廃業決めたどこぞの豪商、断腸の思いの蔵ざらえ──的、ポッと出の骨董屋。刀、徽章、医具、着物…何でもゴザレの品揃え…しかも無造作な置きっぱ陳列。足下、古書が箱一杯。”漱“の一字がチラ見え…掘り起こす。『倫敦塔 外二篇』──奥付に[夏目金之助]…検印は[夏目]の朱!──モチ、即買い。