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2022年7月の記事一覧
読書📖連作短篇集とは? | 小川洋子「寡黙な死骸 みだらな弔い」
何度か書いているが、大きな書店に行ったときは、必ず洋書売場を覗く。
邦訳で読んで、英語などの原書を探すことが多いが、英語訳を読んでから、日本語の原書を探すこともある。
振り返ってみると、英語学習が日本語の小説を読むきっかけになったことが多かった。
洋書売場の日本文学のコーナーは、最近では、様々な現代文学も訳されるようになっている。
きちんと調べたわけではなく、あくまで売場をパッと見た印象
エッセイ | 「これでいいのだ」の哲学的一考察
これでいいのだ。
言うまでもなく、赤塚不二夫先生の名言である。タモリさんの弔辞にも「これでいいのだ」について言及したくだりがある。
あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに前向きに肯定し、受け入れることです。それによって人間は、重苦しい意味の世界から解放され、軽やかになり、また時間は前後関係から絶ちはなたれて、その時その場が異様に明るく感じられます。この考えをあなたは見事に一言で
息子のくれたコーヒーカップ
今は遠く離れて暮らす
大学生の長男が
以前 母の日にコーヒーカップをくれました。
ひとつ目はたしか
9年前の中学生のときにくれた
ピンクの花柄のマグカップ。
去年に贈ってくれたもうひとつは、
自分が好きな形と色を選べる
カタログギフトのもの。
夫とペアで選べるようにと
粋な図らいをしてくれました。
わたしの好きな淡いグリーン色で
丸い涙のような形のカップにしました。
両方お気に入りのカ
作者がコントロールできること・できないこと。
もっぱら一読者として一冊の書物を読むことを想定しよう。
読者は、読む本のジャンルや読む目的に応じて、読み方を変える。必ずしも最初のページから最後のページへ辿り着く、という読み方をしていない。
学術書であれば、目次を見て、自分の今知りたいこと・興味のある箇所を見つけて、そのページから読み始める。面白ければ、他のページも読むだろう。
面白い本であれば、最初はここ、次はここ、その次はここを読む
詩 | いいの、休んでも...
暑いでしょ。
ゆっくり休んでもいいのよ。
体は正直だから。
悲鳴をあげているんじゃない?
人間だって生き物よ。
調子のいいときも悪いときもある。
だから、立ち止まることも必要。
年がら年中同じペースなんて
所詮無理なのよ。
いつも元気いっぱいに見える人も
人知れずため息をついているものよ。
わたしの仕事はあなたを癒すこと。
ちょっとだけ、日常を忘れてみない?
気持ちが軽くなるはずよ。
無理し
ひっそり応募 | 『ご注文は?』(#たいらとショートショート)
「先にお飲み物お伺いしましょうか?」
黒のキャミに、バニーガール👯♀️のウサギ🐰の耳のようなコスチュームを身につけたセクシーな女性が出迎えてくれた。
わたしは今、知る人ぞ知るカフェに来ている。店内に入ると、通信機器はいっさい使うことが出来ない。
うわさには聞いていたが、妖艶な雰囲気に、わたしは気圧されていた。
「お飲み物は?」
もう一度、懇願するような口調で、女の子に尋ねら
ショートショート | カミングアウトコンビニ
古墳とラブホしかない丘の上に、コンビニが一軒、ぽつんとあった。
妖艶な看板には「カミングアウト・コンビニ」と書かれている。
「とりあえず、コンビニで、飲み物と朝の食べる物を買っていこう。ラブホじゃ、なにも置いてないからさ」
「そうだね、ナミも一緒に来る?」
「もちろん。こんな山奥で、車の中に1人ぼっちは寂しすぎる」
私たちは、一緒に店内に入った。
「いらっしゃいませ。1人100円。