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シン・映画日記『嘘八百 なにわ夢の陣』

TOHOシネマズ日比谷で中井貴一主演の『嘘八百 なにわ夢の陣』を見てきた。

中井貴一と佐々木蔵之介による関西骨董・お宝コメディ第三弾。
第一弾が千利休、第二弾が古田織部ときて、
今回の題材は豊臣秀吉。品はその秀吉の出世を後押ししたと言われる7つの縁起物「秀吉七品(しちしな)」の1つである「鳳凰」。
しかもこれが茶碗なのか何なのかが不明なので、この「鳳凰」を巡る古美術ミステリーになっている。

そこに自治体主催の大阪秀吉博に呼ばれた古美術商の小池と、
謎の波動を使うスピリチュアル系現代アーティストで、自らも大阪秀吉博に対抗して秀吉博を主催するTAIKOH、
そのTAIKOHサイドにある依頼をされる陶芸家の野田が
豊臣秀吉にまつわるミステリーに組んず解れつのバトルロワイヤルというかてんやわんやを展開。

大半は饒舌な中井貴一が演じる古美術商と色々と巻き込まれる佐々木蔵之介が演じる陶芸家のドタバタを見て、楽しむ。
その合間合間に友近や自治体のおじさん軍団、小池と野田が行きつけのタイガース居酒屋の仲間たちがサポートしたり、邪魔したり。いつもの『嘘八百』流コメディを見せる。

けど、肝心のカリスマ波動アーティスト・TAIKOHがほぼいるだけのキャラになってしまったのが残念。元々実態が怪しい波動アーティストだからそれでいいのかもしれないが、もうちょっと動いてほしかった。この役を関ジャニ∞の安田章大が演じているが、あまりにも何もできてない。これだったらGACKTやヨシキ、ローランドの方が良かったかもしれないが、ガチで怪しい方たちではなくあえて関ジャニ∞にやらせたのが今一つだった。

しかしながら本作はこれまで以上に新しい面を見せようという気概が感じられる。それはYou Tube動画制作をやるあたりからもビンビンに感じるし、古美術・骨董とは真逆の現代アーティストを取り入れたあたりにも伺える。
それと中盤からいくつか真贋に絡むトラブルやお飾りの役職というのを上手く使っていて、『嘘八百』ワールドがより深まっている。

それでも全体的にはいつもの『嘘八百』シリーズが出来たから、まあいいかとはなる。
スクリーンで中井貴一と佐々木蔵之介に会いに行くぐらいで見ればいいかな。

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