ゴロウ@読書垢/Noter
私がこれまで、読んできた本の書評のまとめとなっております。
私がこれまでに、書きましたその他の記事のまとめとなっております。
私がこれまでに、書きました映画関連記事のまとめとなっております。
読書術、文章術、エッセイ、時間術、思考法などをまとめた連作長編記事。
つぶやきをまとめたものとなっています。
食や料理の原点として、食事という命題は「食というものは呼吸と等しく、生命の仕組みに組み込まれている」(P.156より引用)という一文は、非常に感銘を受けました。 シェーンハイマーの学説から紐解き、辰巳先生が辿り着いた‘‘食の本義’’は、これまで読んできた書物の中で今尚、余韻が残る一冊です。 「料理とは生命に向き合うこと、 そして愛すること、慈しむこと。」 『食に生きて』辰巳芳子 食や料理は私たちの日常生活において身近な存在である。 こちらの命題から食の意義を探求したい、
#読了『生成AIと脳』池谷裕二 生成AIと脳の協調性の観点から未来像を考察しつつ生成AIの使いこなし方や生成AI×脳によって生まれる新しい価値観と能力を理解出来る。 技術の進歩に翻弄されないように、私たちの尊厳や文明の築き上げた歴史を守っていく必要がある新たなAI論を学びました。
-我々は何故、学ぶのか。識るということについて- 学生の頃を振り返り、意欲的に勉強をすることを拒んでいた自分を思い出すことがありました。 学校で習う授業科目や受験勉強に身が入らないことは誰しもあるのではないかと思いますが、それは純粋に勉強することが苦痛だと感じていたからだと思います。 得意科目を勉強している時間は苦痛ではないけれども、苦手科目を勉強している時間は苦痛でしかないことは日常茶飯事でありました。 元々は文系資質であり、大学も私大の文学部だった自分にとっては理系科目
『室井慎次 生き続ける者』を先行上映の初日から見たのですが、この感想を書く頃ではもう上映は始まっていることに気付き、本作を見てからしばらく時間が経ってしまいましたが、色々と二部作を通して考えていたところがありました。 以前に劇場で見ました前編の『室井慎次 敗れざる者』を踏まえて、本作はテレビドラマや映画でもお馴染みの踊る大捜査線シリーズで俳優の柳葉敏郎さんが演じる、室井慎次をピックアップした作品になっています。 室井さんと言えば、警察内の組織では重要な存在と大きな立ち位置を
#読了『千日の瑠璃』上/下 丸山健二 千篇一律から紡がれる華やかな瑠璃色の花のような散文に心が躍り世間の風潮を無視しつつ我流を貫くきめ細やかな文体に心酔する。 一瞬の内に自然物や動植物たちに命の息吹きを吹き込む筆致は、まさに格調高雅である。 文学の神髄こそ『千日の瑠璃』であった。
『動物界』という映画を見た。 ビジュアルポスターを見た時に最初に思ったことは、奇妙な動物たちが登場する不思議な物語なのかなという勝手な偏見を持っていましたが、見終わった後はまったく違うものでしたし、あえて言えば正統なヒューマンドラマと言える作品でありました。 物語は、人間が様々な動物に変異してしまう奇病が発生した近未来、ディストピアを描いた物語であり、ある親子の絆を描いた物語であります。 原因不明の病により、身体が突然変異によって動物と化していく奇病が流行るという世界観はかな
今月楽しみにしていた期待作『本心』という作品を見ました。 原作は、芥川賞作家の平野啓一郎先生が記したもので二年前に読んでから書評として感想も記している作品でもあり、映画を見るにあたって物語も事前に頭には入っていました。 近い将来的にも実現化しそうなデジタル社会の実態を描きつつ、 ‘‘自由死’’という自らが命を絶つことを望んだ母の本心を知ることを決意した一人の青年の葛藤を描いた物語であり、死生観や倫理観を問う複雑な感情が込み上がるものがありました。 何故、母は自由死を選んだの
今の自分がこうして、noteというプラットホームの中で物を書いているということは数年前、十数年前までは想像もしていなかったことである。 noteを書くきっかけになったのは、自分の中のモヤモヤとした感情を言葉で表現したいとそう思ったからだと思います。 話すのが苦手な自分にとって、書くことの方が自分に合ってると思いますし、書くのが苦手でむしろ話すことの方が得意という方はYouTubeやVoicyといったメディアで自分を表現する人たちもたくさんいます。 XやInstagram、Ti
ヴェノムシリーズの第三作目である『ヴェノム・ザ・ラストダンス』を見た。 本作は、ヴェノムシリーズの最終章と呼ばれているみたいで、今作は絶対見る必要があると思い見ましたが、最終章に相応しいヴェノムシリーズだと実感しました。 地球外生命体の創造主である最強の敵である邪神ヌルが冒頭から登場し、かなり迫力のあるビジュアルでありました。 エディとヴェノムのバディ感は前作でも引き継がれていて、より一層団結して強力な敵と死闘を繰り広げるシーンは本作の見所でもあると思いました。 前作では、ジ
『リトル・ダンサー』という映画がデジタルリマスター版として上映されているということで、休日に映画館に見に行った。 旧作は普段はあまり見る機会がなかったのですが、とても良い映画を見れた感動と大きなスクリーンで見てこその映画であると実感しました。 物語は、イギリスの炭鉱町を舞台に、バレエダンサーを目指す少年の姿と家族との絆を描いたヒューマンドラマであります。 ビリーは幼い頃から母を亡くし、炭鉱労働者の父の勧めでボクシング教室に通い、日々ボクシングを練習している。 そんなある時、た
ある一家殺人事件をテーマに、北川景子さん演じる 映画監督の長谷部香は、吉岡里帆さん演じる新人脚本家の甲斐真尋に事件の真相を巡る映画の脚本の依頼を持ち掛ける。 一家殺人を犯した引きこもりの容疑者、立石力輝斗が妹の沙良と両親を殺害した笹塚町一家殺害事件について、死刑判決が確定したこの事件には謎があり、被害者の沙良との深い関わりがあることが分かっていき、香と真尋は取材を進めていく中で事件の事実とは異なることが明らかになっていく。 取材の中で、事件の謎はより深まり、容疑者と被害者と
『ラストマイル』の捕捉として、五十嵐のようなホワイトカラーとしての生産性至上主義とブルーカラーとしての佐野親子のような労働者たちの過酷な労働環境、消費者である利便性を追い求め、容赦なくベルトコンベアを止めさせない消費者との相関図はアイロニーが伝わるし、識別出来る構造となっている。
#読了『教養として知っておきたい映画の世界』コトブキツカサ サブスクユーザーやヘビーユーザーの人たちへの映画紹介から映画業界の裏話、映画文化史の概要など、どれも興味深く面白かった。 映画パーソナリティーとして活躍する著者の映画心理分析や映画処方箋、独自の映画批評は勉強になった。
『ラストマイル』についての考察、論考を書くにあたり、私の中で整理して考えを言語化するのに、かなりの月日が経ってしまったのですが、ようやく断片的な考えが一つにまとまったのでこちらに記していくことにしました。 大前提に、ラストマイルのスゴさを体感したのは、やはり脚本と企画、そしてミスリードの切り取り方だと私自身は思いました。 映画としての興業収入、リスクヘッジを図り矜持を持ちながらも、シェアードユニバースやマルチバースが上手く機能してるのもオリジナル脚本による構図やドラマファン層
人生観を変えさせられる、そんな映画を見た。 『アイミタガイ』は、映画作品としてのキャスト人や構成、演出、物語にいたるまで巧みな作りになっている映画だと感じられました。 物語の概要は、ウェディングプランナーとして働いていた梓の親友である叶海がある事故によって亡くなってしまう。 交際相手の澄人と結婚に踏み出せずにいる梓は亡き親友にLINEでメッセージを送り続ける。 何故、彼女はくるはずがないメッセージを送り続けるのか、叶海とのかけがえのない思い出を回想し思いが繋がっていくところは
下半期一番の期待作『十一人の賊軍』を公開日当日に見に行きました。 『十一人の賊軍』は、旧幕府軍と薩摩藩、長州藩とする新政府軍で起きた戊辰戦争の中で、新政府軍と対立する奥羽越列藩同盟に加わる新発田藩で繰り広げられる同盟の裏切りの物語であります。 数人の若い侍と、貧困階級である罪人たちが集められ11人の罪人たちが無罪放免と引き換えに決死隊として砦の死守に駆り出され決死に戦う姿を描くバイオレンス時代アクションでありました。 W主演を務める新発田藩士を殺害し罪人である政を演じたのは