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本当に言語化か・・・言葉にできない・・・ノンバーバルの世界

言語化が大切

言語化と言う言葉が流行っています。確かにきちんと言語化して相手に伝えることは大事なことですが、どうもバズワード化していないかと疑問を覚えます。
意味なく「言語化が大事だ」「言語化が必要だね」「それ言語化できていないね」というような言葉には違和感があります。何の言語化なの?と思えてきます。
もちろん、ちゃんと言語化について書かれている本では、なにもかも言語化と言っているわけではなく、例えばビジネスの場であいまいな指示や伝え方では人は動かない、伝えているつもりで伝わらないことが多々あるので、きちんと相手にわかる形で言語化して伝えようという趣旨です。
また人から借りてきた言葉ではない、自分の言葉で語るという趣旨で伝えています。
言葉にするのは大事ですが、
言葉にしないのも大切、言葉にならないことも大事です。

言葉にできない

オフコースの詩に「・・・言葉にできない・・・」というフレーズがあります。
人は本当に大切なことは言葉にならないものです。
体中あふれる想いは言葉にならないものです。
言葉にならないけど、伝わる、分かることを大切にしています。

ノンバーバル(非言語)です。
眼で語る、声で語る、体をつかって語ります。
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、コミュニケーションにおいて、人は言語情報(Verbal)から7%、聴覚情報(Vocal)から38%、視覚(Visual)から55%のウエイトで影響を受けていると提唱しました。
無表情で「好き」と言われても本当かと思いますね。

脚本家の倉本聰さんのシナリオを読むと「・・・(波の音が聞こえる)」といった、脚本ではあるもセリフのない「・・・」がふんだんに使われています。それに役者は応え、ノンバーバルで演技をします。
高倉健さんの言葉を発しない佇まいは観る者に感動を与えます。
コミュニケーション能力を磨くのは、言語化能力を磨く以上に非言語化能力を磨くことが大事です。

だたし、このメラビアンの法則と言われるものも誤解されやすく、視覚・聴覚・言語が一致してはじめてちゃんと伝わるということを説いているものです。決して言葉を軽視していません。
本当に「人は見た目が9割」では逆につらいですね。

現場での実践

たとえばあるメーカーのBtoBの営業の世界でも、お客さんである技術者と商談している場面で、そのお客さんはすべては言わないケースが多いものです。表面上困っていることはたくさん話しても、本当に困っていることはなかなか言葉に発しないものです。
技術的な問題や価格などをクリアしても獲得できない案件は発生します。技術者は技術的なことは話しても購入プロセスでのネックは言わない、知らないケースがあります。本当は使いたいのに承認が下りないネックがある、それらをクリアにしていくのが営業です。
相手の表情や声から、しゃべってはいない困っていることを察して質問し、その解決にむけて一緒に考えるのです。顧客に共感する力が求められます。
また、キャリアコンサルティングでクライアントの話を聴くのに、一言も発せずうなずきやあいずち、そしてノンバーバルでの会話だけで、クライアント自身が自問自答し、クライアント自身で解決策まで自分で話すことがあります。究極の傾聴はノンバーバルかとも思うのです。


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