一人の力ではないという感覚。
このところはそれを強く強く感じている。
その昔、さくらももこ先生の「さくらえび」を
読んでいた時の事。
「『北の国から』の現場へ」というエッセイがある。
さくら先生が、倉本聰先生のラジオへ出演するために
富良野へ行った時の話である。
ラジオ収録に始まり濃密でバカバカしくありつつ楽しい時間を過ごし、
一緒に食事をしていた時の事。倉本聰曰く、
この文章に感銘を受けたのを覚えている。
一人の力じゃない。神様が力を貸してくれている。
しかし当時の私は荒んだ環境で生き続けた結果、
神など信じるものかという気持ちもあった。
まるっと飲み込むという事は出来なかった。
「一人の力じゃない・・か」程度に留まった。
そして時が経ち、現在。
酷いコミュ障と人間不信気味で
八方塞がりのフリー絵描き(ラインスタンプだけじゃ・・ね)
信頼出来る知人や友人の伝手を頼りに、
仕事を請け負う事から始めている。
年末は友人にアイコンとヘッダーを描くのだ。
その友人も、最初は有償依頼というものに
積極的では無かった。
フリー前までは無償で描いてたからなぁ。
絵の実力も、お眼鏡にはかなっていなかったらしい。
そんな彼女は私のxの様子をずっと見ていた。
最初の2ヶ月はほぼフォロワーさんがいなかった。
一生懸命に描いても1いいねも付かない日々に
挫けそうになった。
友人は自分の知っているジャンルの絵にしか
いいねしないので、公平である。
(この間ヘムヘムを描いたらいいねをくれた)
少しずつ、フォロワーさんが増えていき
私はフォロワーさん感謝企画として色々やってみた。
推しのキャラを描きます、選んだキャラにゴスロリを着せます。
考えたシチュエーションで好きなキャラ描きます、などなど。
どれも好評を頂いた。
フォロワーさんも着々と増えて行った。
その様を見ていた友人は、
ついにでかめの依頼を私にくれたのだ。
生きるためには絵の実力を上げねばならない。
そう考えてずっと走っている。命がけなのだ。
朝から晩まで、LINEスタンプを作ってみたり
趣味の絵を描いたり。描いていないと落ち着かない状態。
そんな生活を続けたら、
「こんな構図無理!」と投げていたものが
少しずつ描けるようになってきたのだ。
果たしてこれは一人だけの力か?
否、
見てくれている人がいるからだと考える。
貴方が見てくれているから頑張れるのだ。
そういう気持ちで描いていたら
どんどん良くなっているような感じがした。
一人の力ではない。
後ろに私を見てくれる沢山の人が立っている。
そうして仕上がった絵は、どこか自分で描いたものではない
感覚がある。何か別の力が働いたような・・。
今も一人であったら、
相変わらず独りよがりの表現をさらけ出して
歪んだ気持ちが更に歪んで鬱を吐き出していた事だろう。
私の神がいるならば、人である。
神絵師、優しいフォロワーさん、
何かと気にかけてくれる周りの人たち・・
崇拝対象ではない。
感謝と尊敬を捧げるべき人達である。
そんな方々のありがたい助力を賜って、
私は創作に邁進したい。
描かせて頂いている。
その気持ちをずっと忘れずに。