見出し画像

【帰国】器に惚れた 〜蛸唐草〜

皆さんの身近な焼物とは何でしょうか。


香川県民にとっては、隣接する愛媛の砥部焼は、

一番身近な焼物だと言えます。


砥部焼

我々のソウルフード「讃岐うどん」の器によく使われます。

分厚く重くどっしりでっぷりとした砥部焼は、

特に老舗や麺にこだわりのあるお店で出会えます。



この写真も、そう言えば!と思い出して見直したら、

はやり使われていました。

麺のコシが強く、大きな鶏肉の天ぷらが特徴のお店。

どの器も、可愛らしい砥部焼が使われています。

探してみると、梅山窯さんのものでした。

また、前回の松山旅行でも、

夜に食事した食事処で、砥部焼をふんだんに使っていました。


そしてもう一つ、子どもの頃から我が家にあるものとして、

岡山の備前焼があります。

備前焼

祖父母の湯呑みの風合いは、でっぷりして持ちやすく

素焼きの良さを触って感じられるものでした。

引っ越しした後に欲しかったと母に伝えましたが、

もう時すでに遅し。処分したとのことでした。

祖父は会社を経営していたので、おそらく

高価なものだったのではないかと思います。

また縁があれば出逢えると信じています。


なぜ陶器のブーム


急に器に魅了されたのか。

きっかけはイタリアにあると思います。

私の半径5mの世界を見渡すと、

イタリアにいる日本人の多くは、
 
何故か伊万里を持って来ています。


赤・青・金・白などで一つずつ描かれている器。

豆皿や小皿、蕎麦猪口などを見かけました。

どうしてこんなにも所有者が多いのか。 

謎としか言いようがないです。


見ていると、あの艶やかな朱や金を手にしたい!

と思うようになりました。



そして、今回の帰国で出逢えればと思っていたのです。

先日松山へ遊びに行った際、骨董屋に入りました。
 
雑多に並んだ店内には、古伊万里が至る所に。

いい値段するものも、手頃なものもあり、

小さなお猪口が二つあったので、旅の記念に買いました。

古い器を買ったのは初めてのことです。

なんだか、大人の世界に足を踏み入れた感覚です。

ここから、さらに加速していきます。


蛸唐草

私が育った町にある静かな骨董屋へ。

何かありそうな予感。両親と訪ねたんですが、

それぞれに興味持つものを眺めていました。

あれこれ手に取って、あーでもない、ここが良いなどと

店主のおじさんと話をしました。

おじさんは、修復をしながら骨董品を売って

生計を立てているようです。メルカリも駆使するんだとか。

これまでに、船箪笥をいくつも売ったようです。

置いてある物は、値打ちのあるものから、

ガラクタのようなものまでさまざま。

埃を被った中にお宝が眠っていそう。

すると、松山の旅で知った「蛸唐草」が

ここにもありました。

唐草模様にぶつぶつがついたような文様。

手を広げたような大きさのものから、

ヘルメットくらい大きく重いものなど、

見ていると、それぞれの個性を感じつれて帰りたくなります。

松山で見た蛸唐草は、3万円もしたので諦めましたが、

このお店で見たのは、1500円!

安すぎる値段に飛びつきました。

買います!!


イタリアに持って帰る準備をしました。

プチプチに包み、服で覆い、袋へ詰めて

もう、スーツケースに入れています。

明日、空港へと一足先に旅立ちます。


古伊万里

幼稚園、中学、高校と同じ学校に通った

幼馴染が、市内で居酒屋を営んでいます。

小ぢんまりとしたお店ですが、カウンターや上部の棚に

こだわりの器がぎっしり並んでいます。

そんな彼と、器の話で盛り上がりました。

伊万里に惚れていることを語り合った後日、

お店に来てと言われて向かったところ、

なんと古伊万里の色絵染付をプレゼントしてくれました。

「まとめて買ったから、イタリアに持って帰って

旦那さんと使って!」と小粋な計らいをしてくれました。

手書きの絵は、同じ柄なのに同じではなく、

少し違うのがまた味わいとなっています。

飾りたくなりますが、使ってナンボと言うので、

積極的にイタリアの食卓に乗せてみたいと思います。

どんな食材がしっかりくるのか。イタリアンが日本食か…



さて、どのようなものを手に入れたのか、

イタリアに帰ったら披露しますね。

みんなスーツケースに詰めました!

無事に到着することを祈るばかりです。


あと二日で日本を出ます。

なんだか寂しくなってきました。

最後の駆け込みモードです。

いいなと思ったら応援しよう!