世界の普通から

ヨーロッパ・中東・アジアに移住しながら生きる会社員です。世界の変な人たちと日々かかわる体験から、生き方、働き方、日本などについて思うことを書きます。 世界の “普通” は全然フツーじゃない。それを知れば、ずっと生きやすくなる。

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  • 自由研究

    言葉とは。教養とは。大衆とは。美とは。そんなこじらせ系の語りから昭和のエンタメまで。ドラッカーやメルケルから、みうらじゅんやレベッカまで。 一見マジメそうなテーマをふざけて語る。あるいは、一見ふざけたテーマをマジメに語る。

  • 女たち

    むかしの女たちの記録。結婚していた人、結婚しなかった人、結婚できなかった人、付き合ってはいけなかった人。事実は小説より奇なり。

  • お仕事

    私の本業で出くわしたハプニングなど。多国籍企業の実態や愛すべき同僚たちについて、ありのままを書いています。グローバルを問わず、基本的にお仕事が好きな方に読んでいただきたい記事たちです。

  • ゆうの学びなおし

    「世界の普通から」アカウントを使わせてもらって、「ゆう」が言いたいことを言う。 ゆう。女。三十路。大学院生。 大人たちは眠たいことばっか言っててウンザリよ。あたしは学びなおして、真の言論を取り戻したい。目覚めよ、真の大人たち!

  • お金

    お金のことで悩んでいる方、安心してください。歴史を俯瞰すれば、人類の闘争の種が常にお金だったことがわかります。お金の不安から解放される生き方を考えてみませんか?

最近の記事

マスコミよ。これがジャーナリズムだ

『Spotlight』(邦題『スポットライト 世紀のスクープ』)を観ました。 ボストンの地方紙の新聞記者たちがカトリック教会による児童への性的虐待を調査して記事を書くお話です。 2001年の実話をベースにした映画で、テーマがテーマだけに、エンタメ性は低い。ベタな脚色や過剰な演出がなく、淡々と話が進むところが私の好みに合いました。 アメリカ、マサチューセッツ州の州都ボストン。 大学で有名な古都であり、アイルランド系・イタリア系の移民が多い。 2001年、そんな町のローカルの新

    • 世代論の不毛

      年齢の違いと世代の違いについて考えていました。 2つを分けて考えられないかと。 例えば、現在50代の人と 30代の人がいるとします。 両者には 20歳の年齢差からくる感覚の違いがあります。 と同時に、生まれてきた時代が 20年違うので、世代の違いというやつもありそうです。 この2つを混同することなく、それぞれに分けて吟味できるようにしたいと思ったのです。 私が 30代前半の頃に書いていたものを読み返してみました。 あまり面白くありませんでした。 書かれている主旨は概ね賛同で

      • 別居10年。このままでいいという選択肢

        「好きな人がいるんだよね」 久しぶりにオンラインで話したとき、彼女はボソッとそう言った。 驚くことではない。 私の記憶が確かなら、彼女はご主人と別居して 10年以上たつ。 ただ、少々意外ではあった。 基本的に仕事の話しかしない女性だったから。 「いい話じゃないですか」 と言ってみた。 彼女のご主人は大学で教職をもつドイツ人で、ドイツとエジプトで都合 10年ほどの結婚生活ののち、ふたりは別れた。 現在、彼女は東京、ご主人はドイツのカールスルーエに住んでいる。 しかし、離婚の

        • これがグローバル企業のえげつなさだ

          当社はスイスに本社を置くグローバル企業である。 今その本社に激震が走っている。 先週 Global Talent Sourcing Strategy というタイトルのメールが人事担当役員から全社員宛てに送信された。 直訳すれば「グローバル人材調達戦略」である。 タイトルだけ見て、「くだらん」とメールを削除した社員もいたかもしれない。事の重大さがタイトルからはわかりにくいから。 そのメールはこんな文面で始まる。(勝手に和訳する) ここまで読んだ本社社員らは、「なんだと!?」

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        記事

          大人たちの作るドラマが観たいのです

          むかしのドラマが好きです。 とくに 1980年代のドラマ。 70年代だとちょっと古くさく感じ、90年代だと面白くなくなる。 80年代がちょうどいいのです。 これは完全に私の個人的な好みでしかない、と思っていましたが、どうやらそうでもないらしい。 80年代のドラマと 90年代以降のドラマを比較するのによいサンプルがあります。 『北の国から』 調べてみたら、連続ドラマでの初回放送は 1981年でした。 このドラマは 2クール 24話で 1982年に終わったのですが、その後 1

          大人たちの作るドラマが観たいのです

          選挙と地域とコミュニティ

          ゆうです。 衆議院選挙が終わりましたね。 あたしが住んでる選挙区では、裏金議員とか呼ばれてる人が、極左というかコミュニストらしい対立候補を僅差でかわして当選したようですが、そんなことは忘れて。 この選挙で感じた素朴な疑問。 国政選挙なのに地域性が強すぎません? いやその、あたしは社会学の院生でありながら政治にはあまり関心がなくてさ、教授に匙投げられてるくらいだから、トンチンカンな疑問なのかもしれない。 国会議員って国レベルの立法とか政治を行う人たちだと思ってた。 それがど

          選挙と地域とコミュニティ

          広告がなくなる時代に

          Amazonの Prime Videoが 2025年から広告を開始する、との記事について、いろんな人の意見を拝見しました。 Amazonプライムとは、月額600円で配送料が無料になったり「お急ぎ便」が使えたりするのが主な特典で、追加の特典としてPrime Videoの一部の動画が無料で観られるというもの。 あくまで配送料無料の部分がメインの魅力であって、Prime Videoはオマケ的位置づけのようですね。 Prime Videoは、Netflixなどに比べて質も量も劣る

          広告がなくなる時代に

          日本企業はグローバル化して劣化する

          社員 6万人のグローバル企業と言えば、それなりに有能な人材が働いていると思われるかもしれませんが、実態はもちろんそんなわけありません。 むしろ逆で、無能で怠惰な社員を悠々と抱えていられるところに、大企業の大企業たる余裕があるのだと思っています。 日本の大企業にも似たようなところがあるのではないでしょうか。 私はファイナンス系の仕事をしていますが、会社の会計帳簿へのアクセス権はありません。 意思決定の権限はもっています。会計処理に関して、たいていのことは私の裁量で決めることが

          日本企業はグローバル化して劣化する

          noteさんよ。迷走してないかい?

          noteさんの有料記事誘導が露骨さを増していますね。 有料記事が note社の収益源であることは理解します。 なので、noter たちになんとか有料記事を書いてもらおうと以前からあの手この手で誘導してきたことは、営利企業として当然の努力だと思います。 それにしても、今回のキャンペーンは「なりふりかまわず」といった体で、さすがに見苦しいものを感じます。 よほど収益化に苦戦しているのでしょうか。 ついに、「読まれやすくなる」をエサにしましたか。 たしかに、このキャンペーンに

          noteさんよ。迷走してないかい?

          だから私は女性たちを愛す

          新首相の所信表明演説を「所詮表面演説」に改称してはどうかと思う今日この頃、みなさんご機嫌いかがですか? そんな話はさておき。 日本出張中の週末に、同僚二人を連れて箱根を旅行したことに触れました。 じつはこの企画、私のなかで少しばかりの葛藤がありました。 スイスから日本への 2週間の出張という、土日をまたぐ出張なんてそうそうありません。なので、彼女たちが日本での週末をどう過ごすのか気になったことが発端でした。 その一方で、私がそんなことを気にするのは少々お節介かと思ったし

          だから私は女性たちを愛す

          世界を変える言論を埋もれさせない

          「世界はますます速いスピードで変化しています」 みたいな文句を、耳が餃子の王将になるくらい聞いてきたわけですが。 本当にすごいスピードで変化しているのは何なのか? と考えると、そんなものは意外とないんですよね。 テクノロジー? いやいや。最先端の分野はよく知りませんが、生活まわりではそんなに変わっていないですよ。せいぜい流行ワードが上書きされるか、泡沫技術が一瞬記事のネタにされるくらいです。 政治経済? 変わっていませんよね。日本の政界は言うまでもなく、産業構造も生活水

          世界を変える言論を埋もれさせない

          『TAR/ター』を男社会の目線で観る

          中途半端な邦画を 2本観るくらいなら、精巧に作り込まれた洋画を 2回観るほうがいい。 『TAR/ター』はそう思わせてくれる 1本だった。 “女性” マエストロの話であるが、この映画を味わうためにクラシック音楽やオーケストラに明るい必要はない。本作の主題は別のところにある。 考えさせる映画なので、ネタバレという概念はない。 観た方も観ていない方も、一緒に考えてほしいと思う。 成功する女性は男性性を有するのか?主人公の TARは、世界最高峰のオーケストラ、ベルリン・フィルの女

          『TAR/ター』を男社会の目線で観る

          「つまらない」の正体

          ゆうです。 先日、大学院のゼミで扱ったテーマがちょっと面白かったので、みなさんと共有したいと思いました。 若者と年輩者。どっちがより毎日を楽しんでるかって話です。 10代の若者って今が楽しくてキラキラしてるイメージがあるけど、得体の知れない不安と不満を抱えてモンモンとしてるイメージもある。 年輩者は、現役を引退したオーバー60を想定してるんだけど、第二の人生を謳歌してる人がいたり、何が楽しくて生きてるんだかわからないような人もいたり。 20代から50代までの現役世代は何か

          「つまらない」の正体

          改革すべきは働き方ではない。こだわりを捨てることだ

          日本のホワイトカラーの優れているところとダメなところについて、これまでも何本か書きましたが、直近の経験から思ったことを書かせてください。 私は 28年の会社員人生のうち、日本勤務 8年、日本企業の海外駐在員 8年、スイス企業の expat が 12年というキャリアになります。 現在は、スイス企業の本社で多国籍チームと仕事していますが、日本語が話せるので、日本支社との折衝に便利使いされることもあるわけですよ。 そのこと自体はいいんです。私にしかできないことだし、ネイティブ日

          改革すべきは働き方ではない。こだわりを捨てることだ

          移民問題を本音で語ったら極右認定されました

          日本に一時帰国するたびに、年々外国人のプレゼンスが高まっていることをヒシヒシと感じます。 外国人観光客の増加はさておき、日本で普通に暮らす外国人が増えている。つまり、移民のことです。 私が住んでいるジュネーヴ市は移民だらけで、私もその一人です。居住者としての体感で、人口の 60%くらいが移民(=非スイス人)だと思います。 この程度で驚いてはいけません。 私はドバイに住んでいたことがありますが、この首長国では人口の 85%が移民(非UAE人)でした。これは統計データで、体感で

          移民問題を本音で語ったら極右認定されました

          私のロシア考

          私にとってロシアほど愛憎相半ばする国はない。 極めて厄介な国でありながら、ロシア人が愛すべき人たちであることを知っているからだ。 仕事柄、ロシアには 10回以上訪れた。 いずれも監査業務出張なので、1回につき 2~3週間の滞在になる。 プライベイトで訪れたことはない。 ロシアの首都モスクワは大都市である。 政治と経済の中心地であり、ヒト・モノ・カネ・情報が集まっている。 しかし、他国の大都市と比べてこれといった特別感はない。 おとぎの国のお城のような Saint Basi