岩崎貴行 Takayuki Iwasaki

ジャーナリスト・文筆/journalist/出版・編集/音楽(ジャズ、クラシックなど)/文芸/芸術文化/地域文化/ポップカルチャー/ 映画/環境/1979年埼玉県生まれ。日本経済新聞社で社会部、文化部など約20年勤務。24年同社退職 tiwa.tak@gmail.com

岩崎貴行 Takayuki Iwasaki

ジャーナリスト・文筆/journalist/出版・編集/音楽(ジャズ、クラシックなど)/文芸/芸術文化/地域文化/ポップカルチャー/ 映画/環境/1979年埼玉県生まれ。日本経済新聞社で社会部、文化部など約20年勤務。24年同社退職 tiwa.tak@gmail.com

最近の記事

死を悼む1(小澤征爾、2024.2)

#小澤征爾 さん、本当にお世話になりました。僕は晩年の活動を比較的長く見させていただいてましたが、音楽だけでなく、人生についても学ばせていただきました。小澤さんに接すると、皆小澤さんが好きになる。究極の「人たらし」だったと思う。大変残念です。 ある日、たまたま手元に小澤征爾さんに関する本や冊子が一時的に集まった。仕事柄、小澤さんにまつわるだいたいの話は知っているのだが、才能、運、努力、そして人間力が重なるとこんなとんでもなく面白い物語になるのだと改めて。そして、そんな稀有な

    • 芸術文化を歩く21(あんのこと、2024.7)

      高校の同学年である #入江悠 監督の「#あんのこと」、ミニシアターの川越スカラ座で観た。希望と絶望、愛情と憎悪、信頼と裏切りが目まぐるしく交錯する壮絶なドラマ。人間の生きる意味、価値というものを突きつけられる素晴らしい映画だった。細かな表情で心情の揺れ動きを表現した #河合優実 さんも秀逸。 川越スカラ座に行くにあたり、久々に小江戸・川越の街も歩いた。やはり川越は文化と伝統の香りがするいいところ。ものすごい数の外国人客がいた。

      • 文化人物録82(山下澄人)

        山下澄人(作家) →1966年神戸市生まれ。#倉本聰 の #富良野塾 二期生。96年 #劇団FICTION を旗揚げ。97年より現在まで劇団FICTIONを主宰。作・演出を担当し出演も兼ねる。15年4月飴屋法水作・演出『コルバトントリ、』原作・出演、17年9月飴屋法水演出・出演「を待ちながら」脚本・出演。2011年より小説を発表し、12年初の単行本「緑のさる」(平凡社刊)を刊行。『ギッちょん』で第147回芥川賞候補。『緑のさる』で第34回野間文藝新人賞。2013年『砂漠ダンス

        • 芸術文化を歩く20(椎名誠「さらば国分寺書店のオババ」、2024.9)

          僕が会いたかった人の一人である #椎名誠 さんには仕事でお会いできた。処女作「#さらば国分寺書店のオババ」「#あやしい探検隊シリーズ」など「#昭和軽薄体」と呼ばれる文体は僕の心をガッチリ掴んだ。面白すぎて、電車の中で読むと一人で吹き出したりにやけたりしていた。怪しい奴と思われていたに違いない。 僕の中では椎名さんに並ぶ「平成軽薄体」とでも呼ぶべき作家もいる。それが #原田宗典 さんである。原田さんのエッセーも面白すぎて、人前ではとても読めなかった。 だが、原田さんはその後

          私的音楽アーカイブ117(シノーポリほか)

          1161.シノーポリ指揮ニューヨークフィル:ムソルグスキー「展覧会の絵」「はげ山の一夜」 1162.シノーポリ指揮ドレスデン国立管弦楽団:シューベルト「交響曲第8・第9番」 1163.堀米ゆず子:ヴァイオリンワークスVol.1 1164.堀米ゆず子:ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第15番」 1165.バーンスタイン指揮シカゴ響&ウィーンフィル:ショスタコーヴィチ「交響曲第7番(レニングラード)・9番」 1166.ブルーノワルター指揮コロンビア響:ベートーヴェン「交響曲第5番・第

          私的音楽アーカイブ117(シノーポリほか)

          芸術文化を歩く19(島村一平「憑依と抵抗」、2024.9)

          #島村一平 さんの著書「#憑依と抵抗」面白い。 #モンゴル文化 に詳しい #大西夏奈子 さんにご紹介いただいて読んだが、#チンギスハン 以降の国の歴史に根付いた #シャーマニズム と #ヒップホップ が言霊で繋がっていることがよく分かる。 #モンゴル モンゴルの本で思い出したが、以前 ジャーナリストにして #ゴールデン街 と荒木町、2軒のプチ文壇バーを経営する #肥沼和之 さんとともに大西さんに連れて行っていただいたモンゴル料理店で独特のスマホケースをいただいた。呪術的です

          芸術文化を歩く19(島村一平「憑依と抵抗」、2024.9)

          芸術文化を歩く18(根津美術館&岡本太郎記念館、2024.9)

          久々に #根津美術館 へ行った。#尾形光琳、#鈴木其一 の絵画など名作揃いだが、ここも東京にいるとむしろ行く機会がない。庭園なども含め観る価値は高い。 近くにはこれまた通るだけだった #岡本太郎記念館 。いずれの美術館も客は外国人の方が多いかもしれない。 新職場は表参道にあるため、実は根津美術館、岡本太郎記念館、さらにブルーノート東京もかなり近い。渋谷も徒歩で行ける。

          芸術文化を歩く18(根津美術館&岡本太郎記念館、2024.9)

          文化人物録81(マリーナレベカ)

          マリーナ・レベカ(ソプラノ歌手) →1980年ラトビア・リガ生まれ。サンタ・チェチーリア音楽院卒。ザルツブルクの国際サマー・アカデミーとペーザロのロッシーニ・アカデミーで研鑽を積み、ヴェルディとロッシーニ、モーツァルトの第一人者として世界で高い評判を得て、2017/18シーズンではミュンヘン放送管弦楽団の最初のアーティスト・イン・レジデンス。 これまでロイヤル・オペラ・ハウス、MET、ウィーン国立歌劇場、パリ・オペラ座、ミラノ・スカラ座等、世界の主要なオペラハウスで『椿姫

          文化人物録81(マリーナレベカ)

          芸術文化を歩く17(澤田育子&グッドモーニングナンバーファイブ、2024.9)

          下北沢の #スズナリ で女優・演出家の  #澤田育子 さん率いる「#グッドモーニングナンバーファイブ good morning N°5 」の舞台「VOGUES」を見た。スズナリ、久々に来たが相変わらずのこの人間くさい空間がやはりいい。 この作品は基本バカバカしく何も考えずとも楽しめるのだが、その裏には弱い立場の者への温かい眼差しや社会への反骨心がある。AI全盛の時代を迎えようとしている中、人間じたいのあり方も考えさせられる。 #演劇 とはそういうものだと思う。

          芸術文化を歩く17(澤田育子&グッドモーニングナンバーファイブ、2024.9)

          私的音楽アーカイブ116(カマシワシントンほか)

          1151.カマシワシントン:THE EPIC 1152.挾間美帆:Journey to Journey 1153.エスペランサスポルディング:RADIO MUSIC SOCIETY 1154.ロバートグラスパー:COVERD 1155.宮川純:THE WAY 1156.黒田卓也:RISING SON 1157.朝比奈隆指揮大阪フィル:ブルックナー「交響曲第7番」 1158.佐渡裕指揮NHK交響楽団:ホルスト「組曲『惑星』」 1159.トスカニーニ指揮NBC交響楽団 ベートーヴ

          私的音楽アーカイブ116(カマシワシントンほか)

          芸術文化を歩く16(松井秀太郎、2024.9)

          昨日、#サントリーホール でジャズトランペッター #松井秀太郎 さんのライブを初めて聴いた。すごいと噂には聞いていたが、#クリフォードブラウン のような輝かしい音色だった。 ピアノの #壷阪健登 さんらカルテットのメンバーも素晴らしく、オリジナル中心の選曲にも好感が持てた。まだ若いだけに、今後どう進化するのか本当に楽しみ。

          芸術文化を歩く16(松井秀太郎、2024.9)

          文化人物録80(崔文洙)

          崔文洙(ヴァイオリニスト、新日本フィルハーモニー交響楽団ソロ・コンサートマスター) →東京生まれ。桐朋学園大学ディプロマコースを経て1988年ソヴィエト政府奨学金を受けモスクワ音楽院に留学。94年同音楽院を首席で卒業し、同大学院に進み97年帰国。同年小澤征爾に認められ、新日本フィルのコンサートマスターに就任。2000年より同楽団のソロ・コンサートマスターを務める。2009年より大阪フィルの首席客演コンサートマスターに就任。2019年より同楽団のソロ・コンサートマスターを務める

          文化人物録80(崔文洙)

          芸術文化を歩く15(美術家・犬飼将隆、2024.9)

          若手美術家、#犬飼将隆 さんの個展@大森。以前も個展を拝見したが、古典的なようで新しく、精緻なようで曖昧という不思議な魅力を持った作品の数々が面白い。このつかみどころのなさは今の若い美術家には珍しいタイプかもしれない。 正統派のギリシャ彫刻のようであり、瀟洒な西洋絵画のようにも見える。さらに現代的な恋愛漫画の悲劇のヒロインのようでもあるし、ゲームなどのカリスマキャラクターにも見える。見る人や状況によって見え方がコロコロ変わるのである。 そして精緻な作風ながら作品数もかなり

          芸術文化を歩く15(美術家・犬飼将隆、2024.9)

          私的音楽アーカイブ115(小澤征爾ほか)

          1141.川瀬賢太郎指揮神奈川フィルハーモニー管弦楽団:マーラー交響曲第2番「復活」 1142.キングクリムゾン:キングクリムゾンの冒険 1143.小澤征爾指揮ウィーンフィル:ニューイヤーコンサート2002 1144.小澤征爾指揮ベルリンフィル:チャイコフスキー「1812年」「スラヴ行進曲」ほか 1145.小澤征爾指揮ボストン交響楽団・サンフランシスコ交響楽団:ベルリオーズ「幻想交響曲」ほか 1146.カラヤン指揮ベルリンフィル:ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」ほか 114

          私的音楽アーカイブ115(小澤征爾ほか)

          芸術文化を歩く14(DJ山本ムーグ&杉田元一、2024.8)

          #DJ #山本ムーグ さんと元ソニーミュージック #杉田元一 さんが武蔵境の #バー穴熊 で不定期にやっているDJタイムに初めて行った。 前々から話には聞いていて行ってみたかったが、ようやく実現できた。#ストロベリースウィッチブレイド から #シベリウス、#研ナオコ、#PUFFY まで縦横無尽に展開されるアングラ的世界。 未確認ながらおそらく僕が最年少の部類だったと思うが、来ている方々は超個性的な面々ばかりでものすごい空間だった。中央線文化圏はこういう店や人がまだ残ってる

          芸術文化を歩く14(DJ山本ムーグ&杉田元一、2024.8)

          芸術文化を歩く13(ウィンストンチャーチル、2024.8)

          今更ながら映画「ウィンストン・チャーチル」を観た。政治的にはいろいろ意見があるだろうが、政治家にとって言葉ががいかに重要かを改めて浮き彫りにした意味は大いにある。 日本も含め、世界的に見ても政治家の言葉の重みなんてもはや忘却の彼方かもしれない。いや、間違いなく忘却の彼方であろう。 #ウィンストンチャーチル  #映画

          芸術文化を歩く13(ウィンストンチャーチル、2024.8)