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#韓国文学
韓国の祝日と偉人、釜山国際映画祭、初のQ&A
2週間ぶりに、ポッドキャストを配信しました。昨夜から今朝にかけて、韓国の小説家ハン・ガンさんがノーベル文学賞を受賞されたというニュースで持ちきりの韓国です。
過去の配信でハン•ガンさんの最新刊『別れを告げない』についてお話ししましたが、正直に告白すると、彼女の小説を読む時、私はナイフで身体をゆっくりと切られているような、自分が生と死を行ったりきたりしているような感覚に陥ります。だから心身共
韓国をもっと知りたくなる!注目の翻訳小説と韓国文学案内本
幼い頃から本を読むのは好きでしたが、海外文学はどうも苦手で、外国語や海外旅行にも全く興味がわかず、「私は生涯日本から出ることないだろう」と思っていました。ところが2006年、20代半ばの頃、人に誘われて行った韓国旅行で閉じていた扉が開き、韓国の人や食べ物、言葉に興味を持ち始めます。
「この国のことが知りたい」という思いで最初に手を伸ばしたのは、韓国のドラマや映画、音楽でした。この時「韓国の小
韓国小説『父の革命日誌』
2年前の誕生日、1冊の小説をプレゼントしてくれた韓国人女性がいました。彼女は同じ年で、数年前に日本へ移住したフリーランスの書籍編集者。韓国での初めての出産や育児、その他もろもろで疲れ果て、自分の好きなことすら長い間思い出せなくなっていた私に、読むことや書くことの喜びを思い出させてくれた大切な友人です。
そんな彼女が「最近読んで面白かった」と言って贈ってくれたからには、最後まで全部読み通したい
翻訳家になったつもりで韓国エッセイを翻訳してみたら
私の記憶が正しければ、2015年頃までは日本の書店や図書館に行っても韓国文学の翻訳本はごくわずかしか置かれていませんでした。それに比べて、初めて韓国の書店を訪れた2010年当時、書棚にはあふれるほどの日本の書籍(韓国語に翻訳されたもの)が並んでおり、この日韓の差に驚いたものでした。
ところが、それから約10年の間に日本ではものすごい勢いで韓国の小説やエッセイ、絵本、詩集、WEB漫画などが書籍
大盛況のソウル国際ブックフェア2024へ
6月26日(水)〜30(日)の5日間、ソウル・江南にある総合展示場COEXでソウル国際ブックフェア(ソウル国際図書展)が開かれました。今年は19か国、452の出版関係者が参加。5日間で15万人以上の人が訪れたそうです。
私が訪れたのは29日(土)の12時前。12時~13時半に予定されていた小説家のキム・エランさんとペク・スリンさんの対談を楽しみにしていたんですが、なんと!会場前へ行ってみると
【エッセイ】自分の身体を愛したい。私のボクシング日記
本にも人にも「呼ばれているのかな」と感じることがあって、先週末訪れたソウル国際図書展ではまさに、手招きされているかのようにこの本に吸い寄せられました。
『生まれて初めてのキックボクシング(난생처음 킥복싱)』
よく見るとファン•ボルム著と書いてあり、おもわずスタッフの方に「もしかしてこの著者は『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』を書いたファン•ボルムさんですか?」と確認。返事はYES
祝!本屋大賞を受賞した韓国小説と作家たち
ポッドキャスト第41回、配信しました。
今回は先日発表された「本屋大賞」の翻訳小説部門で、韓国の小説が1位と3位に選ばれたというニュースを受けて、私が最近読んだ小説『不便なコンビニ』や『アーモンド』にまつわるお話をしています。今回大賞を受賞された『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』については、過去の配信やnoteの記事をご参照ください。
作家さんたちがどういう場所や環境で作品を生み出しているの
韓国小説 『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』に救われた年末年始
流行りに乗り遅れるタイプの私は、ここ数年話題になった韓国のドラマや映画、小説、エッセイなどをたぶん、ほとんど観たり読んだりしていない。流行れば流行るほど関心が失せていくというか、「こんなに注目されてるんだから今はいっか」という気持ちになってしまうのだ。何十万部売れた、芸能人の誰々が紹介していた、というお決まりのフレーズにも残念ながらあまり心ひかれない。
それよりも、書店や図書館に出向いて、宝探し
人生を変えた「ソウル国際図書展」へ。おすすめ韓国小説も
先日、8年ぶりにソウル国際図書展(以下、ブックフェア)へ行ってきました。場所は江南に位置する総合展示場、COEX。後日新聞記事で、国内外36か国、530の出版社が参加し、5日間で約13万人が訪れていたと知りました。
私が行ったのは最終日、かつ日曜日ということもあってか、10時にオープンする前から行列ができ、会場は人、人、人で溢れかえっていました。
このブックフェアとは、読者と作家、出版社
一冊の書に歴史あり 『書籍修繕という仕事(어느 책 수선가의 기록)』
私は幼い頃から本が好きで、書店や図書館のように本がたくさんある場所も大好きです。これまでいろんな土地で暮らしてきましたが、どこに行っても私のそばにはいつも本がありました。
こう書くと、「文学少女」や「本の虫」といった印象をもたれるかもしれませんが、実際はちょっと違います。書棚に並んだ本の背表紙をただ眺めているだけの日もあるし、本を開いたとたんに眠ってしまう日も多いし、かばんの中に本を入れたま
映画『アジアの天使』が導いてくれた出会い
札幌で過ごした学生時代から、韓国に移住するまでの十数年。私の趣味は「映画館で映画を観ること」だった。ところが、韓国で妊娠・出産・育児を経験してきたこの4年。映画館にはたった3回しか足を運ぶことができなかった。
最後に出かけたのは2年前だ。当時1歳になったばかりの息子を産後初めて夫に任せ、一人で韓国映画『82年生まれ、キム・ジヨン』を観に行った。
物語の中盤、私の目から涙がこぼれ落ちそうに
あの日の私がここにいた。短編小説集『ショウコの微笑』
冬のある朝、夢の中で「ショウコの微笑」という言葉が何度も登場したことがあった。目覚めた後、夢の詳細はすっかり忘れてしまったのに、その言葉だけがはっきりと、頭の中でぬくもりを放っていた。
布団の中でスマートフォンを手に取り、早速調べてみると、それは韓国の作家が書いた小説のタイトルだった。チェ・ウニョン著『ショウコの微笑』。
「ああ、なんだ。本の名前か」とすっきりしたところで身体を起こし、何