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#テレビドラマ感想文

今ハマっている、過去に大好きだった、再放送で見て当時を思い出した、など、印象に残っているテレビドラマについて、noteに投稿してみませんか?

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【追記】青池透子の宝石はイギリス税関を通過したのか―MIU404『ミリオンダラー・ガール』に寄せて

MIU404、面白いですよね。 映画『カラオケ行こ!』からの綾野剛さん・野木亜紀子さん繋がりで、こちらも全話を鑑賞するに至りました。 その中でも第四話の『ミリオンダラー・ガール』は私が説明するまでもなく名作と名高いのですが、個人的に初見からひとつ気になっていることがありました。 それは、 「一億円の宝石なんて空輸したら寄付とはいえ税関で引っかからないのだろうか……?😥💦」 しかもこれ、長らく「気になるけど、調べて没収確定が分かったら悲しくてヤだな……。」と思って実際には調べ

大河ドラマ『べらぼう』最高、大好き、面白い

大河ドラマ『べらぼう』がめちゃくちゃ面白い。 いやーーーーほんとに昨年の『光る君へ』が傑作すぎて、もうこれ以上の大河ドラマあるわけがない……と流し見を決め込んでいたのですが(ごめんなさい)。土下座したい。面白いよ『べらぼう』!!! 何が面白いって『べらぼう』は徹頭徹尾、仕事の話であることだ。 蔦屋重三郎はプロデューサーである。ものをつくる人そのものじゃない。だからこそ、面白い。仕事の話だけど「プロジェクトX」でもなければ「摩天楼の夜」でもない、だからこそ面白い。新しい。

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「性と死」が物語で描かれる必然性―『光る君へ』が傑作だった

大河ドラマ『光る君へ』が最終回を迎えた。これがもう大傑作だった。2024年に物語ができることをすべてやり遂げた、素晴らしい作品だったと思う。いやもう掛け値なしに凄かったので、観ていない方はぜひ一話から観てみてほしい。私ももう一度観なおしたい……。 https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CK6LZBV3/ref=atv_dp_share_cu_r 紫式部を主人公に据え、藤原道長との間に恋愛関係があったとする架空の物語から始まる

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たのしすぎるラブコメすぎる火曜の夜 ― 『御曹司に恋はムズすぎる』第1話

年が明けるとはじまるのは、希望に満ちた新年と寒い冬を乗り越えるために心をあたためてくれる冬ドラマ。はじまりはいつだって期待とときめきに溢れている。ドラマファンは年に4回もこのはじまりを季節ごとに楽しむことができるのだ。 さて1月7日、2025年はじめての火曜の夜にはじまったのは、猛スピードで視聴者のハートをぎゅぎゅっと捕まえながら駆け抜けるドラマ『御曹司に恋はムズすぎる』なのであった。 予告動画サムネイルだけでもおわかりいただけるとおり、出演者のお顔が良すぎて芸術作品を観

『海に眠るダイヤモンド』、そして昭和という異世界転生の物語

『海に眠るダイヤモンド』というドラマが大好きだった。野木さんの脚本はもちろんのこと、塚原監督のドラマ『Nのために』も本当に大好きだったので、このドラマが日曜劇場で見られるとはじめて聞いたときとても嬉しかった。実際見てみると、青春群像劇として本当に素敵なドラマになっていたと思う。 PLANETS批評座談会でもあれこれ語ったのでよければぜひ。 私はなにより主役三組のキャラクターがみんな好きで、野木さんの脚本の女優輝かせ力はいつも最高! と思いつつ見ていた(これはドラマの本筋と

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『阿修羅のごとく』と日本の夫婦の変遷

Netflixの『阿修羅のごとく』がとても面白かった。脚本も俳優も衣装も美術も何もかもが完成度が高く、傑作で、最高で、いやもうこんなもの作ってしまっていいのかと驚くほどだった。本当にすごい作品なのでたくさんの人に見られてほしい……! 是枝監督はなぜこんなに四姉妹を撮るのが上手なんですか!?

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“軽妙”に潜む正体とは?バカリズムが描く『ホットスポット』

今月12日から日テレ系である連続ドラマが始まった。そう、地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー『ホットスポット』だ。 脚本はバカリズム。 彼の本職はお笑い芸人だが、脚本を担当した2023年のドラマ『ブラッシュアップライフ』では、人との縁や人生をやり直すことを深く考えさせられる内容が多くの反響を呼んだ。 同作は「面白い!」というクチコミが広がり、テレビを観る機会が比較的少ないZ世代を中心とする男女にも支持が拡大。軽妙な会話劇で視聴者層の間口を広げつつ、中盤~終盤にかけて物

晩餐ブルースを見て男性の生き方について考えてみた

 テレ東系で放送されているドラマ晩餐ブルースにハマっています。TVerでまた初回しか見ていないものの、次回が楽しみ。男性の孤独をゆるく解きほぐしてくれそうな良作の予感大です。   BLではない作品で、こういうのがあったらいいな、とずっと思っていた。同性の友人と過ごす晩餐。みんなどこかでそういう友人を欲していると思う。でもなかなかそういう相手が、見つからなくて・・・。ただお美味しいご飯を食べて、おしまいじゃないのがこのドラマのいいところ。大人のほろ苦さや、どうしようもなさも根

2024年、子育てと仕事に追われた私の推しドラマ5選

日々の暮らしの中で、皆さんは何に癒されたり、パワーチャージしてますか?私の場合、それはもう完全に「テレビドラマ」! 子育てと仕事とで目まぐるしい毎日ですが、とにかくドラマを30分でもいいから没頭してみる。そうすると、スッキリするんですよねえ。ビバ、ドラマ。 この記事では、2024年に観たドラマの中で印象に残っているものを、厳選して5作品紹介します。 ※本記事のドラマ概要はPerplexity(対話型AI検索エンジン)に出力してもらいました。便利!! 虎に翼(NHK/

また日記を書くようになったのは、2024年のドラマのせいなのだ。

2024年のテレビドラマ、おもしろいのたくさんあったなあ… シーズンごとにTVerで見られるものについてWebザ・テレビジョンにイラストコラムを書いているので、そちらも読んでいただけるとうれしいです。 秋のドラマについては、こちらにも書いていました。 web記事で取り上げなかったものを中心に、「どこかにいる、誰か」にオススメしたい2024年の10本を選ぶとしたら、と考えてみました。とても長くなってしまったので(ほぼ4000字!!!)、気になるドラマのタイトルや、今のご自分

予定外の贈りもの ー 『スロウトレイン』

TBSの新春ドラマ、『スロウトレイン』を観た。 ◇ 看病の時間 元旦の朝、夫がインフルエンザを発症した。 39.5℃の高熱、吐き気、頭痛。 元旦に診てもらえる病院をあちこち探し(見つかったときには本当にありがたかった)、口当たりのいいゼリーや経口補水液を買い込み、予定していたお正月の予定をすべてキャンセルした。 看病の時間というのは、じりじりと長い。 インフルエンザ用の薬を服用したあとはひたすら水分補給と休養あるのみで、食事のしたくと洗濯のほかに、家族ができることはあ

ドラマ『きのう何食べた?』を観て作ってみたバターチキンカレーとチーズナン。美味しすぎて母が大絶賛した。

まえがき テレビドラマ『きのう何食べた?』で シロさんとケンジが一緒に バターチキンカレーとチーズナンを楽しそうに作って食べていた。 このシーンを観て 今までにカレー粉からカレーを作ったことが無かったのだが、直ぐに挑戦しようと決めた💪🏻 土曜日が出社日だったので 仕事が終わったら夜に仕込んで 日曜日はゆっくり料理をしよう🍳 そう思っていた土曜日の矢先に、 父「今日何時に帰って来れる?」 嫌な予感がした。 父「今日飲み会なんだけど駅まで送り迎えして欲しい」

【感想】ドラマ『リラの花咲くけものみち』

今月から始まった冬ドラマで、とても感動した作品に出会いました。 『リラの花咲くけものみち』という作品は命の尊さについて真剣に向き合う作品であり、全3回の話で完結する短い話なのですが、見ている間はとても濃密な時間を過ごした感覚がありました。 物語の概要としましては、北海道の農大の獣医学部に入学した聡里は過去にある事情で引きこもりでありました。 大好きな動物たちを守り、救うために聡里は獣医師を目指していきます。 祖母のチドリをはじめ、友人や先輩たちに支えられ、動物たちと触れあい、

『光る君へ』最終話の「嵐」とは何か?

またしても『光る君へ』について書く。もはやnoteで『光る君へ』について書きすぎてシリーズ化できそうな勢いである。 こうして並べて見ると自分がこのドラマを好きすぎる……。こんなに書いてたのかとドン引きである……。な、なにもかも好きだったんだ……。 しかも私、noteだけじゃなくて『光る君へ』の放送とあわせて『源氏物語』をはじめとする古典解説しつつ京都を紹介する連載も、月2更新してたんだ……一年間……。こちらもよければ気になる記事読んでやってください。楽しかったあ。笑 そ

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【感想】『飯沼一家に謝罪します』【考察】

今回は、TXQ FICTION第二弾『飯沼一家に謝罪します』を視聴しての諸々を備忘録として書いていきます。 ここ数年の年末は、テレ東さんのモキュメンタリー作品にお世話になっていたので、放送の一報が入ったときは「今年もやっぱり来た!」と大喜びしました😄 12月23〜26日に4夜連続放送された本作品。 物語が毎日少しずつ進んでいくのがもどかしくもあり楽しみでもあり。 いっつも気になるところで終わるの、うまいよね〜! 放送後すぐにTVerで配信されるのも有り難かった……✨ さ

「光る君へ」第48回 「物語の先に」 時代の終わり、その先へ進む人々の選択

はじめに  選択するとはネガティブなことです。何故なら数多くある可能性から一つ選ぶことは、裏を返せば、可能性を潰すことに他ならないからです。選択には結果が伴います。その結果を引き受けた次の選択で示される選択肢は、前の選択のときよりも数が減っているものです。つまり、選択の度に可能性を潰し、あり得たかもしれない未来を諦め、選択の幅を狭めていくのが人生です。  そして、ある日、無限にあった可能性と選択肢がほとんど無くなっていることにはたと気づきます。それが老いる…ということかもし

深読みしない「飯沼一家に謝罪します」非オカルトな浅い考察

 先日、あの一部界隈で超話題になった「イシナガキクエを探しています」のTXQ FICTION第二弾が放送された。「飯沼一家に謝罪します」という意味深なタイトルからして、好奇心を刺激されたモキュメンタリーファンボーイたちは心待ちにしていたことだろう。そして、四夜に渡って放送された「飯沼一家に謝罪します」はTverで容易に見られるので、人類の大半はすでに見ているはずだ。  四話目を見終わった後、正直、ボクの頭の中はハテナで埋め尽くされていた。しかし、自分の頭で考えるても答えは出

ドラマ『きのう何食べた?』を観て作ってみた明太子とサワークリームのディップ〜作り置きトマトの甘酢漬けを添えて〜

まえがき 最近の話。 仕事から帰ってからの唯一の楽しみは ドラマ『きのう何食べた?』を観ること。 主人公2人の会話もそうだが 2人を取り巻く周りとの掛け合いが とても面白く笑いがあって 私の日々の疲れを癒してくれる。 『疲れ』という言葉を記事に書きすぎて どんだけ疲れているんだと笑った(笑) さておき、 このドラマを好きになったきっかけは シロさんの夕食をつくるシーン。 職場から帰ってきてキビキビと滞りなく 美味しそうで健康的なおかずをいくつか作る。 夕飯を

湊かなえ推し!FODドラマ『高校入試』再見する!

突然ですが高校入試 皆さんどんな思い出がありますか 山ちゃんが入学した高校は 地域の平均のちょっと下の高校でした 科目別に極端な成績だった俺は 英語、理科、社会は上位にくい込むのですが 国語と数学が壊滅的に悪かったので 総合ランクが伸び悩んでいたこと 何より、自分の性格が安全第一(臆病者)だったため 心配なく合格できる高校を選んだからです なので、高校入試って そこまで思い入れも記憶がないんです それよりも 入学した高校は、当時ちょうど 大学進学に特化しようとしてい

虎に翼 第43話

岡部たかしじゃなかったら許されんだろ、こんなの。岡部たかしでもギリギリだ!という回だった。彼以外だと、これができるのは大泉洋くらいしか思いつかない。 優三(仲野太賀)の死亡告知書を隠していただけではない、直言(岡部たかし)から出てくる出てくる、「それを言っちゃあおしまいよ」懺悔のオンパレード。 ①優三くんのこと隠していてごめん ②今、トラに倒れられたら我が家は立ち行かなくなると思って。ごめん ③トラが結婚した時正直「優三くんかあ」「花岡くんがいいなあ」 「花岡くんの下宿を

虎に翼 第40話

前回のラストで寅子(伊藤沙莉)を訪ねてきた人物。 この重苦しい週の金曜日に、寅子になんらかの救いをもたらしてくれるのか!?と思ったら、法科女子部の後輩・小泉さん(福室莉音)が女子部の閉鎖と、高等試験中止の報を伝えにきてくれた。 ……救いじゃなかった……むしろ、寅子が切り拓いてきた女性法曹の道が閉ざされたという、更に打ちのめされる展開。寅子が出産育児で立ち止まっても、誰かが後に続いてくれるという願いは潰えた。 高等試験が再開されたら、必ず挑戦するという小泉さんの力強い言葉だけ

【感想】ドラマ『Shrink』

『Shrink』というドラマを見ました。 Shrinkとは、精神科医を指すスラングとして使われることがあり、これは、精神分析が人間の自己を縮小するようなイメージからきています。 物語の概要については、第1話では小さな精神科クリニックを勤める医師の弱井と看護師の雨宮、駅のホームで急に倒れこんでしまった雪村という女性を見かけた弱井は彼女を助けて受診させます。 シングルマザーで会社員の雪村はパニック症であることが後に分かります。 心の闇を縮小させるシュリンクで患者を彼が救っていく物

大河「べらぼう」第3回「千客万来「一目千本」」 商才に不可欠な忘八と共感力

はじめに  サイコパス…一般に社会不適合の精神障害と捉えられますが、実際は多くは社会に適応して生活しているといわれます。さまざまな定義がありますが、社会に適応しているサイコパスは、非情さ、カリスマ性、恐れ知らずという特性を持つ点が共通しており、リーダー的なポジションについていることも多いのだとか。そのため、即座の判断力を必要とする外科医、聖職者、弁護士といった仕事に向いているという研究者もいます…って、この三つ、失礼ながら、人の不幸が仕事のもとになっていますね。それだけに共

『無能の鷹』の描く「異端者のいる共同体」としての「会社」

ドラマウォッチャーの明日菜子さんと、ドラマ『無能の鷹』について対談した記事がReal Soundにて出ました! ぜひ読んでください〜。本当に『無能の鷹』は仕事ドラマ批評としても秀逸なドラマだ。この対談で語ったとおりだけど。 それにしてもドラマ『無能の鷹』、なんだかしみじみと良いドラマだなと思うというか、しっかりやるべきことをやっている魅力的な作品だと思う。今期のドラマはリアルタイムで追いつけていないものもあるけれど、良作が多くて嬉しい。 1.『無能の鷹』と「迷惑をかける

好感度を持てる「はて?」しか受け入れられない問題ー『虎に翼』最終回に寄せて

『虎に翼』について考え続けた半年間だった、ように思う。 それはやっぱりこの作品が素晴らしかったからだし、自分の好きな朝ドラというフォーマットでこういう主人公が見られることに対する感動というものが根本にある。あと、これは個人的な話だが、この半年間はいろいろ自分にとってはチャレンジしていたというか、とにかく気力と体力を崩さないようにこれまでになく気を遣いながら過ごしていた半年間だったので、そのなかで毎朝『虎に翼』のような物語が見られたことへのありがたさがあった。面白い物語という

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大河「べらぼう」第7回「好機到来『籬の花』」 蔦重の巧みなプレゼンテーションが生む波紋

はじめに  皆さんは通販番組や街頭や店頭などで商品を使いながら売る実演販売に興味はあるでしょうか。買う買わないは別として、販売士の巧みな口上、お客さんを巻き込むデモンストレーションには感心させられるものがありますよね。彼らの話は、まずわかりやすいということが、第一に言えます。一度聞いただけでわかるように話す。これだけでもかなり難しいです。これに加えて、興味を惹き、好奇心を煽る、共感させることで、最後まで話を聞かせるのです。  こうした話す技術は、販売に限らず、一般サラリー

虎に翼 第51話

花岡(岩田剛典)が死んだ。 配給分以外にまったく食料がないのならともかく闇買いで得ることができる状況なのに、配給だけで生きてゆけという法を守った者が死んだのなら、国の失政の証だ。戦死、戦病死した人々と同じく「可哀想に」と涙するだけで済ませてはならない犠牲者だ。 チラリと映る新聞に「花岡判事の日記」が記事として載っている。 「食糧統制法は悪法だ、しかし法律としてある以上、国民は絶対にこれに服従せねばならない。自分はどれほど苦しくともヤミ買い出しなんかは絶対にやらない、したが

虎に翼 第70話

やっちまった……組織で生きる大人として、最悪のタイミングで怒り爆発させてしまった。寅子(伊藤沙莉)が落ち込んでいて、ちょっと安心した。 そして家庭局の扉をピシャアン!と音高く開けた穂高先生(小林薫)に、ちょっとびっくりした。この後は穏やかに話し始めるものの、穂高先生もギリギリまで態度を決めかねていたんじゃないかなあ。 それにしても、発言について撤回や謝罪をするつもりはないにせよ、ひどい態度であったことは確かなので(だからこそ落ち込んだわけだし)本来であれば寅子から先生のもと

虎に翼 第68話

小学校で返されたテスト用紙を寅子(伊藤沙莉)に見せる優未(竹澤咲子)、84点で直人(琉人)と直治(楠楓馬)が「優未、がんばったでしょ!」と寅子の言葉を求めるが、寅子は 「間違えた部分はきちんと復習して勉強するのよ。そしたら次は100点だから」 ああ……寅子。やっちまった。学校で常に1、2を争う成績だった寅子は、きっと100点が当たり前で、90点台を取った時には自分にこう言い聞かせていたのだろう。でも優未にこれはよくない、本当によくない。……しかし今ならそう思えるのだけれど、

ファミレスの受容性にあこがれる、これがいわゆる家族会議かと思った話

ファミリーと名乗りながら、だれでもどんとこい!と両手を広げて待ってくれているホットスポット、ファミレス。いやぁ、好きなんですよね。あの肩ひじ張らずに過ごせる空間って唯一無二なんじゃないかなと思います。 ホットスポットといえば 最近はまっているドラマ「ホットスポット」。バカリズムさんの脚本って、伏線回収が気持ち良いんですよね。あの何気ないセリフがここで生かされるのか!とおったまげることたびたびです。 このドラマにおけるファミレスのシーンが結構好き。騒がしめの居酒屋やしっと

虎に翼 第69話

虎の咆哮であった。 恩師・穂高先生(小林薫)の最高裁判事退任祝賀会の会場で花束贈呈役を拒否し怒りを爆発させた後に、うおぉおおおおおお!!!と叫ぶ寅子(伊藤沙莉)は、おとなしく檻には入らぬと宣言する虎だった。 誰もが少しずつ間違えてあの場に立っていたのだ。 かつて(30話)金屏風の前で、与えられた栄誉に感謝しスンッとなることなく「私たちは怒ってるんです」と演説した寅子。彼女がそういう女だと知っていたはずなのに「名誉なことだから君が喜ぶと思ったんだがな」と花束贈呈役を彼女に当

大河「べらぼう」第6回「鱗剥がれた『節用集』」 欲と夢、悪意と善意は紙一重

はじめに  社会人になると、会社では真なる親友ができないと言われます。現実にはどうかは一概には言えませんが、そのように言われるのは、会社の同僚は利害関係があるからです。ときには協力し合うこともあれば、割り切って互いに利用し合うこともある。そして、互いがライバルとならざるを得ない場合も起き得ます。  出世はその一例ですが、その争いを椅子取りゲームとは言い得て妙でしょう。成功者はたった一人です。だとすれば、友情を優先して、自分の会社生活を棒に振るのか、あるいは出世によって友人ら

必ず何かを生み出せる:ドラマ・原作『宙わたる教室』レビュー

 伊予原新の『宙わたる教室』単行本上梓は一昨年秋。「オール読物」連載分4作に書き下ろし分3作が加わっての一冊は、所謂エンタメ作品ながら内容の上質さゆえにすぐさま青少年読書感想文全国コンクールの課題図書となり多くの読者を獲得した。学園もの、化学ものというエンタメの王道とも言うべき基軸の面白さとともに、実話に基づく物語であることが読者の胸を熱くしたこと間違いなく、誰にも必ず何かを生み出せるとの作品テーマはなるほど課題図書に相応しいものだった。  この原作が昨年秋NHKでドラマ化さ

虎に翼 第44話・第45話

先週の予告で、寅子(伊藤沙莉)が作ったお守り袋を拾い上げた人は、やはり優三さん(仲野太賀)ではなく、戦病死を確かに伝えに来てくれた帰還兵だった。戦友というわけではない、ただ隣のベッドに寝ていただけの人に 寅子が作った「五黄の寅の力が宿ったお守り」を渡してしまう。帰還兵の彼の言うように、どこまでも優しい人。 それが、まさに彼……優三さんが亡くなってしまったのだと裏付ける。 なんという苦しさだろう。 ************ はるさん(石田ゆり子)が 「これ以上、心が折れて

『クジャクのダンス、誰が見た?』の広瀬すずの瞳を見てほしい。

TBSドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』に、すっかり心奪われている。 きっかけは偶然だった。テレビを付けたら、ちょうど第1話が放送されていたので、何となく見始めた。 元々ミステリードラマは苦手だった。張り巡らされた伏線を追うのに疲れてしまい、リタイアすることも多かった。しかし、このドラマは出会いが偶然とはいえ、思わず見入ってしまう。真実が分かっても、新たな謎が出てくる。例えば、「手紙を偽造した」と警察に自白した人が、後から主人公に「手紙を偽造したと警察に嘘をついた」と

大河ドラマ『光る君へ』がついに完結…! 『源氏物語』を紡いだ紫式部。彼女の人生そのものが、光る君を巡る壮大な物語であったのだと心から思えた最終回でした😭 生涯をかけて人を想う尊さを教えてくれた作品に出会えて、僕はこの一年とても幸せでした。心揺さぶる物語をありがとうございました✨

虎に翼 第61~65話

※61話から65話まで一気見したので、一気見の感想となっています。 なんということだ。前回のテレビドラマ感想文(記事はこちら) で >子に徹底的に甘えられてしまう母という存在を、ここから先このドラマ >は、どう描いてくれるのだろう。 こう書いたら、第13週は梅子さん(平岩紙)と大庭家の一族の相続問題でそれへのアンサーが出た。子だけでなく、家族に、家制度というものに徹底的に甘えられてしまう「母」「妻」の役割を負わされた女性。家族全体のケアが当たり前で、それに終わりはない上

虎に翼 第67話

泣いてしまった。星長官(平田満)が読み上げる『日常生活と民法』の序文 「今次の戦争で日本は敗れ、国の立て直しを迫られ、民法も改訂されました。私たちの現実の生活より進んだところのものを取り入れて規定していますから、これが国民になじむまで、相当の工夫や努力と日時を要するでしょう。人が作ったものです。古くなるでしょう。間違いもあるでしょう。私は、この民法が早く国民になじみ、新しく正しいものに変わっていくことを望みます。民法は、世間万人知らねばならぬ法律であります。けっして法律家に

「ちょこっと京都に住んでみた」ちょこっと観てみた(笑)

偶然見つけちゃったドラマ!! これがめちゃくちゃ、ほのぼのしてていいんだな〜。 「ちょこっと京都に住んでみた」Season2 主人公 佳奈(木村文乃)は長期大阪出張のために、以前もお世話になった(Season1)京都の町屋に住む大叔父(近藤正臣)の元へ居候を決め込む。 大叔父から頼まれる「おつかい」を通して、地元民しか知らない京都の名所をドキュメンタリータッチで描いた物語。 先ず、大叔父の家のインテリアが古さと現代を上手くマッチさせていて、とてもお洒落で素敵。 そして、

『わたしの宝物』ツッコミ感想〜冬月くん幸せになれ〜

冬月稜。世間離れしている倫理観、底抜けの優しさ。そのふたつを併せ持つ、柔らかく愛おしい男。最初は思っており、畏怖すら感じていた。だが今改めて、この男に言いたいことがある。 その女(神崎美羽)はやめておけ!!!!! 冬月稜とは。 2024年10月期にフジテレビの「木曜劇場」枠で放映された、『わたしの宝物』のキャラクター。主人公神崎美羽(演:松本若菜)の不倫相手であり、美羽の結婚相手の宏樹(演:田中圭)のライバルである。 そ、壮絶……! 絶対バチバチのイケメンで人生狂わせ男で

虎に翼 第50話

穂高先生(小林薫)の善意100%の、しかし完全に的外れな言葉が、ついに寅子(伊藤沙莉)から「はて?」を引っ張り出した。 「私は好きでここに戻ってきた。戦争や挫折で色々と変わってはしまったけれど、でも。私は好きでここに来たんです。それが!私なんです!」 足音高く部屋から出て行き、力いっぱいドアを閉める。 漲る怒り。そう、悲しみと積み重なったダメージによって萎れた寅子を内側から膨らませるのは、身の内に満ちる怒りである。穂高先生は寅子復活の為に必要な、最後の一滴を注いだのだ。

虎に翼 第30話

直言(岡部たかし)がせっせと作る愛娘スクラップ、その冊子の隣に置かれた新聞記事の大見出しは「我軍 武漢陥落後も進撃の巨歩緩めず」。 ……歴史的に見れば、日中戦争はこの武漢攻略戦で終結の糸口を見失った。「進撃の巨歩を緩め」なかったのではない、退くに退けない泥沼に突き進んだのだ。 ************ 世相は暗い方向へ突き進んでいるが、高等試験に合格した、初の女性弁護士の一人となった寅子(伊藤沙莉)の周りはお祝い一色である。 ずっと前から応援してくれていた人も「よく堂々と

【お客様となった研修医】医師の働き方改革で現場の教育はどうなっているのか

「やってきましたよ、今年のお客様が。」  医療ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』は、“研修医=お客様”という構図で展開されている作品である。 令和の働き方改革の潮流を背景に、新しい病院の運営スタイルがまざまざと描かれている。 ドラマの中では、研修医は「9時から17時までの定時勤務」や「差し入れにお菓子をもらえる」といった特別待遇を受けていたのが印象的だった。  自分は現在、救急医と整形外科という外科系の仕事を兼務しながら、日々の現場に立ち続けている。 実際の病院で

ドラマytv未成年は関係者による爆重熱量の上でできた神ドラマだった件

※このnoteには原作未成年を読んでの感想を綴っています。  なろうのような記事タイトルで失礼します。 とうとう原作漫画を読んだので、読み終えた勢いでnoteを書きます。もちろんドラマも原作もネタバレしておりますのでご注意ください。  まず言いたいのが、 ・海と魚と空と月の比喩ドラマオリジナルなんかい  これに尽きる。正直視聴している際に加害者・被害者・傍観者論については個人的にピンときていなかった。というのも、定義が狭すぎてそれ以外もあるだろうよという感想を抱いたか

『べらぼう』第7回 感想文

第7回『べらぼう』は「大展開につなげる種まき」のような回でした。 1「吉原細見」誰が作る?鱗形屋がつかまって、市中の地本問屋たちが集まります。 吉原細見はどこが作るか問題の話し合いです。 西村屋がしゃーしゃーと言いやがります。 「うちは蔦重ともつながりがありやすんで、うちでやらしてもらいます」 そこへ蔦重が登場。 「自分が版元になって作りやす」 風間俊介演じる鶴屋喜衛門、企み含みの鶴の一声(鶴屋だけに) 「蔦重の細見が倍売れたら版元にしてやる」 地本問屋のオヤジから

「虎に翼」総集編で再び振り返った感想

ちゃんと書きます、書きますが「虎に翼」は コレのイメージなのですよ、誰かに分かって 欲しい 私達に「はて?」と問い続けた「虎に翼」 私は仕事場で全話観ていました 時に笑い、時には涙し、時に辛く、時に優しさを感じるドラマでした 詳しい内容説明はWikipediaで是非! 今朝も仕事中に思い付きをメモしながら涙を 堪えていました 総集編という事で、まだまだ観たいシーンを 幾つも思い出しましたが素晴らしい編集で 総集編だけでも観て、興味を持った方は全編 観るのもオススメ

大河「べらぼう」第5回 「蔦に唐丸因果の蔓」 夢を描く土台としての理不尽な現実の正体

はじめに  皆さんは最近、夢を語ったことがありますか。という質問をしただけで苦笑いをした方々もいらっしゃるでしょうね。「気恥ずかしい」「今更」「もうそんな年齢ではない」「思いつかない」など、夢を語ることを苦手と感じる方の理由はさまざまありそうですが、その根っこには「夢は現実ではない」という思い込みがあるように思われます。  たしかに「夢見がち」という言葉に代表されるように、夢を追っている話をすると、周りから現実を見ていないと失笑されることはよくあります。また、2000年代

大河「べらぼう」第2回「吉原細見『嗚呼御江戸』」 源内が「序」を請け負った理由

はじめに  現代において、広告を見ない日はないでしょう。新聞、テレビ、パソコン、スマホ、電車内、街中、どこにいても、前後左右上下どこを見ても、広告、広告、広告…滝のように溢れ、寧ろ辟易するほど。それでも広告がなくなることはありません。あまりにも多くのものが溢れる高度な大量消費社会は、人も物も会社も似たものだらけで供給過多になりがちです。明確な差違が見えにくい今だからこそ、実質よりもイメージ重視の宣伝がなされ、それにより人も物も会社もブランド力を高めていきます。だから、宣伝のた

NHK朝ドラを見ることは、意外とはまるのかもしれない。

NHKの朝ドラに関しては、「次はどんなドラマか」だとか「主演はダレか」だとか「モデルの人はダレか」と、毎回話題になっているのは、なんとなく知っていた。 仕事が始まる時間の関係で、お目にかかれないということもあるけど、見たことがなかった。 朝は既に畑に居る時間だし、お昼もたいてい畑に居る。 だけど、雨の日などの農作業がお休みの日は、視聴が可能。 あと、アルバイトさんが居ない期間は、お昼の時間を融通を利かせることも出来るし、朝ドラの再放送を見て、慌ただしく畑へ向かうことが可

虎に翼 第57~60話

※57話から60話まで一気見したので、一気見まとめ感想です。 福祉に繋がるべき人の議論で、よく揶揄として上がる声 「そんなこと言うなら、あなたの家でその人を引き取ったらどうですか?」 それを本当にやっちゃったら……というのを描いた週だったと思う。 朝ドラなので、最終的には上手くいく。しかし、そこに至るまでに綺麗ごとでは収まらないあれこれを随所に差し挟んでいた。 大人の男性である小橋(名村辰)さえ、彼に脅しつけられたら怯えてしまうくらい力強い体躯を持つ少年・道男(和田庵)を