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天職だと思っていた和骨董屋店員を辞めた理由
特別、古いものが好きだったわけでもないし、骨董の知識があったわけでもない。
ただ、いつの間にか働いていました。
珍しい職種だな面白そうだなぁって思って。
店には時代を経た品々が並び、どこか落ち着いた空気が流れてて、
最初は何もわからなかったけど、江戸初期から昭和初期にかけての歴史がおもしろくて次第にこの仕事が楽しくなって。
よくわからないまま仕事を始めてた。
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骨董屋のリアル(楽しかったこと話すよ!)
この仕事の何が楽しかったかと言えば、圧倒的に 「人」 でした。
もちろん、そのタイミングでしか店頭にない骨董もたくさんあるし、
陶磁器、漆器、和硝子、電笠、古道具、民具、御茶道具類、家具類、800点ぐらいある商品の説明するのも大好きだった、けど
私の接客を気に入ってくれて、わざわざ会いに来てくれるお客さんがいて、
「あなたの接客だから買いたい」と言ってくれるお客さんとの接客が、いつも、心の底から楽しくて嬉しかった🥹
「SNSちゃんとやったらバズりそう」中にはそんなことを言ってくれる人もいて🥹(笑)
そんなわけあるわけなかろうと思いながら接客するのが楽しくて。
話しているうちに、みんな自分のことをどんどん話してくれるように。
遠方から来てくれる人、何気ない世間話をしに来る人。
骨董屋という場所が、モノを売るだけではない、人と人のつながりの場になっているのを感じて、やりがいでしかなかったなって。
骨董屋のリアル(大変だったこと話すよ!)
でも、当たり前に楽しいことばかりではもちろんなくて
「これ、何時代のもの?」と聞かれて、
「あ〜そうだよね、難しいよねわからんよね」と思ったことは一度や二度ではない。
私も最初全然わかんなかったし、、🥲
証明書もないのに、「どうやって骨董だと証明するの?」と聞かれれば
「…美術骨董ではなく、古い町屋等からでてくる生活で使われてた骨董なので証明書はなく、信用販売になるんです」とよく説明してたけど
理解してくれない方ももちろんいた🥹
知識をつけるのは楽しかったけど、プレッシャーもすごく大きかったな〜。
辞める決定打:上司との関係
ここらからが本題😑
それでも、この仕事を一生続けるつもりでいた。天職だと思っていたしね。
でも、ある日、そう思えなくなってしまった。
上司は優しくて情の厚い人で、
でも、プライドがエベレスト級 に高くて。
責任感が強いのはいいことだなともちろん思う。
でも、どれだけ売り上げを上げても、どれだけ頑張っても、一度も褒められることはなかった。
売ることが私の仕事だし、褒められるためにやってるわけではない、だけど
100万円の売上を400万の売上を叩き出しても、「あの時、私がフォローしたから買ってくれたよね」と言われて。
20個も年下の私に、当然のように手柄を横取りしようとしてきて。
悲しい気持ちが強くなっていった。
上司の指導はとにかく厳しく、バイトを雇っても試用期間でどんどん辞めていった。
謝ることを全然したことがない人で
私の中で、「この人の下で働き続けるのは無理かもしれない」という思いが膨らんでいってしまった.......🥲
ある時、私は社長に相談した!偉い!
社長も「上司の指導が問題だとは思っていたが、家族経営で血縁関係だから15年間言いにくくて言えなかった」と言った。
「今までに私みたいなこと言う人いなかったんですか?」と聞くと
あなたみたいにしっかり意見を言う人はいままでいなかったと。
だから、目を瞑っていたんだって。
それを聞いた時に社長にも引いてしまって。
何にも言葉かけられなかった。
でもこのままじゃ、増員は無理です。って言うと、頑張って言ってみると。社長は言った。
まぁ、結果、社長と上司は大げんかになったみたいで、その翌日から 一ヶ月半、私は上司とほとんど口を聞いてもらえなくなった。会話は仕事のほうれん草するぐらい🙂↕️
上司がされた仕事が少し間違ってる気がして、修正してほしい旨の声かけた時に
「間違ってたごめんね」ってだけでいいはずなのに、全部言い訳ばかりで。
謝れないんだなこの人はって。
指導方法も「迷惑かけてごめんなさいね」ぐらい、少しでもいいから話して欲しかったなって。
上司なのに、店長なのに。
無理だってふと思ってしまった。
そう思った時、何かが音を立てて崩れてしまって、
どれだけバイトちゃん達が辞めないように上司にバイトちゃんが怒られた後にフォローしても、どれだけお店のために頑張っても、最後に返ってきたのは沈黙だった。
私は心底、疲れ果ててしまって
「もう、この人の下で働くのは無理だ」と確信した。
辞めると決めた時の気持ちと、お客さんとの別れ
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辞めることを決めた時、一番一番、本当に辛かったのはお客さんとの別れだった。
「本当に辞めちゃうの?」
「あなたがいるから来てたのに。」
「遠くても、あなたに会いに来てたんだよ。」
そう言ってくれる人が、信じられないくらいたくさんいた。
予約制でもない小売店なのに。
ましてや骨董屋なのに。
海外の人も、セレブの人も、全国各地のお料理屋さんも、普通の家庭のお母さんも、よく来るおばあちゃん達も。
辞めるのは、裏切りなんじゃないかとも思った。
でも、それでも私は、このままここにいることはできなかった。
仕事は心から大好きで、辞めたくなかったけど
この人達と一緒にいるのは何のプラスにもならないと思ってしまったから。
辞めた今、思うことは
まだ辞めて2ヶ月。まだ、2ヶ月。
今振り返っても、あの5年間の仕事は 人生で一番大好きな仕事だった と胸を張って言えるし
仲良くしてくれたお客さん、必死で和骨董を勉強していた日々、あの時間は鮮明に覚えてもいるし、働いててしんどい時もあったけどもれなく全部いい思い出。
一生この仕事をするんだと思っていた。
天職だと確信してた。
でも、辞めた。
未来は変わるんだなって本当に、そう思った。
あと、家族経営は本当に駄目、ということも学んだ🙂↕️
好きな仕事をされてる方は心から大事にしてほしいな〜と願うし思うのでした🙂↕️🌿
(あ、締め方がわかりませんので〜完〜です)