で聞かないよね」 「うん」 私はクイズのようにして考えてもらうことにしました。 「じゃあ、推測してみよう。お坊さんが憎いとなったら何まで憎くなるか。はい、坊主憎けりゃ?」 「寺まで憎い」 「なるほど!」 思わず唸る私

    • 暑くとも月は早くも秋の色 文月望の日初秋名月 文月(ふづき)=陰暦七月 望の日(もちのひ)=陰暦十五日

      • お盆にオオミズアオ(蛾が苦手な方閲覧注意)

        幸を呼ぶ大水青と逢ふお盆 ご先祖様の声も運ぶ蛾 お盆休みの昨日、台風接近の報を受けて備えの買い物に出たら、通路にオオミズアオがいました。 幸運を呼ぶと言われている蛾です。 調べたら、ご先祖様のメッセージも運んでくれるとのこと。 いろいろな想いが私の脳裏を過りました。 階段を降りると、踊り場の窓で、迷い込んだらしいトンボがガラスにブンブンぶつかっています。 窓をゆっくり少しずつ開けると、フッと空へ飛び去りました。 恩返ししてくれるといいな。 期待しちゃいけませんけどね。

        • わが胸の蜩も鳴くかなかなな 秋の夕暮れ わが人生も

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        記事

          蜩は夏の名残の切れ字かな 猛暑かなかな盆の入りかな 蜩撮れなかったので蜻蛉で。猛暑日の盆の入り、代々木公園にて。

          蜩は夏の名残の切れ字かな 猛暑かなかな盆の入りかな 蜩撮れなかったので蜻蛉で。猛暑日の盆の入り、代々木公園にて。

          チョコフォンデュに我はなりたい 友からの愚痴玉甘く包めるような 包む(くるむ)

          チョコフォンデュに我はなりたい 友からの愚痴玉甘く包めるような 包む(くるむ)

          炎天下 凌霄花に誘はる 新幹線の冷凍みかん 凌霄花(ノウゼンカズラ) 誘ふ(いざなふ)

          炎天下 凌霄花に誘はる 新幹線の冷凍みかん 凌霄花(ノウゼンカズラ) 誘ふ(いざなふ)

          孫の手を「負けた」気分で買ひにけり「何に負けたの?」首傾げつつ

          孫の手を「負けた」気分で買ひにけり「何に負けたの?」首傾げつつ

          丑の日や「う」のつくものを食えという うしのしっぽのスープをずずう テールスープ飲み終えてから歌が浮かんだので、代わりに、たべっ子どうぶつの画像を。

          丑の日や「う」のつくものを食えという うしのしっぽのスープをずずう テールスープ飲み終えてから歌が浮かんだので、代わりに、たべっ子どうぶつの画像を。

          菊の花がわからない若者は少なくない

          風流の種を蒔くこと 若者にムズい古文を教える意義は 古文教えていて気づくこと。 男子高校生が菊を知らないのは珍しいことではない。 「菊」という言葉はさすがに知っているけど、意識して見たことがない。 ゆえに、どんな花なのかわからないのです。 そのような生徒さんに、例えば『蜻蛉日記』の「うつろひたる菊」を講義することのむずかしさといったら……。 されど、いつかその人が菊を愛でるようになるかもしれない。 そのきっかけを私は施しているのかもと、考えるようになりました。

          菊の花がわからない若者は少なくない

          「むかし、男、はつかんして…」

          「教科書は次、はつかん」と高2言う「ういこうぶり」とわかりほっこり 高校生に古文教えていたときのこと。 「2学期は何からやるのかな?」と聞くと、 「えっと、教科書は次、はつかん」との答え。 「はつかん……ああ、ういこうぶり」 「?」 「伊勢物語ね」 「あ、伊勢って書いてある」 楽しいやりとりに私は発汗しました。

          「むかし、男、はつかんして…」

          限りなく透明に近いグリーンで我はありたい いかなる時も

          限りなく透明に近いグリーンで我はありたい いかなる時も

          今はもう年内入試が多数派で夏は受験の本格シーズン

          今はもう年内入試が多数派で夏は受験の本格シーズン

          猛暑日の天気アプリにぞぞ髪立つ 体感温度43度 ぞぞがみたつ=ぞっとして身の毛がよだつ

          猛暑日の天気アプリにぞぞ髪立つ 体感温度43度 ぞぞがみたつ=ぞっとして身の毛がよだつ

          夏からの便りに見ゆるレタスの葉 レターのレタス レタスのレター

          夏からの便りに見ゆるレタスの葉 レターのレタス レタスのレター

          丸ごとは萵苣と呼びたきレタスかな ちぎりしのちは確かにレタス 萵苣:ちしゃ

          丸ごとは萵苣と呼びたきレタスかな ちぎりしのちは確かにレタス 萵苣:ちしゃ