山田哲也

東海地区で採用支援、就職支援を行う株式会社名大社の前代表。新卒プロパーから昇進、降格し…

山田哲也

東海地区で採用支援、就職支援を行う株式会社名大社の前代表。新卒プロパーから昇進、降格しながら社長まで上り詰めた今どき珍しい存在。2022年5月末に退任し、6月より会長に就任。映画好き、お酒好き。 https://www.meidaisha.co.jp/president/

最近の記事

映画レビュー「十一人の賊軍」

白石和彌監督は東映のヤクザ映画や時代劇を相当リスペクトしていると思う。 東映のオープニングは70年代の映像じゃないかな。 100%東映らしい作品にあえて仕上げたと感じた。 かつて「十三人の刺客 」という作品があり2010年にもリメイク。 浪人たちを集め江戸時代後期の幕府に立ち向かう痛快な時代劇だった。 本作は明治維新の前、戊辰戦争を描く。 一昨年観た「峠 最後のサムライ」と同じ新潟が舞台。 本作が史実かどうかは知らない。 峠のような武士道的な美学はない。 白石監督らしい人

    • 「ビバ・マエストロ!指揮者ドゥダメルの挑戦」を観る

      世の中知らないことが多い。 無知をさらけ出すのは恥ずかしいが、正直な気持ちを表現したい。 時々はドキュメンタリー作品に触れた方がいい。 僕は本作を通して世界的指揮者グスターボ・ドゥダメルという存在を知った。 この分野に関しては知識もセンスも持ち合わせていない。 ドゥダメルが振るう指揮で、彼はダメだししたり褒めたりするが違いは分からない。 同じように素晴らしい演奏に聞こえる。 観客はスタンディングオベーションで大絶賛するが、 それはドゥダメルの指揮による演奏が本当に良かった

      • 映画レビュー「室井慎次 敗れざる者」

        テレビドラマシリーズの映画化を観ることは少ない。 「踊る大捜査線」の映画を観たのも多分、1~2本。 「踊る大捜査線 THE MOVIE」だけかもしれない。 記憶も曖昧。 ドラマも観ていない。 その程度の興味だったので、本作も観るつもりはなかった。 しかし、意外と評判は良い。 映画評論仲間からは「観ないと映画コラムニスト失格」という烙印を押された。 それを回避するために観ただけといっていい。 結論から言おう。 次作「室井慎次 生き続ける者」を早く観たいと思った。 テレビシリ

        • 映画レビュー「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」

          公開されて10日後に鑑賞(ブログはその12日後)。 映画を観ようかどうか迷うほど評価が分かれていた。 むしろ酷評が多い。 何をもって評価が低いかは映画を観れば理解できる。 純粋に前作「ジョーカー」と比較して評価と思われる。 「ジョーカー」は衝撃的で、2019年の映画界の話題をさらっていった。 その続編は主演のホアキン・フェニックスもトッド・フィリップス監督もメインスタッフも一緒。 自ずと期待値は高まる。 同じようなテイストの作品と想像するのが一般的。 予告編を観ながら僕も

        映画レビュー「十一人の賊軍」

          映画レビュー「BISHU 世界でいちばん優しい服」

          周りの評判がいいので観ることにした作品。 「はじまりの日」に続き、ご当地映画。 舞台は愛知県一宮市。 一宮を中心に津島、稲沢、江南、岐阜県羽島あたりは尾州と呼ばれ、世界三大毛織物の産地。 今でも存在は変わらないが、その産業の現状は厳しい。 僕は営業時代(もう20年以上も前)、この地区を担当しいくつかのクライアントを抱えていた。 かつて取引のあった毛織関係の企業とは僕の時代にはほぼお付き合いはなし。 斜陽産業で正直、人材採用を積極的に行う企業は少なかった。 ただこの周辺はよ

          映画レビュー「BISHU 世界でいちばん優しい服」

          映画レビュー「ジョイランド わたしの願い」

          生まれて初めて観たパキスタン映画。 描かれる世界が日本が舞台だとしても受け入れるのは簡単ではない。 理解は進みつつあるが、完全とは言い切れない。 それがパキスタンが舞台となると抵抗も強いだろう。 解説を読むと保守系団体の反発を受けて政府から上映禁止命令が出されたという。 何かといえばLGBTQに対する理解。 パキスタンの伝統や文化については無知だが、 家父長制の強い国だと映画から知ることはできる。 映画を通して外国の文化を知るのは重要。 特に最近は今まで公開のなかった海外

          映画レビュー「ジョイランド わたしの願い」

          映画レビュー「はじまりの日」

          なんとも不思議な映画。 一体、どんなジャンルに該当するんだろうか。 ミュージカル映画、青春映画、社会派ドラマ・・・。 どれも当てはまるようで当てはまらない。 解説には音楽ファンタジーと書かれているが、それとも違うような気がする。 日比遊一監督はあえて外すことを狙っていると勘ぐってしまう。 日比監督とは3年前に直接話をする機会があった。 「ロケ地ツアーに行ってきた」でも紹介したように映画「名も無い日」のロケ地ツアーに参加し、 映画に関してのエピソードを伺った。 (あの時は当たり

          映画レビュー「はじまりの日」

          映画レビュー「犯罪都市 PUNISHMENT」

          シリーズ第4弾。 映画館じゃなくてネット配信で十分だと思っていた。 しかし、気持ちが抑えきれず、つい映画館に足を運んでしまった。 このシリーズのファンになってしまったのかも。 「犯罪都市」「犯罪都市 THE ROUNDUP」はAmazonプライムで鑑賞。 3作目の「犯罪都市 NO WAY OUT」はまだ観ていないが、日本公開は今年2月。 韓国の公開は昨年なので、2作目から本作までは毎年制作されている。 最大の人気シリーズ。 いつまで続くか楽しみにしたい。 シリーズ3本を観

          映画レビュー「犯罪都市 PUNISHMENT」

          映画レビュー「シビル・ウォー アメリカ最後の日」

          最近、実話をベースにした映画ばかり観ているが、本作は違う。 いや、数年後、映画の世界が本当になったりして・・・。 さすがに勘弁してもらいたいが、あり得ないとは限らない。 アメリカが分断され、政府軍と政府から離脱した西部勢力との内戦が起こる。 そうならないとは限らないということ。 予告編を観ながら内戦を中心とした戦争映画と思っていた。 その要素はあるが、メインは戦場カメラマンらジャーナリストの視点。 大統領の取材のためにニューヨークからワシントンへの向かう旅が中心。 観方を

          映画レビュー「シビル・ウォー アメリカ最後の日」

          映画「サウンド・オブ・フリーダム」

          最近、海外作品は実話をベースにした映画を観ることが多い。 本作もそう。 「2度目のはなればなれ」のような気持ちが温まる作品ならいいが、そんな作品ばかりじゃない。 できれば目を背けたくなる作品も存在する。 むしろ辛い事実をこんな作品を通して理解するのが必要だったり。 15年前に観た坂本順治監督の「闇の子供たち」は衝撃的だった。 タイの裏社会で横行する人身売買などを描いた作品だが、 こんな事実があるのかと絶望的な気持ちになった。 「闇の子供たち」は実態をベースに制作されたフィクシ

          映画「サウンド・オブ・フリーダム」

          映画レビュー「2度目のはなればなれ」

          今週末より公開。 初めてオンライン試写会で鑑賞。 とても便利なシステムだと思うが、やはり映画館で観たい。 決して文句は言わないけどね(笑)。 原題は「The Great Escaper」。 翻訳すると「偉大なる逃亡者」。 映画を観ると理解できるが日本語タイトルとは程遠い。 このタイトルに行きつくまで相当な議論もあったのだろう。 配給会社の努力も垣間見れる。 原題も邦題も映画を観ながら解釈するが、これでいいんじゃないかな。 本作は実話をベースに描いたヒューマンドラマ。 老

          映画レビュー「2度目のはなればなれ」

          映画レビュー「ぼくが生きてる、ふたつの世界」

          最近、「ぼくが~」で始まる映画が多い。 この1ヶ月でも「ぼくの家族と祖国の戦争」と「ぼくのお日さま」を鑑賞。 なぜ、漢字ではなく平仮名なのか。 柔らかい雰囲気を出すためか、ただの偶然か。 僕はブログではぼくでもボクでもなく僕だけどね。 それはどうでもいいか(笑)。 本作は評価が高いことと呉美保監督作品が気になり観ることに。 エンドロールで主人公と原作者が同じ名前と知り、最後の最後で実話だと認識。 確かにフィクションにはないグッと迫るものがあった。 耳のきこえない両親と耳

          映画レビュー「ぼくが生きてる、ふたつの世界」

          映画レビュー「ぼくのお日さま」

          実に愛らしい作品。 映画を観ながらつい微笑んでしまった。 アイスダンスの練習シーン、 カップラーメンをリズムに合わせて食べるシーン、 氷の張った湖でじゃれ合うシーン、 どれも愛らしい。 ひたむきにスケートの練習に励むことが特別ではない。 当たり前に描かれる日常だが、 光が差すスケートリンクが幻想的に見えてしまう。 映像やフレームからして16ミリで撮影したのか。 手触り感が残る映像が観る者を優しくさせる。 小さな幸せを感じながら観ることができた。 時代設定は今の時代かと思

          映画レビュー「ぼくのお日さま」

          映画レビュー「スオミの話をしよう」

          三谷幸喜監督らしい作品だが、なぜか評価が低い。 酷評も多いので期待値を下げて映画館に足を運んだか、気にすることはなかった。 最初から最後まで笑わせてくれる面白い映画だった。 評価が低い人はどんな期待をしていたのだろうか。 確かに映画から何かを学ぶという点はない。 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でファンになった人には得るものが少ない。 政権を維持するためには身内でも殺す残酷さなど鎌倉時代を生き抜くために 過酷な戦いを強いられてきた人物の凄みに感動した人には物足りないのかも。

          映画レビュー「スオミの話をしよう」

          映画レビュー「侍タイムスリッパー」

          話題になっている自主制作映画。 単館で公開された作品がSNSで拡散し徐々に全国に広がったという。 6年前の「カメラを止めるな!」と同じような現象か。 一世を風靡した「カメ止め」はもう6年も経つんだ。 主役を演じた濱津隆之は「キングダム」でも頑張ってますね。 最近でいえば昨年の「リバー、流れないでよ」か。 これも面白い作品だった。 共通するのは低予算映画であること。 有名な俳優が出演していないこと。 映画がいかにアイデア勝負かは本作が教えてくれる。 自分たちの作りたい作品

          映画レビュー「侍タイムスリッパー」

          映画レビュー「劇場版 アナウンサーたちの戦争」

          NHKスペシャルで放送された作品の映画化。 TVドラマと映画とは一体どこが違うのか。 重箱の隅を突くよう見方はしない。 よほどの訴求力もあったため映画化されたと期待する。 日本でも海外でも戦争を描く映画は多い。 僕も毎年必ず観ている。 第二次世界大戦が舞台の作品は「オッペンハイマー」「人間の境界」 「関心領域」「ぼくの家族と祖国の戦争」と今年だけでも4本。 最近は戦争ど真ん中の激戦ではなく周辺の人々を描く作品が多い。 その方がより悲惨さは伝わる。 本作もそう。 1939年か

          映画レビュー「劇場版 アナウンサーたちの戦争」