「海の沈黙」。久しぶりに哲学のある日本映画を観た。 静かで淡々とすすむフランス映画のようだった。演出も良い。中井貴一がいい役だった。寒々とした小樽の漁村が、孤独な芸術家の心象風景と重なる。 本物とは何か?権威とは何か?美とは?芸術とは? これは倉本聰の遺書なのか。
山田太一さんは、早大教育学部国語国文科卒、代表作品は、「ふぞろいの林檎たち」、倉本聰さんは、東大文学部美術科卒、代表作品は、「北の国から」であり、黒板五郎の野暮で、感情的で、正直な生き方が描きたかった人間の本質。
北の国からの倉本聰さんが“長年構想し「どうしても書いておきたかった」渾身の物語”ということで☞『海の沈黙』を観てきた。モッくん(今が一番カッコイイんじゃない?☺︎)の大人の色気ムンムンの、昭和的エロス?が散りばめられた、とても見やすい?作品だった。私にも中井貴一がいてくれたらなぁ…
人間をどのように描いたら良いのか、ふたつの考え方があり、ひとつは、山田太一さん(脚本家)のように、何があっても感情を抑え、冷静に対応すること、もうひとつは、倉本聰さん(脚本家)のように、感情をむき出しに、喜怒哀楽を表現すること、ですから、柔道の選手が負けて号泣して、後者の例。