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#日本史がすき

日本史がすきだと感じたエピソード、学習の記録、勉強法など、日本史にまつわる投稿を募集します!

人気の記事一覧

noteで読まれやすい記事について | noteでnoteのことばかり書いてると。。。

 noteでnoteのことを書くと、スキだのビュー数って伸びやすい。  それにプラスして、誰々から誹謗中傷されたとか、こんなヤツをブロックしただの書けば、スキは減ってもビュー数は増える。だけど虚しさしかない。  noteの中で、こんなことがありましたって書くときは、運営が思うような対処をしてくれないという、やむにやまれぬ状況以外のときは、なるべく書かないほうがいいかもね。  次にnoteで読まれやすいのは、「書き方」に関することや「どうやったらたくさんの人に読んでもらえる

真夏の嵐山日帰り旅「源氏物語と斎宮と縁を結ぶ野宮神社」後篇

近現代日本文学を代表する小説家の一人、坂口安吾さんの短編小説『桜の森の満開の下』読みました。 あなたの知らない京都旅~1200年の物語~「平安時代に出逢える京都三山 西山」で勝持寺の西行桜を眺めていた中村雅俊さんが上記作品を引き合いに出されたのがキッカケになります。 まずはじめに、この作品は青空文庫に収録されていて無料で読めます。ただ他の方にオススメすることはできません。いわゆる放送禁止用語が並んでいて後半にグロテスク描写があるからです。生々しさはないので我孫子武丸著『殺

日本で仏教が広まったのは、誕生仏がかわいかったから?──西山厚『語りだす奈良 1300年のたからもの』

もうずっと以前のことになるが、お釈迦さまの生誕地に行ったことがある。 ルンビニー。インドから国境を越え、ネパールに入ってすぐのところだ。国境のしるしに丸太が置かれていたのがなんともいい感じだった。 お釈迦さまが生まれたのは今からおよそ2500年前。 お母さんは、出産のため、実家に戻る途中、ルンビニーの園で休息した。そして、かぐわしい香りのお花を取ろうと右手を伸ばしたら、右脇から元気な男の子が誕生した。お釈迦さまである。 お釈迦さまは、すぐに立ち上がり、七歩あるき、右手

京都検定2024受験記「磁器と陶器の違いとか」

皆様にご報告したいことがあります。 これまで『真夏の嵐山日帰り旅』を週二回ペースで投稿していました。先週から週イチにしたのは、京都検定二級対策に集中したいのと九月に行なう予定だった京都旅を十月に延期したからです。真実を申しますね。ネタ切れを避けるため投稿頻度を減らしました。嵐山以外の旅画像はただいまゼロです。 なぜ旅を延期したのか。 九月の過酷な暑さが一番の原因になります。大谷翔平の50-50より先に京都市の猛暑日と熱帯夜が「50&50」になったと京都新聞が記事にしてい

鑑賞*笛吹川の風美しき九月かな

佐野 聰 川の流れを眺めながらも対象物との間に時間の流れを置いて笛吹川を透かし見ている。 笛吹川、なんとも美しく一度聞いたら忘れられない名前である。 その名前の由来は悲しく、六百年ほど前、父を追って住みついた笛の名手の権太郎と母が秋の長雨による洪水で流されて…という悲話が言い伝えられている。 悲しい気持ちのときほど空や風の美しさが身にしみる。 (岡田 耕) (俳句雑誌「風友」平成二十四年一月号 「風友」五周年記念大会吟行記「笛吹川の風美し

【源氏⑧】平氏が京都から敗走ーーーッ〈源平合戦の相関図〉

歴史って知れば知るほどおもしろい。 「歴史の人物相関図」がちょっとでも歴史を分かるきっかけになれば、と思いつくっているnoteです。 今回のシリーズは源頼朝&源義経の兄弟の物語。 さて、前回の記事で、涙の再会を果たした源氏ブラザーズ。 今回は、そんな兄弟のライバル・源義仲(みなもとのよしなか)の登場です。 平清盛がついに病死… こりぁあ世の中変わるで! 頼朝たちが関東で着実に勢力を伸ばしているとき、西からビッグニュースがもたらされます。 平清盛が病死。 あの最強

どうして茅の輪をくぐるのか(その3)

【スキ御礼】どうして茅の輪をくぐるのか(その1) 【スキ御礼】どうして茅の輪をくぐるのか(その2) この菅貫神事は現在の宇佐神宮でも、7月31日、8月1日、8月2日に斎行される御神幸祭(夏越祭り)の中で行われています。 菅貫神事の流れは文字ではわかりづらいので動画でも確認しましょう。  菅貫神事は動画の8:05から3分程度収録されています。(宇佐市観光協会ツーリズムTV 平成25年8月2日収録) 動画に出てくる字幕を以下に書き出します。 ここで押さえておくべきは、「神

皇配 | 天皇制について思うこと

 いま、自由民主党の総裁選と立憲民主党の代表選がニュースの話題になることが多い。  経済、防衛、子育て支援、災害対策、年金制度など様々な論点がある。  アメリカでは、共和党のトランプさんと民主党のハリスさん。大統領選挙が話題になっている。  日本は議院内閣制で、アメリカは大統領制だから、総理大臣と大統領を単純に比較することは出来ないけれども、アメリカ大統領も総理大臣も、どちらも基本的には任期は4年程度。 (*実際には聞いたことはないが、総裁ではなくなっても、総理大臣を辞

映画館で知らん観客達が、みんな笑って、そして泣いてた。「もしも徳川家康が総理大臣になったら」

ここ数年間、洋画は観てなくて、結果として邦画ばかり観ている雲です。 近年、日本映画界は黄金期と思えるほど素晴らしい作品が多いです。 私は洋画が好きです。先月、スタローンのロッキーシリーズを観て「ロッキーは大和魂のあるすばらしい漢だ」と言って周りから「あいつは外人じゃ!」と一斉放火くらいました。 古い映画も洋画のほうが好きですが、最近は邦画をよく観ます。 私は歴史好きなのもありますが、誘われて、この映画を観に行ったのが動機でした。 たぶん一人ならこのタイトルの映画は選ばなか

春分の京都旅行「佛光寺 後篇」大師堂と阿弥陀堂

『東京のイチョウ並木は全部切ったほうがいい』 自分の目を疑いました。いくら表現の自由が赦されているネットの世界だからって言って良いことと悪いことがあります。 東京神田警察通りのイチョウ並木伐採問題を皆様はご存知でしょうか。なぜか神宮外苑再開発が東京都知事選の争点になっていましたが、神宮外苑は民間企業が主体。神田警察通りは区道なので行政の管轄です。当然東京都知事の権限に近いのは後者になります。この問題については2022年頃から東京新聞が特集を組んでいました。しかし彼らはどう

東京駅前に立つあの人は誰? 「日本の鉄道の父」と呼ばれる人物

こんにちは。交通技術ライターの川辺謙一です。 今回は「東京駅前に立つあの人は誰? 『日本の鉄道の父』と呼ばれる人物」と題して書きます。 日本の鉄道の黎明期を知る話として、お楽しみいただけたら幸いです。 ■ 丸の内口広場にある銅像みなさんのなかには、東京駅を利用したことがある方が多いでしょう。東京駅は、日本の鉄道網における中心的存在なので、東京圏に住んでいる方だけでなく、それ以外の地方に住んでいる方も修学旅行や出張などで一度は利用したことがあるのではないでしょうか? こ

どうして茅の輪をくぐるのか(その4・完)

【スキ御礼】どうして茅の輪をくぐるのか(その1)  【スキ御礼】どうして茅の輪をくぐるのか(その2) 【スキ御礼】どうして茅の輪をくぐるのか(その3) どうして茅の輪をくぐるのか。  その由来と神話とのかかわりについて、歴史学者・東洋古代思想史研究家 村上瑞祥さんのコラムに興味深い説明があったので、これまでの疑問ごとに結論の部分を抜粋、要約する。 1)なぜ「茅」なのか。 ⇒中国では古くから茅は魔除けとして、また神前に備える供物として使われてきた。漢字の「茅」の文字は、「草

【歴史小説】天昇る火柱(8)「旅立」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

「流れぬ彗星 第一部」登場人物紹介!【歴史小説】

 よく長編小説の表紙をめくると、初めに登場人物の一覧が載っていたりしますよね。 「こんなのいらないよ、自分は全ての人物を、いきいきと頭の中で思い描けるからね!」などと思いつつ、結局のところは何かと便利だったりします。  読み進めているうちに、「あれ、この人誰だったっけ…」と戻ってみたり。  特に外国の小説や、よく知らない時代のことだったりした場合には、意外と重宝しますよね。  と、いうわけで。  拙著「流れぬ彗星」も、この機会に主要登場人物一覧を作ってみました。 (エンタメ

【歴史小説】天昇る火柱(6)「胤栄」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

春分の京都旅行「因幡薬師 前篇」不明門通と南門

大河ドラマ"光る君へ"第27話「宿縁の命」観ました。 まひろと道長のラブロマンスを毎度楽しく視聴しているのですが、ネットの反応を覗いてみると二人のシーンはあまり評判が芳しくないみたいですね。それにしてもいやはや、まひろの夫・宣孝めちゃくちゃカッコよかったですね。真のプレイボーイは彼のことを言います。 昭和まで寛容だった不倫文化。 現在は不倫した有名人を執拗に叩き、芸能界引退まで追い込もうとする人が増えています。しかし、批判している人たちの中で一体どれほどの割合が清廉潔白

春分の京都旅行「佛光寺 中篇」歴史とオシャレなセレクトショップ

京都のオーバーツーリズムを一気に解消する方法があります。京都北部の山を切り開き、人気のある寺社仏閣すべてを移転させればいいのです。 豊臣秀吉もビックリの政策を考えてみましたが、まぁ独裁者にならなければ不可能の都市区画案ですよね。そういえば半導体会社『ラピダス』に一兆円もの税金を注ぎ込みましたが大失敗の模様。日本政府は第二次産業の活性化を諦めて、本格的な観光立国に舵を切るそうです。 日本の代表的な観光地京都で、「議会と市長はコロナ禍の数年間寝ていたのか」と行政に対し不満を露

朝廷に献上された和菓子「七嘉定」

【スキ御礼】和菓子を献上する「山王嘉祥祭」 嘉定喰は陰暦六月十六日に行われた行事。 今年(2024年)ですと七月二十日が陰暦の六月十六日にあたります。 江戸時代に宮廷で行われた嘉定は七種のお菓子を献上する(七嘉定)というものでした。 この七種の内訳については特定されていなかったようです。 この七種の嘉定菓子は現在でも虎屋さんで販売されています(写真)。 それぞれに菓銘があり、 写真真ん中が、 ・豊岡の里 上から時計回りに ・武蔵野 ・源氏籬 ・桔梗餅 ・伊賀餅 ・味噌

春分の京都旅行「京都市学校歴史博物館Ⅰ」京都大神宮と高麗門

大河ドラマ"光る君へ"第26回「いけにえの姫」観ました。 少し前に白楽天と傾国の美女についてのお話をしました。ちょっとした伏線回収があるのかと思って見ていましたが半分的中でしたね。ロバート秋山さん演じる藤原実資が『定子は傾国の中宮である』とご発言。やはり制作陣は白楽天を意識されていました。 本編後に放送される『光る君へ紀行』では離宮八幡宮の紹介がありました。実は私、今夏に嵐山観光を計画していて余裕があれば参拝したいと思っていたんです。皆様はご存知でしょうか。その昔、男山と

和菓子を献上する「山王嘉祥祭」

【スキ御礼】俳諧にみる江戸期の「和菓子の日」 全国和菓子協会は6月16日を「和菓子の日」と制定しています。 なぜこの日なのかを改めて全国和菓子協会の資料で確認します。 この嘉祥は明治時代には廃れてしまったといいます。 「和菓子の日」が制定されたのは、昭和54年。当時は甘味離れが一般に言われていたこともあり、和菓子業界では、なんとか和菓子に対する理解を深めたいという思いがあったようです。  当時の「和菓子の日」の行事としては、紅白饅頭一万個を配布したり、千代田区永田町の

【歴史小説】天昇る火柱(7)「未来」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

江戸の敵を長崎で討つ

「江戸の敵を長崎で討つ」。 (えどのかたきをながさきでうつ)  高校の日本史の授業で聞いた記憶のある言葉。先生は「江戸の敵を長崎で討つ」という言葉の由来を話してくださったのだが、今では忘れてしまった。  言葉の意味は「筋違いのことでリベンジを果たすこと」みたいな意味のはず。たまに思い出す言葉なのでネットで調べてみるのだが、諸説あるようでどれが正しい由来なのかわからない。  「江戸の敵を長崎『で』討つ」で私は記憶しているが、 「江戸の敵を長崎『が』討つ」が正しいとする解

東大寺大仏殿の再建に、源頼朝が尽力したワケ──西山厚『語りだす奈良 1300年のたからもの』

治承4年(1180)12月28日、奈良に攻め入った平重衡は東大寺と興福寺を焼いた。 平家に随わないのは、あとはもう奈良の寺々だけ。平清盛は息子の重衡を奈良へ遣わしたが、焼けと命じたわけではなかった。 東大寺は、大仏殿、講堂、僧房、戒壇、食堂、廻廊、鎮守八幡宮、尊勝院、東南院、真言院など、主な建物のほとんどが焼け、大仏も焼けた。 摂政や関白を歴任した九条兼実は、日記に「悲哀、父母を喪ふよりも甚し。天を仰いで泣き、地に伏して哭く」と悲痛の思いを記している。 大仏が焼かれて

【歴史小説】天昇る火柱(3)「天竺」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

【歴史小説】天昇る火柱(4)「西方」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

歳時記を旅する52〔夕立〕中*拭ひ合ふ肩の雫や初夕立

 佐野  聰 (平成十年作、『春日』)  浮世絵「大はしあたけの夕立」(歌川広重『名所江戸百景』一八五七年)は、隅田川下流の浜町あたりに架かる新大橋の図。にわかに押し寄せた黒雲とともに降ってきた夕立に、あわてふためく通行人の姿が描かれている。橋の上には五人。筵をかぶり前かがみの男、笠をかぶり腕まくりする男、一本の傘に頭を寄せて歩く三人の男、そして傘をすぼめて歩く女性らしき二人連れ。  句は、夕立が止んだところか、屋内に入ったところ。夕立の季節になったことを語り合っているにちが

【源氏⑨】源義経が京都入り! ヒーロー伝説のはじまりダッッ!!

歴史のヒーローたちの物語を「人物相関図」で、少しでも分かりやすく楽しく紹介できれば、という気持ちでつくっているnoteです。 今回のシリーズは源頼朝&源義経ブラザーズにまつわる物語。 シリーズをまとめたマガジンはコチラから↓ 前回の記事では、頼朝&義経のライバル・源義仲が京都から平氏を追い出して、入京するまでを書きました。記事はコチラ↓ 今回はついに、頼朝の弟・源義経が京都にやってきます! さぁ、伝説が始まるゾーーーーーーー! 頼朝、義経に対し兄弟の甘やかしゼロ

茅の輪くぐりと夏越の祓

【スキ御礼】夏越の大祓 茅の輪を詠むには、夏越の祓い全体を理解しておきたいです。出題を機会に神田明神の夏越の祓いに参列してきましたのでご紹介します。 茅の輪くぐりは夏越の祓の一部であることが分かります。 夏越の祓のそもそもの起源は『延喜式』(九〇五年)に規定されています。大祓の次第は次のようです。 宮中の行事としては、その後、廃れたようですが、明治になって大祓いの行事が復興したそうです。神社では大祓を年中行事として行っていたそうです。神田明神の夏越の祓いの神事も

【歴史小説】花、散りなばと 1/6【加筆修正・リマスター版】

 この度、kindleで初の作品集『室町・戦国三都小説集』を発売させていただきました!  それに当たり、一番古い作品だった「花、散りなばと」を一部加筆修正いたしました。  主な変更点は、 ●ルビの追加 ●細かな言葉遣い です。  やはり現代からすると馴染みのない言葉、地名、人名などが頻出する割にはルビが少なかったため、もう少し読みやすくなればと思い、ルビを増やしました。  また、いくつかの箇所について、当時の雰囲気を壊さない言い回しに変え、文章全体を整えました。 (Kin

おくのほそ道をたどってみた〜松島編〜

まとめ氷河期が明け、海面上昇によって山々が残され、松島の絶景を生んだ。 松尾芭蕉一行は、瑞巌寺、五大堂を訪れた。 弟子は句を残したが、松尾芭蕉は松島の絶景に魅了されていた。 8月19日は俳句の日8月19日は俳句の日です。京都教育大学名誉教授の坪内稔典さんたちが1992年、提唱しました。 俳句という単語の名付け親は、正岡子規と言われています。俳句とは、「俳諧の発句」の略語です。俳諧とは、みんなで楽しむ言葉遊びのことです。発句とは、「短歌、連歌の最初の句(五七五)」のこと

キトラ古墳~「四神の館」・明日香村に遺されたもの③

前回の記事↓↓↓ 前回に次は「キトラ古墳」へ向かうと豪語しましたが、古代史に関してはド素人なので実物の古墳を見ても何もわかりません。 ましてやこの日はさらに気温は上がり、暑くもなってきたので、キトラ古墳を体験できるエアコンが効いた「四神の館」へと向かいました。 きっと施設内は地味でショボいだろうと高をくくっていましたが、とんでもない! とても分かりやすい画像や動画による展示が多く、入ったとたん思わず感嘆の声を上げたほどでした。 「キトラ古墳」とは🍃日本で2番目に発見され

「流れぬ彗星」時代背景解説!【応仁の乱・明応の政変とは?】【歴史小説】

 拙著「流れぬ彗星」の第一部、完結いたしました。  みなさまにお読みいただき、たくさんのスキやコメントもいただいて、いつも感激しております。  本当にありがとうございます!  ただやっぱり「時代背景が難しい」という声を多くいただいており、「確かに…」と思うところもありますので、できるだけ簡単にまとめさせていただきました!👇 🔖どんな時代?  まず、当時は「足利将軍家」を頂点とする「室町幕府」が、日本の政治を担っていました!  畠山、細川といった「管領家」は、実務レベルのト

【源氏⑦】源頼朝&源義経20年ぶりの再会ッ 涙の兄弟愛!

歴史って知るとめちゃくちゃ面白いし、人生の知恵を与えてくれる。 「人物相関図」を使って少しでも分かりやすく歴史のドラマをご紹介できれば、という思いで作っているnoteです。 さて、今回のシリーズは 源頼朝&源義経ブラザーズ。 前回の記事で書いた通り、ついに伊豆の地で挙兵、その後ボロ負け、そして安房の地(千葉県の南部)で再起を果たした源頼朝。 今回の記事では源頼朝軍団が戦わずして平氏の軍を打ち負かした「富士川の戦い」、そして頼朝&義経ブラザーズの涙の再会をご紹介していきま

【歴史小説】天昇る火柱(5)「天女」

この小説について  この小説の主人公は、赤沢新兵衛長経という男です。  彼は、信州の小城に庶子として生まれ、田舎武士として平凡な一生を送るはずでした。  しかし彼には、二十歳近くも年の離れた兄がいました。  兄は早くに出家して家督を放り出すと、諸国を放浪し、唐船に乗って明国にまで渡ってゆきました。  そして細川京兆家の内衆となり、やがて畿内のほとんどを征服することになります。  神も仏も恐れぬ破壊者、赤沢沢蔵軒宗益。  その前に立ちふさがるのは、魔王・細川政元への復讐に全

やっと本編!「光る君へ」の押さえたい見どころ

さて、今回は定子が残した3人の子供たちのその後を中心に今後の見どころポイントをピックアップしたいと思います。 ネタバレではありますが、史実に基づいた事なので、これからの大河の展開を見守るうえで、ドラマの創作具合を図るためにも、ここで整理しておきます。 後ろ盾の無い子らのその後定子は一条天皇の中宮という立場ではあるものの、父は志半ばで病没、兄・伊周と弟・隆家が「長徳の変」を起こしたことで失脚し、その心労で母も没し、実家は無いに等しくなります。 その上、定子自身もショックから

竪櫛と横櫛 〜櫛の歴史〜

九條です。 先日、出かけた先でちょっとマイナー(ローカル)な100円ショップさんへ入ってみました。 そこで「おやっ!」と思う商品を見つけました(写真)。 木製(桃の木製)の横櫛ですね。ひとつ100円(+税)でした。 私はこのような櫛は使わないにも関わらず、思わず買ってしまいました(衝動買い)。また要らぬものを買ってしまった…。^^; ◎竪櫛と横櫛 櫛はその用途別に梳櫛(スキクシ)や解櫛(トキクシ)、挿櫛(サシクシ)などがありますが、その形状で分類するならば大きく竪櫛

源氏物語 | 桐壺(与謝野晶子[訳]、サイデンステッカー[訳])

大和、新たな展開へ。

欠史八代 第七話 第五代 孝昭天皇 ヘッダー画像は、向かって右から孝昭天皇陵、大和葛城山、金剛山。  初代から第四代、神武、綏靖、安寧、懿徳天皇の御陵は畝傍山に築かれました。そして前々回の記事で、系譜をサザエさんに例えて、大和の 大地主神である大己貴神の血統を全て受け継いだことを書きました。 そしてこの第五代孝昭天皇から、新しいフェーズに入ったことを、『記紀』の記述から読み取ることが出来ると考えています。 宮の伝承地  まず宮の伝承地と御陵を確認しておきましょう。『日本

【思い出とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第33回

第一話からのブーメランが届いた回でした。扇子に描かれた子らの着物の色も、髪型も、そして鳥さんも、あの日のまま。告白みに悶えたのは私だけではないはずです。 「鳥が逃げてしまったの」が若紫に繋がることを予感させてからはや9ヶ月。あの頃は、もう少し早めに「源氏物語」を書き始めるだろうと思っておりました。もはや懐かしい。 他にも「地味でつまらぬ女」ブーメランも戻ってきました。 これをベースにしたのが「雨夜の品定め」ですが、その中のワンシーンを弟といとに読み聞かせるまひろ。目をぱ

日本人の知性を疑うようなヤフーコメントとその同調者たち 

私は毎日のようにヤフー記事とそのコメントの一部に目を通します。そのほとんどは正常な内容だったり参考になったりするものばかりです。ところが、昨夜見つけた記事に対するコメントとその5桁に及ぶ同調者たちは、知性の欠片もないような人々でした。 今回は、ヤフーコメントのレベルとその同調者たちの危険性について取り上げます。 なお、今日は文章を読み直す時間がありませんでした。加筆修正の必要があれば、あとで行います。 昨日の記事はこちらです。 この記事の内容が真実ならば、加害者の責任

【人とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第31回

まひろが書く物語の背骨がとうとう現れた回でした。同時に、一年の三分の二を使って丁寧に丁寧に描いてきたエピソードの多くが回収された回でもありました。 清少納言は、意図的に中宮様の光のみを書き残しました。それはそれでアリだし、帝はそれにより大層御心を慰められています。 それを、和泉式部は「気が利いてはいるけれど、人肌の温もりがない」と一刀両断に切り捨てます。今読んでも、艶かしさは確かに無い。そこに凛としたプライドのようなものを感じるわけですが。 猿楽師だった直秀が物語の効能

岩槻城~関東の要地となった沼地の城

 さいたま市岩槻区にある岩槻城。現在の城址公園はあまり広くありませんが、関東地方の要衝として歴史的に重要視されました。 岩槻城の歩み 戦国時代の岩槻城は、北条氏に抵抗した太田資正の居城でした。資正は犬に訓練を施し、岩槻城と武蔵松山城の間の伝令として使ったという逸話が残ります。  しかし、資正は息子に裏切られ追放の憂き目にあい、岩槻城は北条氏康の手に落ちました。  豊臣秀吉の小田原攻めでは、北条氏房が籠城しますが、落城しています。  江戸時代にも関東支配の重要拠点とされ、

【文化財紹介】『大正ロマン香るビル ~船場ビルディング~』

【2024年9月1日/大阪歴史倶楽部】 大阪歴史倶楽部です。今月は大阪市中央区にあります、1925(大正14)年に建てられた大正ロマン香るビル「船場ビルディング」をご紹介いたします。 船場ビルディング 今回ご紹介する船場ビルディングは、いまから99年前の1925(大正14)年に建てられました。 建築当初からエレベータが設置された鉄筋コンクリート造り地上4階、地下1階建のビルで、ビル内に オフィス部分と住宅部分とをあわせ持っています。 このオフィス部分と住宅部分とをあわせ

なぜ、京都・賀茂神社は2つに分かれているのか?──上賀茂神社・下鴨神社の気になる関係性

文=古川順弘(文筆家) 糺の森に覆われた広大な境内 京都の賀茂神社は上賀茂神社と下鴨神社の2つから成るが、古い時代には上賀茂神社、すなわち賀茂別雷神社しか存在しなかった。言い換えれば、かつては上も下もなく、ひとつの賀茂神社しかなかった。ところが、のちにこの賀茂神社(賀茂別雷神社)から分立されるかたちで下鴨神社、すなわち賀茂御祖神社が誕生した──このような見方が、現在では通説的な地位を占めつつある。  ならば、いつ、なぜ分立されたのか。この問題を探る前に、まずは下鴨神社の

歴史の中の美術品:近世日本の銀貨に龍が舞っていた

明治時代の一圓銀貨についてのお話です。 この一圓銀貨の裏側には龍が掘られています。 見事な龍が舞っている硬貨です。 まず龍とドラゴンは別物です。 日英翻訳で直訳すると同じになりますが別物です。 龍 龍とは東アジアで神聖な存在です。神様と言っても過言ではないです。 私の学生時代のノートを読み返すと、紀元前2000年頃に中国の夏王朝(かおうちょう)にて初めて龍の伝説があったと書いてました。 当時、質問攻めにしていた歴史の先生の情報では、夏王朝そのものに存在の証拠がなく

日本も原爆を準備していた?|富士 takashi @OIWh3zaT2dsVhxJ #note #日本史がすき https://note.com/takeshi934/n/ndacb829b2b2e

【共感とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第34回

彰子さま、あまりにも大切に育てられすぎていたのね、な回でした。 表面的なご挨拶やご機嫌伺的なお話ではなく、お互いに腹を割って話すとか、くだらないことをくっちゃべって笑いあうとか、そういうことを一切してこなかったから、人との接し方が分からない姫様だったのかあ。元祖コミュ障。 御簾の向こうから「素」の父親を目撃して人に対する興味を少し抱いたのは、大きな一歩のようでした。これから周りに対する関心が高まり、顔をあげる機会が増えるのかな。だといいな。これをきっかけにしてまひろとの距

日本史の始まりの地・明日香村に遺されたもの①

先日、この酷暑の中、奈良の明日香村へ行ってきました。 ここにはかなり時代は遡りますが「古代メキシコ」と同じような高度な文明も存在していたのです。 小学生のころ以来、久しぶりに訪れてみると、長閑な風景は残しつつ数々の歴史名所を解りやすく伝える施設もあり、観光地としての努力が見られました。 ただ、それらの位置は散在しているため歩ける範囲に集結しておらず、レンタサイクルでまわるというテもありますが、坂道がほとんどなのでキツイことは目に見えています。 現に自転車で回っている外国人

【MIHO MUSEUM】特別展「奈良大和路のみほとけ ─令和古寺巡礼─」の見どころを、仏像イラストレーターの田中ひろみさんが現地レポート!

滋賀県甲賀市信楽町「MIHO MUSEUM(ミホ ミュージアム)」の夏季特別展「奈良大和路のみほとけ ─令和古寺巡礼─」〔会期2024年7月6日(土)~9月1日(日)〕のプレス内覧会に参加しました。 緑が多くとっても素敵な「MIHO MUSEUM」で、私の大好きな奈良の仏像の数々を拝めるという素晴らしい展覧会です。 記事冒頭の入口ポスターの写真は、大安寺蔵の奈良時代の秘仏・馬頭観音菩薩立像。展示期間は8月6日〜9月1日のため、私が訪れた時はお会いできませんでした。 会場

素顔のわたし③ | 私的ロシア論

 おもに2年前に書いた記事のまとめです。  今の自分に大きな影響を与えた国はどこか?、と考えてみるとロシアかなと思います。  自伝のように書いた「ロシア論」を4つまとめておきます。 #サルニコフ #水泳選手 #ラフマニノフ #ピアノ #ロシア文学 #東欧文学 #ゴンチャロフ #日本史がすき #エッセイ #自己紹介 #自伝