sae@映画ソムリエ

年間200本映画館で最新映画見るのが趣味の会社員(ジャンル問わず。ただしホラー除く)。ネタバレなしでおすすめ映画をご紹介します。Amazonアソシエイトに参加中。

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最近の記事

映画感想文「DOG DAYS 君といつまでも」キュートで目が離せない、ユ・ヘジンの魅力全開

この人には密かに注目してる。 それが本作の主人公、ユ・ヘジンである。 決してイケメンではない(失礼)。だけど妙に記憶に残る顔。そして演技。なんていうか、美男ではないが、存在自体に華があるのだ。そして、演じる役の幅が広い。 振り返ればこの一年で彼の作品はこれで四つ目。これ、凄くないか? 「梟-フクロウ-」での狂気的な王、「マイ・スイート・ハニー」でのお人好しで奥手の研究員、「コンフィデンシャル」の鮮やかなアクションの刑事。 また私は未視聴だが、公開中の「破墓 パミョ」

    • 映画感想文「対外秘」韓国映画。情報を握る者が権力を掴み、権力を持つ者が情報を握る

      政治家にはぜったいなれないわー。 こういう作品を観た時、しみじみと思う。 うまく立ち回れない。いや、そもそも勝つとか負けるとか、出し抜くとか、そんな気迫は持ち合わせない。かつ、それを凌駕する頭脳もない。自分がつくづく平凡な人間だと自覚する。 韓国発。政治家、ヤクザ、商売人などなどが絡む、騙し騙されのサスペンス劇である。 舞台は海辺の街、釜山。政治家のヘウンは浮き足立っていた。何しろ、やっとのことで党の公認をもらい、国会議員選挙に出馬するのだ。後ろ盾にはヘウンが散々尽く

      • 映画感想文「アット・ザ・ベンチ」旬の才能が集結。瑞々しい5編のオムニバス映画は必見だ

        チャーミングな煌めきのある作品だった。 今をときめく脚本家、俳優が集まった五編のオムニバス形式。仲良しが集まって楽しんで作った感あり、わちゃわちゃ感が伝わり、観てる方も楽しい。 二子玉川の川沿いにある古いベンチ。そこに集う人たちの会話劇。それぞれテイスト違うのが、飽きずに最後まで観ることできて、めちゃくちゃ面白かった。 【エピソード1】幼馴染の妙齢男女。お互いに淡い好意ある同士の甘噛み。を、広瀬すずと仲野太賀で描く。あるある、な瑞々しい会話が秀逸。脚本は生方美久。男女の

        • 映画感想文「ココでのはなし」下町のゲストハウスに集う人々の縁側の関係にあったまる

          ぬるま湯に包まれたような、ぬくい映画だった。 東京下町のゲストハウスに集う人々のそれぞれの物語。ゲストを迎えるのはこの3人。 旅好きで明るいオーナー博文(結城貴史)、息苦しい田舎から逃げてきた詩子(山本奈衣瑠)。SNSで日々の生活を発信することが生きがいの泉(吉行和子)。 そこにやってくる旅人も、多彩だ。 声優になりたくて来日。いまは夢を諦め日本で働いてるアニメオタク中国人のシャオルー(生越千晴)。やりたいことが見つからず自ら場末と呼ぶ場所でアルバイトしてるフリーター

          映画感想文「ぼくとパパ、約束の週末」自閉症スペクトラムの10歳の息子とパパの物語

          正直、これはきつい。 もし自分の息子でも相当キツイと思ってしまった。寄り添う家族の大変さをしみじみと痛感する。自閉症スペクトラムの息子と家族の物語。 こだわり強く、マイルール通りに行動しないとパニックになる。対人コミュニケーションが苦手。興味の範囲は狭いが興味を持ったことにはとことん取り組む。いわゆる非凡な才能を発揮したりもする。 そんな様がリアルに描かれてて、なるほどー、こんな感じなんだーと勉強になった。現在放映中のテレビドラマ「ライオンの隠れ家」でも主演の柳楽優弥の

          映画感想文「ぼくとパパ、約束の週末」自閉症スペクトラムの10歳の息子とパパの物語

          映画感想文「動物界」タイトルに惑わされずに観てほしいヒューマンドラマ

          タイトルとは、全く違うテイストだった作品。 結論、「観てよかった」。 ちなみに、予告もタイトル同様に本作の良さを伝えきれてない。迷ってる人には、ぜひ観ることをお勧めする。 原因不明の奇病。人間が動物になってしまう。言葉も話せず見た目もまるで動物。なにこれ。恐ろしすぎるんですが。 更に、微妙に人間時代と似た風貌の動物になってるところがリアル感を生んでおり、より恐ろしさを増長させてる。 しかし言いたきことはここではなく。愛を描いた作品だった。というオチ。 いやー、それ

          映画感想文「動物界」タイトルに惑わされずに観てほしいヒューマンドラマ

          映画感想文「あたしの!」王道ラブコメ。若者が感情ぶつけ合う一生懸命さって爽やかだ

          案外良くて、満足。 高校生男女4人が繰り広げる、青春王道ラブコメ。 頑張り屋で真っ直ぐなあここ(渡邉美穂)。全校一の人気者直己(木村柾哉)と同じクラスになり、早速アプローチ。しかしやっぱり、すぐに玉砕。 直己は誰とも付き合わないと宣言してる男子なのだ。しかし、それでも諦めずに真っ直ぐ愛情をぶつけてくる正直で裏表ないあここ。そんな彼女に直己も段々惹かれていく。 この突拍子もない漫画キャラのあここを違和感なく演じ切ってた渡邉美穂に拍手を送りたい気持ち。一点の曇りもなかった

          映画感想文「あたしの!」王道ラブコメ。若者が感情ぶつけ合う一生懸命さって爽やかだ

          映画感想文「阿修羅のごとく」向田邦子の昭和名作。四姉妹で描く女のややこしさ

          昭和の名作である。 向田邦子「阿修羅のごとく」。テレビドラマ放映は1979年。子供の頃、訳もわからず観た記憶がある。大人の機微なんてわからない当時、もちろんよく理解できなかった。 長じてから小説として手に取った。うまいっ!と思わず、唸った。以来、何度読んだことか。 何度読んでも姉妹の関係性の微妙さ、女という生き物のややこしさ、について考えさせられる。 先日、是枝裕和監督でNetflixにより映画化されるというニュースをみた。そうだった。確か20年前にも映画化されたなと

          映画感想文「阿修羅のごとく」向田邦子の昭和名作。四姉妹で描く女のややこしさ

          映画感想文「室井慎次 生き続ける者」ツッコミどころ満載なれど胸打つ後編。心に訴えかける

          ツッコミどころは満載だ。 展開の安易さとか、伏線回収しきれてないとか、いまのコンプライアンスだとそれはダメなのではないかとか。言えばきりがない。 でも、そんなことはどうでも良い。全て吹き飛ばしちまえ!というくらい、室井さんという人の人生が伝わる映画だった。そこに、胸打たれた。 不器用で口下手。感情表現は上手くない。 そんな彼がどんな思いで警察人生を過ごしてきたか。辞める時には何を自分に問いかけていたのか。そして、これからの人生をどのように仕舞おうと思ったのか。 それ

          映画感想文「室井慎次 生き続ける者」ツッコミどころ満載なれど胸打つ後編。心に訴えかける

          映画感想文「レッド・ワン」イブ前夜に誘拐されたサンタの救出劇。ドタバタの中に道徳がちらほら

          なんかつまんなそうじゃん。 そう疑ったが、訂正。そこそこ面白かった。さすが、ハリウッド。一定レベルはクリア。 それに、季節もの映画。街にクリスマスツリーが登場し始めた今日この頃、クリスマスシーズンらしい賑わいあり、これからのシーズンにぴったりな映画である。つまり、一定の需要ありそう。 クリスマス・イブの前日。何者かにサンタがさらわれた。護衛隊長のカラム(ドウェイン・ジョンソン)は命をかけて救出に向かう。その過程で出くわした一般人、頭は切れるが犯罪者でどうしようもないなら

          映画感想文「レッド・ワン」イブ前夜に誘拐されたサンタの救出劇。ドタバタの中に道徳がちらほら

          映画感想文「ロボットドリームズ」出会いと別れを描く大人向けアニメ。セリフなしでも沁みる

          出会いと別れを繰り返してきた。 毎回、ときめきと落胆を体験する。特に喪失は、時に耐えられない絶望をもたらす。 そんな万国共通の人間の営みをセリフなしのアニメ、登場人物はオールキャスト動物、で表現する意欲的な作品。それにより、より普遍的な物語となっている。 今年のアカデミー賞で長篇アニメーション賞にノミネートされた。原作は米国の作家サラ・バロン、監督はスペインのパブロ・ベルヘル。(ちなみに蛇足だが、同年のこのタイトルの受賞作は宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」である)

          映画感想文「ロボットドリームズ」出会いと別れを描く大人向けアニメ。セリフなしでも沁みる

          映画感想文「ルート29」普通から少しだけずれたふたりのロードムービー。綾瀬はるか美しすぎる

          確かに生きにくい。 世の中の普通からちょこっとだけでもズレると。 だから毎日一生懸命、普通に合わせてる。少しでもズレないように気を遣い、目立たぬように生きてる。少しのずれでも生きていくのに苦労するから。 そんな2人の物語。 人とうまくコミュニケーションが取れないのりこ(綾瀬はるか)は、孤独だ。地方都市で清掃員として働いている。職場で友達はいない。誰とも話さない。家に帰ればろくに家具もない部屋でひとり夕食を取る。 そんなある日、清掃に訪れた精神病棟で出会った女性(市川

          映画感想文「ルート29」普通から少しだけずれたふたりのロードムービー。綾瀬はるか美しすぎる

          映画感想文「本心」近未来のバーチャルな人間とリアル人間の邂逅。どちらも曖昧な存在である

          ありそうで怖い。 サクヤ(池松壮亮)はある日、母(田中裕子)から「大切な話がある」と電話を受ける。帰宅すると雨の中、川沿いを歩く母の姿が。危ない、とサクヤは豪雨の中で母を追いかけるが、見失ってしまう。 そして、大切な話を聞くこともなく母は亡くなってしまう。 母の話しが何だったのか後ろ髪引かれるサクヤは、300万円で母のバーチャルフィギュアを作る。 そして、母の友人だったというミヨシ(三吉彩花)と母のバーチャルフィギュアの3人で一緒に暮らし始める。 貧しいが平穏な暮ら

          映画感想文「本心」近未来のバーチャルな人間とリアル人間の邂逅。どちらも曖昧な存在である

          映画感想文「ゼンブ・オブ・トーキョー」東京の楽しさを一緒に体験できる日向坂46映画

          スカッと爽やか、青春だった。 「日向坂46」4期生メンバー勢揃いの青春ストーリー。修学旅行で東京にやってきた地方の女子高生11人。自由行動で「東京の全部」を楽しむ姿を描く。 自由行動で班長になった池園(正源司陽子)。張り切って東京の全部を盛り込んだ企画を作る。でもそれぞれの東京を楽しみたいメンバーとの温度差あり、結局はみんなが単独行動に。 しかし、ある事件をきっかけにみんなが集結する。 スカイツリー、月島、築地、上野公園、原宿竹下通り、明治神宮、渋谷スクランブル交差点

          映画感想文「ゼンブ・オブ・トーキョー」東京の楽しさを一緒に体験できる日向坂46映画

          映画感想文「ヴェノム ザ・ラストダンス」アメコミ王道、油断させといて最後泣かせる

          あー、苦手なんだよね。 な、アメコミ。だが、評価高く視聴。 ご存知マーベルコミックのヴェノム。さすがだわ、やっぱりハリウッド超大作は豪華だし手が込んでるし、映画代は元とれた気がするから凄い。 主演のトム・ハーディが華がないがチャーミング。好感持てる。連ドラの主演的な感じ。でも他の登場人物がいまひとつ惹きつけ力に欠けて惜しい。 エディに張り付く地球外生命体のヴェノムが案外可愛い。もはや三作目になり、エディと一心同体感も増してまさにバディ。チームワークで敵をやっつけ、危機

          映画感想文「ヴェノム ザ・ラストダンス」アメコミ王道、油断させといて最後泣かせる

          映画感想文「十一人の賊軍」幕末にうまいことやった新発田藩のエピソードを元にした物語

          あっという間の155分。 長尺に躊躇していたが観て正解。めちゃくちゃ面白かった。迷ってる方には全力でオススメする。 おすすめポイントは3つ。 1.些細なことで罪に問われ、すぐに処罰される。そんな人権なき時代の罪人。彼らの決死の戦いが「なんでもあり」で胸がすく 2.キャスティング最高。キャラとの一致もあり、多彩な登場人物が魅力的で引き込まれる 3.殺陣のレベルが高く美しい 時代は江戸末期の1868年。徳川慶喜の旧幕府軍、薩摩藩と長州藩を中心とした新政府軍の戊辰戦争。

          映画感想文「十一人の賊軍」幕末にうまいことやった新発田藩のエピソードを元にした物語