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観光客が行かない富良野市の旅・後篇
北の国からー富良野市
空知川と富良野川の合流地点に富良野市があります。
富良野と名の付く行政は4つあり、北から上富良野町、中富良野町、富良野市、南富良野町と続き、富良野市は中核都市になっています。
また、交通の要衝でもあり、滝川市からの国道38号は狩勝峠を越えて道東に行く玄関口ですし、旭川から日高へ通じる国道237号との接点でもあります。
更に、国道38号と並行して走るJR根室本線と、旭川からのJR富良野線は終点駅になっています。
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この富良野市を有名にしたのは倉本聰脚本「北の国から」でした。
昭和56年~平成14年まで放映されたフジテレビの長大なるドラマです。
ロケ地となったのはJR根室本線布部駅(廃駅駅)からはじまり「麓郷の森」でした。ロケに使われた主人公黒板五郎の丸太小屋や石の家などのセットは、そのまま観光施設として保存されています。
倉本聰は次のように語っています。
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北海道の情景の中に常に見られる一つのものがある。それは、厳しい北の歴史の中に無残に残された廃屋である。たとえばこの富良野。かつての開拓の跡を見るがいい。既に見捨てられた草むらの中に眠るいくつもの廃屋をあなたは見るだろう。
40年に及ぶ東京暮らしを捨て、僕が初めてこの土地に来た時、何よりも心を揺さぶったのは、この廃屋の情景であった。
『北の国から』は、いわばその頃(昭和20年春の岡山県山奥疎開)の僕の心情の端を発している。
やっぱり、ふるさとは富良野だ。
まわり道して東京に育ったが、やっと戻れたふるさとである。
毎年、富良野は観光客で賑わいます。
現在はニセコの次にスキーリゾート地として外国人が土地を買い市民が戸惑っています。